発達障害と障害年金 プロが感じる手続き時の難しさとは

【みんなのねんきん】岡田社労士

岡田真樹

みんなのねんきん社労士法人最高執行責任者


今回のコラムは年金実務者向けの内容です。

ここだけの話、今回はこんな話です

精神疾患についてのドラマや映画は、たくさんあります。その中でもテーマとして多く取り上げれているは、自閉症などの発達障害だと感じます。

フォレスト・ガンプ/一期一会、レインマン、英国王のスピーチなど挙げればたくさんありますより純粋さを演出しやすいことから、取り上げられているのかもしれません。

障害年金相談においての発達障害子供の頃から病状を自覚し治療を継続しており20歳のタイミングで受け取る方と、大人になり社会に出てから発達障害との診断を受けた…という方とあります

社会に出るようになってからの方が周囲の理解が得られず、辛い思いをされていることが多いようです。これほど映画やドラマで取り上げられているのですが、社会的な認知がないと感じてしまいます。

障害年金相談の現場では、発達障害の方と関わる際、どのような点を気を付けなくてはならないか、今回は発達障害方との害年金請求を見てみます。

ここだけの話、こんな症状・こんな事例です

症状に個人差が大きいことある

発達障害とは

生まれつき脳の一部の機能に障害がある状態。いくつかのタイプに分類されており、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害、吃音(症)などが含まれます。

現在では、10人に1人は、発達障害であると指摘している精神科医師もいるそうです。発達障害の方というとどのようなイメージをお持ちになるでしょうか?

一般的にはじっとしていられない・衝動的に行動してしまう注意欠如・多動性障害(ADHD)というイメージが強いかもしれません。

発達障害といっても上記にあるようにいくつかのタイプに分かれていますが、同じ傷病名であっても、多弁の方であったり、寡黙の方であったり、全く正反対の特徴あることがあります

つまり、発達障害は、症状に現れる個人差が大きいということになります。

ここだけの話、何が問題なのか

発達障害の障害年金相談では、就労されている方が多くいます。

障害年金の審査では、就労できていると症状が軽いと判断され審査が難しくなることが良くあります。

就労の事実だけで判断されることを避けるため、就労先での具体的な援助配慮の状況や日常生活での状況をしっかり聴き取らなくてはいけません。

また、就労されていない方の場合でも病状や日常生活の状況を把握できないと請求に必要な書類が作成できません。

しかし、相談者と代理人の間でコミュニケーションが上手く取れず、手続きそのものが進まなくなってしまうことがあります。

  • やり取りの中の些細な箇所にこだわってしまう

  • 円でも不確かなお金は払いたくない

  • 直接会わないと不安が大きくなってしま

手続きを形式通りに行っていただけでは、相談者の中では、不信感を抱かれ思わぬトラブルに・・・。

一度歯車がずれてしまうと、解消するまでに大変なことになってしまうこともありあます。

発達障害の相談者に対して、「就労していることが多い」「コミュニケーションが難しい」からと断ってしまう手続き代行業者もいます。

これは、障害年金が必要な方を傷病名で差別してしまうことになり、倫理的に問題だと感じています。

ここだけの話、こう対応する

発達障害は、症状に現れる個人差が大きいです。

特徴を全て把握することは、同じ傷病名でも正反対の特徴があったりしますのでほぼ不可能だと思います。

そこで傷病の特徴に合わせるのではなく、相談者一人ひとりの特徴に合わせる意識を持ちます。

相談や手続き代行業務の初期の段階で、相談者の特徴や何を重視しているかを把握しなければなりません。

コミュニケーションをとる際には、やはり傾聴が重要になってきます。話の内容から些細な事でも情報として捉えていきます。

相談者が喜ぶことよりも何を恐れているのか・心配しているのかをはっきりさせます。避けなければならないことを明確にしておくと、その後のやり取りがスムーズにいきます。

何を恐れているのか・心配しているのかは、こちらが想定していないことに対して、恐れていたり心配していたりすることが多いです。

相談者によっては、はっきり聞いてしまうのも方法のひとつかもしれません。

私は、前職で障害者雇用として就労していました。

多くの障害者の方と一緒に就労していましたが、その中にも発達障害の方がいましたので、よく話をしいてました。

気にするポイントが想像を超えていたことも多かったのを覚えています。

我々の感覚で「そこは、気にしなくて大丈夫」と相談者が心配してる事を軽くあしらってしまうと、不信感が生まれ手続き代行が上手くいかなくなってしまいます。

一番よくないのは、「~だろう」と決めつけてしまう姿勢です。周囲の理解が得られず辛い思いをされてきている方ばかりです。相談者に寄り添い、なぜ気にしなくて大丈夫なのかはっきり説明しなければなりません。

話し方でも、こちらが通常に話しているつもりが相談者からは、怒っていると思われてしまうこともありますので、注意が必要です。

目をみて、相談者に伝わるスピードや単語で話すといいと思います。

ここだけの話、今回のまとめです

【みんなのねんきん】岡田社労士今回は、発達障害の方との障害年金をまとめてみました。

ポイントは以下のとおり。

  • 症状に現れる個人差が大きい
  • 症状に合わせるのではなく、相談者一人ひとりに合わせる
  • 相談者が恐れていること・心配していることを明確にする
  • 「~だろう」と決めつけない

安易な決めつけで応対してしまうと信頼を得られず、十分な情報を聞き出せないこともあります。

不十分な情報で手続きを進めてしまい、書類内容に矛盾ができ、結果として不支給と最悪もとなってしまこともあります。

社会では、空気を読みながら行動することを求められます。

発達障害の方が最も苦手としていることだと思います

我々も知らず知らずのうちに、会話があいまいな表現となって相手に読み取ってもらうことにより、コミュニケーションできていることがあります。

発達障害の方と関わる時は、より一層、相手に寄り添う姿勢でコミュニケーションを取っていかなくてはいけません。

  • この記事を書いた人
真樹岡田

岡田真樹(社会保険労務士 みんなのねんきん社労士法人最高執行責任者)

大学卒業後メーカーに勤務。仕事中に左手を機械に巻き込まれ、親指以外を失う大ケガを負う。転職後、障害者雇用の枠で聴覚障害・発達障害・精神障害・身体障害を持つ方々と一緒に働いた経験を持つ。障害年金の手続きを自ら行なったことから年金制度に興味を持ち、社会保険労務士試験に合格。都内の社会保険労務士事務所勤務を経て2020年より現職。

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