相談事例

気を付けよう!暗い夜道と誕生日の入籍

投稿日:2016年1月3日 更新日:

気を付けよう!暗い夜道と誕生日の入籍

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どんな事例?簡単に言うと・・

厚生年金制度から受け取ることができる老齢厚生年金。この老齢厚生年金には家族手当が加算されることになっています。若い時から対象の家族がいるなら問題ないのですが、シニアになってから結婚する場合は注意が必要。解説してみましょう。

こんな事例を考えてみましょう

Cさんは昭和25年12月28日生まれの男性。

平成27(2015)年12月28日で65歳の誕生日を迎えます。

Cさんはサラリーマンとして厚生年金の加入がちょうど40年あり、60歳から老齢厚生年金(報酬比例部分)を受け取っています。

Cさんは以前からお付き合いしている家事手伝い(年収なし)のHさんと婚姻予定です。

Hさんは5つ年下で、なんと12月28日の誕生日はCさんと同じ。

同年12月1日のこと。

行きつけのレストランAでCさんとHさんは婚姻の日をいつにするか話し合っています。

せっかくですから二人の誕生日である12月28日に籍を入れようと意気投合しています。

隣の席で話を聞いていた「みんなのねんきん」講師の治田先生の眉毛がピクッと動きました。

今回の事例の何が問題なんでしょうか

老齢厚生年金には家族手当が加算される

厚生年金制度からの老後の年金として老齢厚生年金があります。

この老齢厚生年金。

条件を満たせば家族手当が加算されます。

年金を受け取る人の条件家族の条件の両方を満たさないといけません。

年金を受け取る人とは事例ではCさんのこと。

Cさんは原則として厚生年金に20年以上加入した実績が必要です。

この点、Cさんは40年の加入実績があるから大丈夫。

また、原則65歳から受け取る老齢厚生年金に加算されることになっています。

一方、家族は65歳未満の配偶者が対象になります。

HさんはCさんよりも年下ですから問題ありません。

いつの時点で家族になっている必要があるか

この家族手当。

事例ではCさんが65歳になれば加算が開始されそうです。

そのためにはHさんがCさんの「配偶者」にならないといけない。

問題はCさんとHさんが一緒になるタイミング

年金は対象の家族がいさえすればいつでも手当を加算するという仕組みじゃないんです。

いつの時点で家族になっている必要があるか、そこが問題です。

解説してみましょう

今回の解説者:治田茂浩講師

 

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この家族手当は専門用語で「加給年金」と言います。

Cさんは原則として65歳から加給年金額が加算される権利が生じます。

この65歳に達した時点で対象となる家族がいなければ加給年金額は加算されません。

CさんとHさんが考えている平成27年12月28日の入籍。

残念です。

Cさんは12月28日に婚姻したとする。

すると、加給年金は今後どんなに2人が愛し合っていても受け取ることはできません。

65歳に達する日までに婚姻していればOK

ではCさんが加給年金を受け取るにはどうすればよいのでしょうか?

それは65歳に達する日(平成27年12月27日)までに婚姻をすればよいのです。

そうすれば、翌月の平成28年1月分から加給年金額が加算された老齢厚生年金を受け取ることができます。

法律ではある人がその年齢に達したと考えるのは「誕生日の前日」です。

Cさんの誕生日は12月28日。

65歳には誕生日の前日、12月27日に達します。

加給年金は65歳からの老齢厚生年金が生じた時に対象の家族がいるなら加算されるもの。

つまり、65歳に達する12月27日に対象の家族がいるならOK。

仮にその後に結婚しても加算はされない仕組みです。

結婚する時期がわずか数日ずれただけで、 加給年金が受け取れるか、受け取れないか決まってしまいます。

今回の事例まとめ

家族手当=加給年金について取り上げました。

家族手当は2つの条件を満たす必要がある。

それは、

  1. 年金を受け取る人の条件
  2. 対象の家族の条件

1は20年以上の厚生年金加入実績が必要であり、原則65歳からの老齢厚生年金に加算されるもの。

2は65歳未満の配偶者がいる場合に加算される。

問題はいつの時点で「配偶者」になっている必要があるかというものでした。

Cさんが65歳に達する日までに婚姻しなければいけません。

このまま2人が「誕生日に入籍」していたらどうなっていたことやら・・。

この家族手当は配偶者がいると年間約40万円が加算されるというもの。

Cさんの場合は5歳年下ですから少なくとも5年分総額200万円の家族手当がもらえたことになります。

危ないところでした。

隣で聞き耳を立てていた治田先生はCさんとHさんにアドバイスをしてあげたかどうか・・。

それは治田先生本人に尋ねてください。


事例は実際の相談をヒントにしたフィクションです。記事中のアルファベットは実在の人物・企業名と関係ありません。記事は細心の注意を払って執筆していますが、執筆後の制度変更等により実際と異なる場合もあります。記載を信頼したことによって生じた損害等については一切責任は負えません。

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シモムー

シモムー

日本年金機構の年金相談コールセンターにて新人研修講師を担当しながら社労士試験予備校にて講師を経験。2014年より公的年金の情報を初心者目線で解説する「みんなのねんきん」サイトで情報提供を続ける。年金を事例で学ぶ「年金ケーススタディ」で全問題の作問と解説を担当。具体例やイメージで理解できる情報提供を心がけている。

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