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亡き祖母から教わる年金制度(第1回/全3回) 遺族年金と老後の年金 実はこんな関係が・・。

投稿日:2015年12月13日 更新日:

遺族年金と老後の年金 実はこんな関係が・・。

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出典記事が発表された日:出典なし

どんなニュース?簡単に言うと

2015年4月に祖母が他界しました。3回のシリーズで孫のシモムーが遺族年金を検証しました。更に今回は亡き祖母から教わる亡くなった時の年金についてその制度的な解説をしていきます。全3回のシリーズものの第1回です。

どんなニュース?もう少し詳しく!

シモムー祖母が2015年4月8日に亡くなりました。

孫のシモムーが検証したこれまでのいきさつは第1話から最終話をご覧ください。

第1話 シモムー祖母倒れる。遺族年金は誰の手に?

第2話 シモムー母、年金事務所へ そこで待つ驚愕の事実とは

最終話 ついに決着 そう来たか!シモムー祖母よ永遠に・・。

今回から3回にわたり、亡き祖母から教わる年金制度と題してシリーズ物を始めます。

1 遺族年金と老後の年金 そもそもの関係は? ←今回はココ
2 故人が受け取れなかった半端な年金。税金かかります
3 時効が5年っていつから5年?

亡くなった時の年金を中心に老後の年金との関係やら制度的なことを説明していきます。

遺族年金と言っても2つの制度から2種類ある

そもそも祖母は生前、祖父が残した遺族厚生年金を受け取っていました。

遺族年金と一口に言っても2種類あります。

国民年金制度からもらえる遺族基礎年金。

厚生年金制度からもらえる遺族厚生年金。

遺族基礎年金は「残された子供のための死亡保障

遺族厚生年金は「残された高齢の妻のための生活保障」

と説明できます。

どういうことでしょうか。

遺族基礎年金は残された子供のための死亡保障

まず、遺族基礎年金は原則として高校卒業前のお子さんがいないと権利が生じない。

残された配偶者が単独でもらうということはありません。

その受け取りは子供が独り立ちできるまで(高校卒業まで)です。

子供を育てるのは現役世代。

とすれば、遺族基礎年金は現役世代を対象にして、高校卒業までの子供のための死亡保障と言えます。

つまり、母子家庭父子家庭をサポートする年金なんです。

もちろん両方の親が亡くなって孤児になった場合も当然サポートします。

この場合は母子家庭・父子家庭よりも保護の必要性が高いですよね。

今回、シモムー祖母が亡くなって、祖母の子供はシモムー母のみ。

シモムー母は成人ですので権利が生じないのは言うまでもありません。

遺族厚生年金は高齢の妻のための生活保障

一方、遺族厚生年金は子供の有無は関係ありません。

残された配偶者が単独でもらえます。

受け取りの期間制限は原則ありません。

(ただし、子や孫がもらう場合は高校卒業までという制限があります)

生涯受け取ることができます。

特に高齢になれば遺族厚生年金が生活を支える収入源になる。

とすれば、遺族厚生年金は高齢の妻のための生活保障と言えます。

なぜ妻?

妻は夫に先立たれる可能性が高いから。

残された妻を保護しようという年金制度の趣旨がわかります。

実際、祖母は遺族厚生年金だけでなんとか暮らせていました。

「少ない」とこぼしていたみたいですが・・。

(まぁ「多くて困る」なんて言う人いませんけど)

ちなみに遺族厚生年金だけは孫や祖父母までが対象になります。

が、私の経験ではそういう人に遭遇したことがありません。

ここで、

シモムー祖母が亡くなって、残された遺族はシモムー母と孫のシモムー。

祖父は既に亡くなっていますのでシモムー母と孫のシモムーがもらえるかどうか。

しかし、

遺族基礎年金と同様、年金制度で対象となる「子」「孫」は高校卒業までに限定されています。

結局、みんな成人ですので遺族厚生年金も権利が生じませんでした。

遺族年金と老後の年金の関係とは

遺族厚生年金をもらっていたシモムー祖母。

その祖母自身が老後を迎えれば自分自身の老後の年金の権利が生じます。

そこで、

遺族年金と自分自身の老後の年金の関係を考えてみましょう。

65歳になると全ての人が国民年金制度から老齢基礎年金がもらえます。

なぜなら、20歳以上の人は全員が国民年金に入っているからです。

(もちろん保険料を納めていることが前提です)

