相談事例

控除証明書がやって来たヤァ!ヤァ!ヤァ!

投稿日:2016年11月21日 更新日:

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どんな事例?簡単に言うと・・

年末調整や確定申告で国民年金の保険料を納めた証明となる社会保険料控除証明書が必要になります。今回はこの社会保険料控除にかかわる背景事情やよくあるトラブルをご紹介してみます。

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こんな事例を考えてみましょう

モモ
お兄ちゃん宛に郵便来たよ。
ホームズ
ん?あぁ。年金払っているから毎年この時期になるとハガキが来るんだよね。

 

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チャーミー
私も保険料を納めているはずなのに来たことが無いわね。
トラ
ワシも天引きされまくっているはずなのに来ないのはどういうわけなんだ?
シモムー
それはホームズさんにしか来ないハガキですよ。今回はこのハガキの話をしましょう。

今回の事例の何が問題なんでしょうか

毎年10月の中旬になると、日本年金機構から社会保険料控除証明書(以下、控除証明書)なるハガキが届きます。

年間で国民年金の保険料をこれだけ納めましたという証明になるもの。

会社員や専業主婦も国民年金には加入しているのですが、彼らには届きません。

この控除証明書はご自身で保険料を直接納める第1号被保険者にしか届かないからです。

このハガキ登場の背景事情、ハガキをどう利用するのか、2年前納の人はどうなるか、etc。

控除証明書にまつわる疑問を探ってみます。

解説してみましょう

今回の解説者:シモムー

シモムー

今回は私、シモムーが解説します。

控除証明書は第1号被保険者の方のみに届く、1年間に納付した保険料の証明書。

この証明書に関するいろんな疑問を解消していきましょう。

  • そもそも何に使うものなのか
  • なぜ第1号被保険者だけに届くのか
  • 前納した場合はどうなるか
  • 他の人が代わりに納めるとどうなるか
  • 年金から天引きされた社会保険料はどうなるか

税金の申告のために使われる証明書

控除証明書はそもそも何のために使われるか。

所得税の申告のために必要になるものです。

正直なところ、年金本来の仕組みとは全く関係ない書類なんです。

1年の収入から一定の所得控除を差し引いて、所得に対して課税されるのが所得税。

私たちが納めた保険料は、所得税を計算する際にあたかも必要経費として認められます。

ですので、

必要経費がたくさん掛かったのであれば、その金額分だけ所得が圧縮されて所得税が安くなる。

保険料をきちんと納めれば節税になるわけです。

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国民年金の保険料は、その必要経費=所得控除の1つ「社会保険料控除」として認められます。

国民年金の保険料だけ証明書の添付が必要

社会保険料控除として認められる公的保険の代表例は以下のものです。

  • 自営業者が入る医療保険の「国民健康保険」
  • サラリーマンが入る「健康保険」「厚生年金保険」
  • 75歳以上の高齢者が入る「後期高齢者医療制度」
  • 40歳以上の人が入る「介護保険」
  • 自営業者が入る「国民年金」「国民年金基金」
  • 失業に備える「雇用保険」

国の方でも納付状況はわかっているので本来なら証明なんて要らないはず。

ところが、

国民年金の保険料を個人で負担している第1号被保険者だけに証明書が要求されます。

なぜか。

今から10年位前までは他と同じく証明書の添付は不要だったんです。

証明書の添付が不要であることをいいことに、実際は納めていないにもかかわらず、社会保険料控除を申告するケースが問題となったからです。

同じ国の仕組みでも税と社会保険は縦割りで別なんですね。

そこで、当時の社会保険庁は莫大な経費を掛けて控除証明書の発行を始めたという事情があります。

今後はマイナンバーを活用すれば保険料の納付状況が税務署もわかるはず。

しばらくすれば控除証明書の添付は不要という時代が来るんじゃないでしょうか。

ちなみに、

サラリーマンや専業主婦も国民年金に入っていますが、保険料は直接納めていません。

ですから、証明書は届きません。

天引きされた厚生年金の保険料に専業主婦の分と合わせて、国民年金相当の保険料が含まれる構造だからです。

(下に続きます)

