年アド3級各問分析

年アド3級基本32 確定拠出年金 改正続きの難問攻略法

投稿日:2018年10月30日 更新日:

メモ

この記事は2019年春向けのものです

何が出題されている?

出題形式:誤っているものを選択 と 正しいものを選択(2015秋のみ)

確定拠出年金に関するあらゆる知識が網羅的に出題されています。

普段は誤りを探す問題なのですが、2015秋のみ”正しいものを選べ”問題で出ました。

どちらの形式の出題なのか、必ず確認しないといけません。

ところで、

以前、この問題は確定給付企業年金とその出題の座を争っていたんです。

ところが、

過去10回の出題状況をみるとこうです(◯:出題あり 「個人型」:個人型確定拠出年金のみ)。

確定拠出年金確定給付企業年金
2018秋◯個人型無し
2018春◯個人型無し
2017秋◯個人型
2017春◯個人型
2016秋
2016春
2015秋
2015春
2014秋無し
2014春無し

2015春から2017秋までダブル出題がされていました。

ここ2回は確定拠出年金のみの出題となっています。

確定給付が出題がなくても、確定拠出は必ず出題があるはず。

銀行の窓口でも案内するでしょうから。

特にこのテーマは改正が続いてその点でも大事。

2016年には個人型確定拠出年金の大型改正があり、2017年1月から加入者が拡大される施行がされました。

2018年1月も拠出限度額改正の施行があり、2018年5月にも細かい改正がありました。

そのためか、2017春からは「個人型」限定で出題がされています。

基本知識問題の終盤問題の中でも重要度の高いテーマと言えます。

過去10回の正解となった知識

  • 2018秋 60歳以上の厚生年金被保険者は対象にならない
  • 2018春 運用指図者は掛金を拠出せずに運用の指図だけを行う者である
  • 2017秋 20歳未満の厚生年金被保険者も対象になる
  • 2017春 第2号厚生年金被保険者(国家公務員共済の組合員)も加入対象者
  • 2016秋 国民年金基金の加入員でも個人型に加入できる
  • 2016春 私学共済の加入者(第4号厚年被保険者)も企業型の対象
  • 2015秋 国民年金の保険料免除を受けていると個人型に加入できない
  • 2015春 将来の給付額をあらかじめ決めておく年金制度ではない
  • 2014秋 国民年金基金の加入員でも個人型に加入できる
  • 2014春 出題なし

ほとんどすべての回で異なる知識正解になっているのがやっかいなところ。

ただ、

大きく分類してみると、

加入の対象者になるかならないか

が問われていることがわかります。

その部分を徹底的に押さえておけば対応できそうです。

今後は企業型は出ないのか、個人型に限定しないもとの形に戻るのか。

この問題はそういう点でも予想ができずに難化しています。

出題傾向から年金制度を考える

正解が毎度バラバラですから、地道に重要知識を1つ1つ理解していくしかない、近道のない問題といえそうです。

過去に一定の傾向が出ていない問題は難易度が高いです。

近道は無いとはいえ、過去の正解はヒントになります。

これら、過去に正解に関係した制度の解説をしていきましょう。

私が年金制度を整理するうえで意識している「入る」「納める」「もらう」で分けてみます。

確定拠出年金は他の年金と根本的にどう違うのか

まず、総論として、確定拠出年金の性格から。

制度のネーミングのとおり、納める掛金だけが確定している。

将来の給付額は運用結果次第という、ある意味わかりやすい仕組みです。

反対に”確定給付型”は将来の給付の内容を約束しているので、現時点で積立が必要額に足りなければ実施主体が補填しなければいけない。

これが無いのが確定拠出年金を運営する側のメリットです。

改正がされて、”お得な仕組みだから使わなきゃ損!”と盛り上がっています。

実態は運用の知識が無い素人の加入者に責任を転嫁する仕組み。

運用結果は自己責任ということがどれだけ理解されているのか疑問に思います。

確定拠出年金の「入る」

個人型の実施主体と加入者

実施主体

実施主体は国民年金基金連合会です。

これはそのまま出題されるので覚えます。

加入者の範囲

改正前は個人型には国民年金の第3号被保険者公務員企業年金加入者は加入できませんでした。

これが、2017年1月からこれらの方が加入可能な制度に改められました。

厚労省の改正資料を参考にしてください。

オレンジ色の部分が新たに加入可能となった方々です。

(出典:厚労省資料 クリックで拡大)