この自分の老後の年金と遺族年金は両方受け取ることができるのか。

複数の年金が生じた場合はどうなんでしょう。

一人一年金の原則

実はこんなルールがあるんです。

「種類が違う年金は両方もらえない」 → どちらか一つというルールです。

「歳を取った」「障害を負った」「家族が亡くなった」

それらが重なっても年金からの所得保障は1つで足りるという発想です。

あ!でも、制度が違えばもらえます。

親が亡くなり、子供が遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方をもらえます。

同じ種類であることを前提に違う制度から両方もらえます。

65歳になれば種類が違ってもOK

逆に種類が違っても両方受け取る方法があります。

それは65歳以上になっていること。

誰でも歳を取りますから、それに加えて「配偶者を亡くした」人や「障害を持っている」人に保障を厚くする必要がある。

ですので65歳以上になると種類の違う年金の組み合わせがOK。

例えば

老後の年金+遺族年金

とか

障害年金+遺族年金

こんな感じで違った種類でも受け取れます。

ここで、老齢基礎年金は誰でも受け取れる年金だと説明しました。

老齢基礎年金を土台にして、遺族厚生年金もOK、2つの年金で老後の所得保障をしようという仕組みなんです。

最終話でもお話したとおり、祖母は老齢基礎年金を受け取っていなかった。

違った種類ですが、両方受け取れたんです。

年金の相談は市区町村役場ではなく年金事務所へ

実は祖母は区役所で年金の相談をしたらしいのです。

少ないけどどうにかならないかって。

市役所区役所は年金の記録を見るための装置がありません。

「国民年金課」とありますが、あくまで書類申請の受付窓口。

自営業者、正確に言うと国民年金の第1号被保険者のための窓口なんです。

既に年金を受け取っている人が自分の年金のことを訊きに行ってもわかりません。

だから年金受け取り関係の相談は年金事務所でないといけない。

こういうのを1つとってもわかりづらいですよね。

制度が用意してくれた仕組みを祖母は活用できなかった。

誰かが教えてあげていれば・・・。

年金機構が持っている年金記録のコンピューター情報を見れば一発でわかったんです。

本当に悔しいの一言です。

今回のニュースまとめ

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今回はこんな話でした。

  • 遺族年金は制度別に役割が違う 子供のための遺族基礎年金と高齢の妻のための遺族厚生年金
  • 65歳になる前までは種類が違う年金は複数もらえない 65歳以上なら複数も可能
  • 年金の相談は年金事務所へ

「遺族厚生年金は高齢の妻のための生活保障である。」

私がこれを理解できたとき、老後の年金と遺族年金の関係も納得がいったんです。

「そうだったんだー」

と、スッと腑に落ちた感じ。

だから、「何年生きれば元を取れる」とかって話はナンセンスだと思うんです。

遺族厚生年金はこれまで自分が掛けてきたサラリーマン時代の年金を、4分の3にして遺族が代わりに受け取るもの。

元を取る計算をするなら残った妻がどれだけ生きるのかも考慮しないといけない。

妻の平均寿命から計算するんでしょうか。

そこまでいったら訳がわからなくなります。

大事なことは金額じゃありません。

制度の趣旨-何を意図して制度が作られているのかを理解すること。

だと私は思います。

さて、

次回はシモムー母が受け取った祖母の半端な年金(未支給の年金といいます)をもう少し解説してみます。

出典・参考にした情報源

なし

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シモムー

シモムー

日本年金機構の年金相談コールセンターにて新人研修講師を担当しながら社労士試験予備校にて講師を経験。2014年より公的年金の情報を初心者目線で解説する「みんなのねんきん」サイトで情報提供を続ける。年金を事例で学ぶ「年金ケーススタディ」で全問題の作問と解説を担当。具体例やイメージで理解できる情報提供を心がけている。

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