【2024春最新版】年アド3級 在職老齢年金 5つの知識で勝負が決まる!|みんなのねんきん

2018年5月16日

シモムー

みんなのねんきん主任講師

何が出題されている?

出題形式:誤っているものを選択

2018春に初めて基本知識問題で在職老齢年金(高在老)が出題されました。

2020秋にはさらに史上初の低在老(60歳台前半の在老)の出題がされました。

技能応用が低在老の出題なので、基本知識は高在老なのかと理解していたのですが、どうやら在老のくくりで出題したい様子。

次回はどうなるのか、傾向の変化が謎めいているテーマです。

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過去11回の正解となった知識

  • 2023秋 出題なし
  • 2023春 在老:基本月額は経過的加算を含まない
  • 2022秋 在老:老齢厚生年金が停止されても老齢基礎年金は何ら影響を受けない
  • 2022春 低在老:在老受給中でも高年齢雇用継続給付金は受給できる
  • 2021秋 低在老:老齢基礎年金を繰上げていた場合でも老齢基礎年金は停止とならない
  • 2021春 在老:基本年金額の一部を受給していれば加給年金額は全額支給される
  • 2020秋 低在老:28万円を超えた場合に超えた額の2分の1が停止となる(当時)
  • 2020春(模擬)在老:基本月額は経過的加算を含まない
  • 2019秋 在老:70歳まで全額停止されていた場合でも70歳から増額されない
  • 2019春 在老:報酬比例部分が全額停止となっても老齢基礎年金は停止とならない
  • 2018秋 在老:基本月額は経過的加算を含まない
  • 2018春 在老:支給停止調整額を超えた場合に超えた額の2分の1が停止となる