第3号被保険者と公務員は要注意。

案の上、2017春では

第2号厚生年金被保険者は、加入対象者とされていない。

と出題され、それが正解になりました。

国家公務員なんですから対象者になりますね。

また、

企業型に入っている場合は規約に定めた場合に個人型に入れます。

企業型の規約を変更しなければいけないため、企業型に入りつつ、個人型に加入をする人は限定的みたいです。

厚生年金被保険者が加入する場合の年齢制限

さらに、2017秋は初めて出題された知識が正解となってしまいました。

それは、厚生年金の被保険者が個人型に入る場合、年齢制限は”60歳未満”という点です。

20歳以上というような下限はありません。

また、2018秋では、「60歳以上65歳未満」でも対象者である として正解となりました。

年齢条件は正解にしやすいので、これからも肢の1つとして出題が続くはず。

しっかり押さえます。

企業型の実施主体と加入者

実施主体

実施主体は事業主です。

加入者の範囲

加入者は、勤める会社に企業型の確定拠出年金制度があり、”厚生年金保険の被保険者”であること。

(年齢制限は65歳以下で規約によって定めるので一律ではありません。個人型とは違います)

とすれば、

共済加入の公務員や私学共済の方々も厚生年金の被保険者ですので入れそうなものですが、そうではありません。

制度上は第1号厚生年金被保険者第4号厚生年金被保険者に限定しています。

つまり、企業型は公務員を除いているわけです。

結論、公務員は個人型にしか加入できません。

2016年春はこの知識が正解となりましたが、これは知っていないとわからない難しい知識でした。

2016年秋にも正解にはなりませんでしたが、肢の一つで並んでいます。

ちなみに、

共済年金の一元化がされる前から、企業型には私学共済の加入者も加入できました。

民間企業の仲間として厚生年金と同じ扱いにしていたんです。

保険料免除を受けている期間は加入できない

確定拠出年金は公的年金を補完する私的年金。

まずは公的年金の保険料をきちんと納めていないことには加入できないことになっています。

私的年金の趣旨は、公的年金の上乗せで保障を充実させること。

”自助”の原則に従い、公的年金の義務を果たしていなければ上乗せを認めません。

趣旨から考えれば理解ができると思います。

ただし例外があります。

障害基礎年金の受給権がある場合の法定免除を受けている場合

には加入できます。

これは障害者への例外的な配慮です。

同じ法定免除でも、生活扶助を受けているための法定免除では加入できません

結構難しい知識なんですが、2016秋では肢の一つに並んでいました。

遡って調べてみましたが初出題の知識です。

これまでは単純に”免除者だったら加入不可能”で良かったのですが、ここまで来たかという感じです。

2018秋では再び登場していますから今後も注意です。

個人型には国民年金基金加入者も加入できる

国民年金の第1号被保険者は個人型の確定拠出年金に加え、確定給付型の国民年金基金にも加入できます

この場合の拠出限度額は両制度合わせた金額となります。

確定給付の国民年金基金で最低限の保障を確保しながら、確定拠出による積極運用で更なる保障を狙うなんて使い方ができます。

(下に続きます)

確定拠出年金の「納める」

拠出限度額は月単位から年単位へ

まず、拠出の限度ですが、月額から年額へと改正により変更となり、2018年1月より施行されています。

これは、前月に拠出限度額の枠内で使い残しがあっても翌月に繰越ができなかった不都合を改めるためのものです。

拠出限度額は試験では出しやすいので直前で暗記します。

数字をちょっと変えるだけで、正解が作れますからね。

2018春はこの点が触れられている選択肢が登場しましたが、数字の出題はありませんでした。

とにかく拠出限度額は毎度注意です。

拠出限度額の年単位の改正については、以前まとめたことがあるので参考にしてください。

月単位から年単位へ 確定拠出年金の新しい仕組みはキャリーオーバー?

シモムーみんなのねんきん主任講師 目次1 どんな事例?簡単に言うと・・2 こんな事例を考えてみましょう3 今回の事例の何 ...