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2年前納すると面白い控除証明書が届く

ところで、

国民年金の保険料は先にまとめて納めることができます。

1年分を前納した場合、内訳は翌年の3月分までですが問題ありません。

納めた年の保険料として申告します。

実は最初のホームズに届いた控除証明書の画像は1年前納のものです。

また、

平成26年から2年分を前納する仕組みができました。

この2年前納を利用すると社会保険料控除の申告はどうするのでしょうか。

方法は2つ

  1. 全額を納めた年の社会保険料控除として計上する
  2. 各年に分割して計上する

「2」の場合、証明書が1枚では足りません。

そこで、こんな形になっています。

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(出典:日本年金機構ウェブサイト)

これは見本ですが、こんな風に切り取って各年で使用します。

面白いですよね。2016年の今年からこんな形になっています。

他の人が納めたら納めた人が節税できる

大学生の子供の保険料を親が代わりに納める。

よく聞く話です。

国民年金の保険料は本人のみならず、世帯主と配偶者にも納める義務があります。

そこで、世帯主である親が子の保険料を納めたとしましょう。

すると、親の社会保険料控除として申告できる。

親は子の保険料で節税できるというわけです。

年金から天引きされた保険料にまつわるトラブル

先ほど見たとおり、社会保険料控除には

  • 75歳以上の人が入る「後期高齢者医療制度」
  • 40歳以上の人が入る「介護保険」

があります。

65歳以上の場合、これらの保険料は年金から天引きされるのが原則です。

天引きされた場合、その保険料は本人の社会保険料控除として認められるのは当然ですよね。

ところが、こう考える人がいます。

トラ
ワシは100歳。
チャーミー
私も100歳。
トラ
ばあさんには収入はないが、ワシは不動産の家賃収入がある。ばあさんの介護保険料をワシが払えば、節税にゃ。クックックッ。

しかし、

年金からの保険料天引きは条件に合えば止めることができません

ですので、「妻の介護保険料で節税できないじゃないか!」とトラブルになります。

これは、仕組み上どうすることもできません。

末尾に掲載した国税庁のウェブサイトにもその旨記載がありますので参考にしてください。

今回の事例まとめ

いかがでした?

こんなハガキ1枚でも色々なことがわかります。

  • そもそも何に使うものなのか → 所得税の申告のため
  • なぜ第1号被保険者だけに届くのか → 不正防止
  • 前納した場合はどうなるか → 2年前納が特殊
  • 他の人が代わりに納めるとどうなるか → 親が代わりに納めた保険料で親の節税
  • 年金から天引きされた社会保険料はどうなるか → 天引きされたら本人の控除額

年金は税金とも密接に絡んでいます。所得税の仕組みも知らないといけませんね。

出典・参考にした情報源

平成28年の社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について|日本年金機構(過去のためリンクが切れています)
控除証明書の見本はこちら
No.1130 社会保険料控除|所得税|国税庁
税金についても知らなきゃ
ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ! (アルバム) - Wikipedia
やはり、この邦題はどうもねぇ・・。

 


事例は実際の相談をヒントにしたフィクションです。記事中のアルファベットは実在の人物・企業名と関係ありません。記事は細心の注意を払って執筆していますが、執筆後の制度変更等により実際と異なる場合もあります。記載を信頼したことによって生じた損害等については一切責任は負えません。

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シモムー

シモムー

日本年金機構の年金相談コールセンターにて新人研修講師を担当しながら社労士試験予備校にて講師を経験。2014年より公的年金の情報を初心者目線で解説する「みんなのねんきん」サイトで情報提供を続ける。年金を事例で学ぶ「年金ケーススタディ」で全問題の作問と解説を担当。具体例やイメージで理解できる情報提供を心がけている。

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