何が出題されている?
出題形式:誤っているものを選択
ねんきん定期便の記載内容についてその注意点が出題されます。
これは比較的楽な問題。
過去問を見るとわかるのですが、問題の肢にバリエーションがありません。
そんなにいろいろ設問にすることがない。
だから同じことが正解になっています。
基本知識問題の終盤、このテーマから出題があったりなかったりという問題が続きます。
何が出るかよりも、出題自体があるかないかが気になるところです。
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過去15回の正解となった知識
- 2024秋 ”節目年齢 35・45・59”歳の人には情報内容が多い定期便が送られる
- 2024春 ねんきんネットのID取得のアクセスキー有効期間は定期便到着後3ヶ月である
- 2023秋 見込額には厚生年金基金の代行部分が含まれる
- 2023春 年齢到達月の2ヶ月前の加入記録に基づいて作成される
- 2022秋 年金受給者であっても被保険者であれば送られる
- 2022春 50歳以上の人の見込額には厚生年金基金の代行部分は含まれる
- 2021秋 60歳以上の厚生年金の被保険者にも送られる
- 2021春 ”節目年齢 35・45・59”歳の人には情報内容が多い定期便が送られる
- 2020秋 出題なし
- 2020春(模擬)出題なし
- 2019秋 50歳未満の人の見込額には厚生年金基金の代行部分は含んでいる
- 2019春 50歳以上の人の見込額は現状が60歳まで継続すると仮定した金額となっている
- 2018秋 見込額欄は被用者年金一元化後は3区分に分けて記載がされている
- 2018春 誕生月(1日生まれは誕生月の前月)に送られる
- 2017秋 保険料納付額の累計額は被保険者負担分のみが記載されている
出題が無いときもあるので過去15回の傾向を分析してみました。
終盤のテーマのなかでは出題可能性は高いテーマです。
正解の中身は大きく2つ。
- いつ送られるか
- 何が書いてあるのか
2つを整理しておけば大丈夫です。
出題傾向から年金制度を考える
1 いつ送られるのか
通常の定期便は年齢到達月に届く
まずは送付時期に関して。
定期便はみなさんもお手元に届いているとおり、誕生月に届きます。
ただし、
1日生まれの人は誕生月の前月。
つまり、年齢到達月に届くという理解です。
誕生日1日前がその年齢に到達する日ですからね。
ちなみに、
抽出するデータは年齢到達月の2カ月前の加入記録に基づきます。
2カ月前に作成して、誕生月に送付。
1日生まれの人は3カ月前に作成して、誕生月の前月に送付。
となります。
すると、直近で納付したものは掲載されていないわけで、”先月払ったのにどうなってんだぁー”
という事態が想定されます。
これは、事情を説明するしかないですね。
2022春、2023春、2023秋、2024春、2024秋には、このいつ作成されたか?について問われました。
情報量の多い定期便が届く節目年齢に注意する
節目となる年齢では情報量の多い封書版の定期便を送ります。
60歳になる25年前、15年前、1年前の節目です。
それぞれ35歳、45歳、59歳。
年齢を変えて正解にするのがこれまでの傾向です。
2021春は「58歳」として正解。
2024秋は「45歳、55歳」として正解。
かつては58歳が節目年齢だったのですが、年金記録問題を契機に記録を整備する体制が整ったので59歳に変わりました。
また、
ねんきんネット上で、定期便を送らなくて良いというペーパーレス化の意思表示をしても、この節目年齢の定期便は封書で届くので注意。
2021秋、2022春に出題がありました。
2 何が書いてあるのか
保険料の累計額は本人負担のみ
定期便にはこれまで納めてきた保険料納付額の累計が掲載されています。
公的年金は確定拠出年金と異なり、自分が掛けたものを積み立てているわけではないのでこういう情報を載せる意味があるのかどうかは疑問に思います。
で、この保険料納付額の累計額では「被保険者が負担した保険料」しか載せていないということ。
被保険者と事業主分の負担の累計額である
として正解を作ります。
ところで、
なぜ”被保険者負担分のみ”なのか。
これはちょっと理由がわかりませんが、被保険者に対する通知ですから事業主分は不要という判断なんでしょう。
見込額に関する記載にも注意する
加給年金額・代行部分の注意
50歳以上の人には本人の受取額に近い見込額が載るようになります。
が、加給年金の加算額は載りません。
加給年金額は加算時に生計維持の要件を満たす対象者がいることが必要。
将来の不確定なことなので載せることができません。
また、従来は厚生年金基金に加入していた場合の代行部分は50歳以上の見込額は載せていませんでした。
代行部分は報酬比例部分の一部を基金が代わりに支給する部分ですが、日本年金機構が支給する部分ではないから載せられないという理由だと思います。
ところが、2021年度からは代行部分を含めて見込額が載るようになりました
早速、2021秋に出題がされ、2022春、2023秋は正解となりました。
年金機構のサンプルにもその旨記載があります(令和6年度のサンプルにももちろん記載があります)。
また、
50歳未満の人には以前から代行部分の区別がない見込額が載っていました。
つまり、全ての人達が代行部分を含めた見込額が載っているということです。
50歳以上の人は作成時と同じ条件で引き続き60歳まで加入したと仮定
見込額を算出した前提条件にも注意です。
現在の立場でそのまま加入し続けると仮定した見込額が載っています。
第1号被保険者ならそのまま60歳まで第1号として。
厚生年金の被保険者ならそのまま60歳まで勤めるとして。
現実はその先で給料が変化して標準報酬も変わるでしょうし、60歳以降も勤めることもあるでしょう。
見込額とはいえ、あくまで参考値であることに変わりはありません。
2019春はこの点が初めて正解となりました。
これまでの加入実績に応じた
という内容で、60歳までの仮の部分が入っていないから誤りとなるわけです。
60歳以上で年金をもらっている人には送られない?