10回連続出題が続き、ついに2023秋に途絶えました。

かつてはいわゆる高在老の仕組みしか出題されなかったのですが、2020秋、2021秋、2022春は低在老での出題。

ただ、仕組み自体はほぼ同じなので、どちらであっても対応できるでしょう。

出題傾向から年金制度を考える

基本月額に含まれないものに注意する

「加」がつくと対象外

在職老齢年金を計算するうえで、年金減額の対象となる年金額を把握する必要があります。

まず、

同じ老齢年金とはいっても、老齢基礎年金は対象外です。

2019春、2021秋、2022秋は老齢基礎年金に影響が及ぶという肢が正解となりました。

老齢基礎は一切関係ありませんので。

在職老齢年金は老齢厚生年金に対する調整の仕組みであることは基本中の基本です。

そして、

老齢厚生年金の年金額は3つの構造で成り立っていますが、在老の対象になるのは基本年金額(報酬比例額)だけです。

  • 給年金額
  • 経過的
  • 基本年金額(報酬比例額) ← ここだけ

ちなみに、66歳以降で繰下げ受給すると、繰下げによる増額分が加算されますが、この繰下げ算額も対象外(つまり、在老による停止は無い)です。

例えば、67歳で繰下げの申出をして増額した老齢厚生年金を受給している。

で、申出後に適用事業所に勤めたので在老の影響を受ける。

結論、繰下げ加算額は調整の対象にならずに、そのままもらえる ということです。

つまり、基本月額には「」という字が入るものは高在老では調整の対象にならないことを押さえておきます。

2018秋、2020春(模擬)、2023春はこの点が正解となりました。

低在老における加給年金は無いと断言できる

低在老の出題では、以下の肢が並んでいます。

在職老齢年金に、配偶者加給年金が加算されることはない

こう、言い切られると、「え?そうなの?」と疑問に思ってしまいます。

結論、加算は確かに無い と言い切れます。

60歳台前半で加給年金をもらうためには、定額部分の支給が必須。

定額部分が加算されるためには、特例に該当する必要があります。

ところが、

在職老齢年金ということは厚生年金の被保険者になっているわけで、長期加入・障害の特例に該当しなくなります。

ゆえに、定額部分が支給されないので、加給年金も支給されない。

という理屈です。

定額部分が支給される特例の知識と一緒に押さえておきます。

総報酬月額相当額は低在老も高在老も同じ

在老は直近1年間のボーナスと今の月給から年金の減額を決めます。

この直近1年間のボーナスと月給を”総報酬月額相当額”といいますが、60歳台前半の低在老も高在老も同じ考え方をします。

同様の算式を用いて算出する

と、出題がされましたが全くそのとおりです。

減額のラインを超えたら超えた額の2分の1を止める

年金額と報酬の合算額が世間相場を超えると、超えた額の2分の1を止めるというのが在老の仕組み。

2018春はこの”2分の1”が抜けていました。

2020秋は低在老の「28万円」を「47万円」として正解に。

ただし、2022年4月からはこの支給停止調整額28万円が高在老と同じ基準額になりました。

シモムー
シモムー
2022秋にはこの点出題があるかもしれません

と予想しましたが、低在老自体の出題がなかったのでハズレ。

ま、難しい話ではないので問題ないでしょう。

メモ

2023年度の支給停止調整額(年金カットの基準額)は48万円となっています(2022年度は47万円)。

基本年金額が少しでも出ていたら加給年金額は全額もらえる

高在老で仮に在老計算の結果、基本年金額(報酬比例部分)は全額停止とならず1円でも支給されたとします。

すると、加給年金額は全額受け取れます。

加給年金額はゼロか100の世界で、もらえるなら全額もらえる、もらえないなら一切もらえないというものです。

例えば、半額だけもらえるという一部支給のルールはありません。

この点が2021春で正解となりました。

加給年金額は支給停止額に応じて減額される

減額されないですね。支給か停止のどちらか一つです。

また、

あくまで、基本年金額(報酬比例額)が1円でも支給停止される状態でなければいけません。

報酬比例額は全額停止でも経過的加算がもらえるんだから1円でも支給されるじゃないか! → だから加給年金もOK

とはなりません。

基本部分(報酬比例部分)に支給がなければ、加算部分に加算するというわけにはいきません。

70歳以上で厚生年金から抜けても在老は対象になる

在老は年金を受け取りながら厚生年金の被保険者になる場合に減額となる仕組み。

だったのですが、平成19年からは70歳以上の人も対象になっています。

本来であれば、

70歳に達した日に厚生年金の被保険者資格を喪失するので、お役目御免となりそう。

ですが、70歳以降も適用事業所で引き続き社会保険に入るであろう働き方をすると、現役世代と同じく年金減額の対象となります。

70歳以上でも対象になることさえ押さえておけばいいでしょう。

在老による停止と繰下げの関係

繰下げ待機中に在老による老齢厚生年金を受給していると繰下げ後の年金はどう増えるのか?

仕組みとしては、在老で”停止になっていたであろう部分を除いて”増額計算する”というもの。

実際、こんな計算をするので参考までに。

5年待つと年金は42%増し?実は単純じゃない繰下げの話|みんなのねんきん

どんな事例?簡単に言うと・・ 年金を我慢すると最大で42%増額する繰下げの仕組み。国はこの仕組みを70歳を超えて使えるよう検討しているとのこと。高齢者の就業を促すという目的もあるようですがちょっと疑問 ...

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2023秋は在老のテーマは出題されなかったのですが、特例的な繰下げみなし増額制度がこの在老のテーマに代わって出題されました。

答えとしては上で説明したとおり、在老で停止になっていたであろう部分を除いて増額するという点が正解に。

ちなみに特例的な繰下げみなしは以下のコラムを参照してください。

年金受給者に好影響?2023年4月からの「特例的な繰下げみなし増額制度」とは|みんなのねんきん

  どんなニュース?簡単に言うと 2023年4月、「70歳になった後に老齢年金の手続きをする場合」のルールが、一部変更されました。 変更後の制度の名称は「特例的な繰下げみなし増額制度」。 この制度によ ...

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今回はこれが答えになる!

2023秋に出題が途切れ、今後はどういう扱いになるかよくわからない状況となりました。

出題されるなら、在老自体は大きなテーマなので完全に消えることはないと思います。

出題される場合は、

  • 基本月額の定義(老齢基礎年金との関係)
  • 総報酬月額相当額の定義
  • 停止額の算出式
  • 70歳以上でも適用あり
  • 加給年金の扱い

この中から5肢が出題されるわけです。

私はこれ以外の新しい論点は今後は出ないと踏んでいます。

したがって、上の5つを押さえましょう。それだけでほぼ間違いなく攻略できるテーマです。



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年金アドバイザー3級試験に初受験から2023年春まで21回連続86点以上で合格中。満点は5回。優秀賞は9回受賞。試験に対する考え方・勉強方法について絶対の自信を持っている。