過去の出題傾向からシモムーの感想
定番の問題です。
技能応用といっても単なる基本知識問題の延長です。
前半は障害基礎年金の計算問題。
後半は障害年金全般の知識が正誤問題で問われます。内容は基本知識問題レベルですが、それを事例に当てはめて判定させるというもの。
また、
案外、不安に襲われる障害認定日。
”この日で合っているんだろうか・・・。”
確実な認定日の出し方を含めたポイントを後半で指摘します。
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前半:障害年金の計算式
この問題は過去ほぼ計算式を選択する形式で出ていたのですが、2022春から年金額の計算結果を選ぶ形式でも出題されています。
後者の場合は難易度が上がります。
過去には障害厚生年金の計算式を選択する問題もありましたが、ここ最近は出ていません。
過去10回の出題形式を分析してみるとこんな感じ。
計算式の選択か計算結果の金額の選択か
- 2024春 計算結果 障害基礎年金
- 2023秋 計算式 障害基礎年金
- 2023春 計算結果 障害基礎年金
- 2022秋 計算結果 障害基礎年金
- 2022春 計算結果 障害基礎年金
- 2021秋 計算式 障害基礎年金
- 2021春 計算式 障害基礎年金
- 2020秋 計算式 障害基礎年金
- 2020春(模擬)計算式 障害基礎年金
- 2019秋 計算式 障害基礎年金
どちらの形式であっても考えることは一緒です。
メモ
障害厚生年金の計算式選択問題は2016年以来出題されていません。頻度が低すぎるので取り上げません
以下のポイントを押さえれば怖くありません。
ポイントは2つ。
- 1級のケースしか出ないので絶対に1.25倍を忘れない
- 障害認定日における子供の年齢を把握
1は子の加算をしたあとで1.25倍にしているとか、1.5倍にしているとかの選択肢が混ざっています。
基本の年金額を1.25倍にする、加算部分は別に考える
これだけの話ですね。
子の加算は慎重に判定する必要があります。
なぜなら、子はこういう事例が登場します。
- 2人か3人兄弟
- 1人は障害を持っている
- 子の年齢がわからず生年月日だけが記載されている
一体いつの時点での子の年齢なのか。
この検証が大事です。
答えは、
障害認定日において、子どもたちは何歳なのかを考えないといけません。
障害認定日において、障害年金が生じるからです。
年金は受給権が生じた当時の家族を保障するのが基本ルール。
障害を持っているなら20歳に達しているかの確認。
健常者なら18歳に達したあとの最初の年度末に達しているか。
そこを障害認定日においてどうなのか検証します。
67歳以下の基礎年金額で対応
2023年度から67歳以下の受給者と68歳以上の受給者で基礎年金額が2種類あります。
この障害給付のテーマでは若年者の事例となるので67歳以下の金額を覚えておきます。
後半:障害年金に関する5大論点
毎回5つの論点しか出ない
後半は障害年金に関する正誤問題になるのが通常です。
実は以下の5つのことしか問われたことがありません。
- 障害認定日の判定
- 障害厚生年金の配偶者加給年金の加算の判定
- 障害基礎年金の子の加算が終わる時期の判定
- 障害厚生年金の計算に反映する被保険者期間
- 障害厚生年金受給者が厚生年金の被保険者になった場合
そのなかでも、過去10回の正解となった知識はこちら。
- 2024春 正しい選択 障害認定日の判定
- 2023秋 正しい選択 障害厚生年金の計算に反映する被保険者期間
- 2023春 誤りの選択 障害基礎年金の子の加算が終わる時期
- 2022秋 正しい選択 障害厚生年金の計算に反映する被保険者期間
- 2022春 誤りの選択 障害厚生年金の計算に反映する被保険者期間
- 2021秋 誤りの選択 障害厚生年金の計算に反映する被保険者期間
- 2021春 正しい選択 障害厚生年金の配偶者加給年金
- 2020秋 誤りの選択 障害厚生年金の配偶者加給年金
- 2020春(模擬)正しい選択 障害厚生年金の計算に反映する被保険者期間
- 2019秋 正しい選択 障害基礎年金の子の加算が終わる時期
実は並んでいる肢はいつも同じ。
なかでも、圧倒的に障害厚生年金の論点が正解になる傾向があります。
前半が障害基礎年金の計算式ですからバランスを取っているのかもしれません。
また、正しいものか、誤りを選ぶのか、どちらのケースもある(可能性は半々くらい)ので注意します。
障害厚生年金のよく正解となる2つの論点
障害厚生年金でよく正解になる論点は以下の2つ。
- 配偶者加給年金の加算の判定
- 年金額に反映する被保険者期間
1は加算される事例しか出ていません。
”加算されない”と出たらバツにするだけです。2020秋はまさにこれで正解。
2021春、2022秋、2024春は加算される額が問われましたが、特別加算の無い金額になっていればOK。約40万円になっていたら誤りです。
2は実期間で計算するのか、300みなしをするのかという判定。
2023秋はそもそも実期間が300ヶ月を超えていたので、300ヶ月みなしはないという出題でした。
2019春、2021秋はちょっと変わった形のものが出ました。
初診日の属する月までの月数
で計算するというもの。
障害認定日が属する月までの月数で計算します。
たとえば、
会社に在籍しながら(厚生年金の被保険者を続けながら)、障害認定日を迎えて年金権が生じると、いつまでの厚生年金の被保険者期間が年金額に反映するか問題になります。
それは、障害認定日の属する月までということです。
基本知識問題でも問われる論点なので振り返っておきましょう。
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2021春、2023秋は障害認定月の知識があることを前提に、事例に当てはめて考える出題がありました。
”障害認定日の月までの被保険者期間をカウントする” 確かにそのとおりですが、障害認定月までに会社を辞めている場合も当然ありますので、機械的にフレーズを覚えるだけではだめ。
最近は他のテーマでも原則を事例に当てはめて判定させる問題があちこちで出ているので注意です。
原則の障害認定日が必ず問われる
正解になることはあまりありませんが、必ず障害認定日を判定させる肢が並んでいます。
久しぶりに2024春に正解となりました。
初診日から1年6カ月を経過した日が原則の障害認定日。
自分で指を折って数えた1年6カ月は正しい日付なのか不安になるものです。
私はこんなやり方で認定日を出しています。
参考にしてください。
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どんなテクニック? 障害認定日の定義 初診日から起算して1年6カ月を経過した日(原則) となりますがこの日を正確に出すにはどうしたらよいでしょう。 私は受験初心者の頃、手で数えたりの不確実な方法でした ...
まとめます
障害年金の年金額と障害年金全般を問う問題。
年金額の問題では押さえるべきポイントは2つ
- 障害基礎の場合は1級のケースしか出ないので絶対に1.25倍を忘れない
- 障害認定日において子の年齢判定をする
障害年金全般を問う知識に関しても、やはり兄弟間の年齢判定をいやがうえにも慎重に行います。
この問題は子の年齢に勝負がかかっていると言っても過言ではありません。
後半の正誤問題は以下のポイントを押さえる。
- 障害認定日の判定 → 足し算で確実に出せるように
- 障害厚生年金の配偶者加給年金の加算の判定 → 加算はある 約20万円(特別加算なし)
- 障害基礎年金の子の加算が終わる時期の判定 → 高校卒業・障害者20歳の判定
- 障害厚生年金の計算に反映する被保険者期間 → 300みなし、障害認定日が属する月まで
- 障害厚生年金受給者が厚生年金の被保険者になった場合 → 停止しない
毎度同じことが問われるので、確実に得点できるよう準備しましょう。
シモムー
みんなのねんきん主任講師