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個人型と企業型で異なる拠出限度額

個人型の拠出限度額

先ほどの厚労省の資料の資料内部に番号をつけて、表にまとめました。

個人型については改正の結果、新たに加わった第3号(②)と公務員(⑦)が危険です。

④⑤は企業型DCに既に加入している人ですが、企業型の規約変更を前提にしており、ちょっと出題はしづらいかなと思います。

(出典:厚労省資料 クリックで拡大)

分類拠出限度額(月額)
①国年1号816,000円68,000円
②国年3号276,000円23,000円
③以下国年2号企業年金なし276,000円23,000円
企業型DCのみ240,000円20,000円
企業型DC+DB144,000円12,000円
DBのみ144,000円12,000円
公務員144,000円12,000円
個人型はいつでも拠出をやめられる

2017秋では掛金の拠出に関して、初めての出題がありました。

それは、”拠出をいつでもやめられる”というもの。

老後の資金をコツコツ積み立てて運用する仕組みなのに、そんなの認めちゃっていいの?

と思っていたのですが、可能です。

個人型の場合は連合会に申出をすることでいつでもやめられます

しかし、掛金の払込を止めても積み立てたお金を返してもらうことはできません(条件に合えば脱退一時金という仕組みがありますが・・)。

今まで積み立てたお金は基本的には老齢給付金として老後に受け取るしかないわけです。

ですので結果的に掛金の拠出をやめれば、あとは積み立てているお金をどう運用するかだけの立場になります。

この立場を”運用指図者”と言います。

今後も個人型ではいつでも拠出を止められるという仕組みは出題があると思います。

ちなみに、2018春はいつでも拠出停止の知識と運用指図者の定義が両方出題されました。

運用指図者については、

掛金を拠出しながら

という点で、間違いだったということです。

試験会場で私は、掛金を拠出しながら運用指図するなら「そりゃ、普通の加入者だろ!」とツッコミを入れたものです。

2018秋にもいつでも停止が出題されています。

企業型の拠出限度額

企業型も年額になった以外はこれまでと同じです。

企業型拠出限度額(月額)
他の企業年金なし660,000円55,000円
他の企業年金あり・私学共済加入者330,000円27,500円

確定拠出年金の「もらう」

老齢給付金は死亡以外でも失権することがある

生涯受け取れる公的年金の老齢年金とは違います。

この老齢給付金は

  1. 死亡した
  2. 障害給付金の受給権者になった
  3. 個人別管理資産がなくなった

以上の場合で失権します。

”3”の積立てた資産がなくなると失権するというのはなるほど〜って感じ。

まさに自己責任の年金です。

過去で正解にもなっていますし、よく登場する肢ですのでしっかり理解です。

2018年5月施行の改正内容

どこまで出題されるかわかりませんが、直近の改正内容に触れておきます。

簡単に列挙すると、

企業型個人型
・リスクリターンの異なる3つ以上の商品を提示(最低1つは元本保証型でなくてよい)
・運用商品数に上限設定35本
・従業員100人以下の事業主が簡易なタイプの企業型年金を設立できる制度の創設・事業主が個人型に加入する従業員の掛金に掛金プラスできるイデコプラスの創設(従業員100人以下の事業主)
・継続投資教育の努力義務化
・資格喪失時の事業主の説明義務に追加項目

個人型の改正内容の一部だけですがまとめたことがありますので参考までに。

イデコ100万人突破!2018年5月の改正で変わったこと3選

シモムーみんなのねんきん主任講師 目次1 どんなニュース?簡単に言うと2 どんなニュース?もう少し詳しく!2.1 加入者 ...

続きを見る

イデコプラスについてはパンフレットも参考になると思うので一読しておくと良いでしょう。

iDeCo+パンフレット

今回はこれが答えになる!

最近は何が正解になるかわからないこのテーマ。

なにこれ?という知識が出題されるんじゃないかとここ最近はいつもビクビクしています。

ただ、最近の傾向としては、「個人型」に「入る」という論点が出題の大半。

まずは、誰が加入できてできないか「入る」という部分は重点的に整理です。

次に「納める」の分野で拠出限度額の数字、拠出を停止できること、運用指図者の理解をしておきます。

これらを押さえておけば攻略はできそうですが、それでも不安であることに変わりはありません。

知っている知識だけ出てくれー!

難問攻略法はもう、祈るしかありません!

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