年金ニュース

一億総活躍に向けて年金がどうなるかまとめてみた

投稿日:2015年11月30日 更新日:

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文:みんなのねんきん主任講師シモムー

どんなニュース?簡単に言うと

2015年11月。一億総活躍社会実現に向けて政府が緊急対策を発表しました。様々な対策のうち、国民年金や厚生年金に関係した項目を取り上げて解説してみます。どれだけの効果があるか不安がよぎります。

どんなニュース?もう少し詳しく!

政府が一億総活躍社会実現に向けた対策を発表。

少子高齢化に歯止めをかけて、人口1億人を維持できる社会を実現するための対策です。

その中で年金関係の項目が4つありました。

現役世代向けに2つ

  • 国民年金の保険料を産前産後の期間に免除する
  • パートタイマーの厚生年金への加入要件を緩和する

高齢者向けに2つ

  • 65歳以上で新たに雇用保険に加入できるようにする
  • 低年金者に給付金を支給する

これらを1つずつ解説していきましょう。

国民年金の免除は老後の年金が減るけれど・・・

出生率1.8を目指す子育て支援として産休中の国民年金を免除するというもの。

「子育て支援」はアベノミクス新第2の矢です。

ところで、厚生年金に入っていれば産休中・育児休業中に保険料が免除されます。

そもそも厚生年金の保険料は事業主が納めます。

その半分を従業員が負担するわけですが、事業主分と合わせてその全額が免除されます。

実は最初から全額免除じゃなかったんです。

この免除制度ができた平成7年の当初は従業員負担分だけが免除されていた。

中途半端な仕組みだったんです。

すると、半額とはいえ休んでいる従業員のために会社が保険料を納める負担は大きい。

いっそのこと、「育休でなく退職して欲しい」となるでしょう。

平成12年からは事業主負担分も免除となりました。

また、免除されても将来の厚生年金からもらえる老後の年金が減ることはありません。

ありがたい。

ところが、自営業者が入る国民年金の免除は老後の年金が減ってしまう。

全額免除された月は2分の1ヶ月として計算されるからです。

そことのバランスはどう考えているのでしょうか。

こんなんで出生率アップにつながるとは思えないんですけど。

平成28年10月からパートタイマーの厚生年金加入条件が緩和

2つ目はアベノミクス新第3の矢「安心の社会保障」に関して。

厚生年金に加入している会社に就職すると全ての人が厚生年金に入るのが原則です。

ところが、パートタイマーはフルで働いているわけではない。

一律に加入させるのは問題が生じます。

そこで働く時間・働く日数が正社員の4分の3以上であればパートタイマーでも厚生年金に入ります。

この条件をもっと緩めようということで既に平成28年10月から加入条件が緩くなることになっています。

具体的には

  • 週の労働時間が20時間以上
  • 月の収入が88000円以上
  • 1年以上雇用の見込み
  • 学生は除外
  • 従業員が501人以上の会社

つまりある程度大きな会社で週に20時間以上働くとパートタイマーも加入するというもの。

これまでは4分の3以上ですから、正社員が週に40時間働くとして30時間以上がボーターライン。

これを更に段階的に対象を拡大して、500人以下の会社にも広げることを考えているみたいです。

個人的にはいい事だと思います。

現役時代に保険料を納めておけば老後の年金に必ず反映します。

無理に扶養の範囲内に収めるよりかは将来のことを考えて厚生年金加入は有利です。

厚生年金1カ月分を納めると国民年金1カ月分も納めたことになるんですから。

ただ、対象を広げることには関係業界は反対するでしょうね。

そこをどう政治が調整するか。

簡単にはいかないと思います。

(下に続きます)

バラマキで終わらないか?

65歳以上でも雇用保険に新規に加入できることは以前のブログでも掲載しました。

雇用保険改正の動き まさか年金が・・

雇用保険改正の動き まさか年金が・・ 出典記事が発表された日:2015年11月21日 どんなニュース?簡単に言うと 雇用保険を改正するという情報が入ってきました。65歳以上で新規に雇用保険に入ることを ...

続きを見る

65歳以上で雇用保険のお金をもらう場合は年金が減ることもありません。

反対する理由は見当たりません。

もう1つは低年金者に給付金を支給するというもの。

月額3万円程度だそうです。

当初は5000円程度を考えていたみたいですが6倍にもなっています。

一億総活躍とどう関係があるのかわかりません。

単なるバラマキで終わらなければいいのですが・・。

今回のニュースまとめ

一億総活躍社会実現に向けて、年金関係の改正項目は以下のとおり。

  • 国民年金の保険料を産休中に免除する
  • 厚生年金に加入できる対象者を拡大する
  • 働く高齢者が雇用保険に加入できる
  • 低年金者を支援する

というもの。

なんだか、こんなんで総活躍できるのか不安がよぎります。

個人的には年金とは直線関係ありませんが「介護離職ゼロ」という目標に注目しています。

祖母が認知症のまま亡くなり、介護の大変さを見てきました。

介護休業を分割で取れるようにするとか、休業中にもらえる雇用保険からのお金を増やすとか考えているようです。

介護休業には認められていない介護休業中の保険料免除も導入すべきだと強く思いました。

出典・参考にした情報源

保育・介護施設を100万人分増 仕事と両立支援 一億総活躍で政府緊急対策 最低賃金、年3%上げ1000円に :日本経済新聞
簡単にはいかないと思う

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シモムー

シモムー

日本年金機構の年金相談コールセンターにて新人研修講師を担当しながら社労士試験予備校にて講師を経験。2014年より公的年金の情報を初心者目線で解説する「みんなのねんきん」サイトで情報提供を続ける。年金を事例で学ぶ「年金ケーススタディ」で全問題の作問と解説を担当。具体例やイメージで理解できる情報提供を心がけている。

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