見込額に関連して、既に年金をもらっている人には定期便を送る必要はないという感じもしますが、被保険者である限りは送られます。
定期便は”公的年金の被保険者”に対しての通知だからです。
-
「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和6年度送付分)|日本年金機構
続きを見る
上の年金機構のサイトを見てみると、「50歳未満の方」「50歳以上の方」「年金受給者の方」の定期便サンプルが掲載されています。
そしてそのサンプルには、
⽼齢年⾦を受給しながら、国⺠年⾦および厚⽣年⾦保険に加⼊している皆さまにも、年⾦加⼊記録に関する情報をお知らせしています。
(出典:日本年金機構ウェブサイト 年金受給者の方の定期便サンプル)
と記載があり、つまり、加入中=被保険者であれば、年金受給中であっても定期便は届くということです。
もちろん、見込額の掲載はなく、加入期間のみの定期便となっています。
2022秋には初めて正解となりました。
繰下げ待機中にも通知が届く
2022年4月から繰下げに関する改正がされたのを契機に、繰下げ待機中の方には66歳から74歳までの間、毎年「年金見込額のお知らせ」が送られています。
-
老齢年金の繰下げ受給を希望している方へのお知らせ|日本年金機構
続きを見る
2022秋に初めて出題され、2023秋、2024春にも選択肢に並んでいます。
念のため、内容を見ておいた方が良いでしょう。
ちなみに、75歳に達すれば繰下げの上限に達しますが、このときは見込額の通知ではなく、”年金請求書”自体が送られるとのことです。
定期便のサンプルを一度見ておきましょう
上でもサンプルのページをご紹介しましたが、一度、ざっと見ておくといいんじゃないかと思います。
-
「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和6年度送付分)|日本年金機構
続きを見る
私は一応、毎年度のサンプルを確認していますが、年度によってちょっと様式が変わることがあるので見ておいて損はありません。
2023秋には繰下げに関する通知で、70歳・75歳に繰下げした際の見込額が載っている旨の出題がありました。
私は
と思い出し、対応できました。
ねんきんネットも把握する必要あり
2021春以降、定期便+ねんきんネットの複合で出題がありました。
おそらく今後も出題があるときは定期便だけでは論点が不足するのでねんきんネットも含めるのではないかと思います。
- 24時間パソコンやスマートフォンで加入記録を確認できる
- 様々な条件に応じた見込額を試算できる
- 郵送のものに代えて、電子版「ねんきん定期便」を確認できる
- 持ち主がわからない記録を検索できる
- マイナポータルからログインする場合はユーザーIDの取得は不要
- ユーザーIDを取得する際のアクセスキー有効期間は定期便到着後3ヶ月である
この程度は把握しておきましょう。
見込額試算とアクセスキーについて、2021春、2021秋、2022春、2023春に出題がありました。
としていたところ、2024春にようやく「1ヶ月」として正解となりました。
また、
2023秋にはマイナポータルで源泉徴収票や社会保険料の控除証明書が電子データで受け取れることが出題されました。
私は毎年確定申告をするので、一通り知っていたので対応できました。
今後の出題はどうかな〜、という感じですが、どんなものなのか動画でわかりやすく説明されているページを見ておいてください。
-
確定申告・年末調整に必要な通知書をマイナポータルで受け取る|日本年金機構
続きを見る
今回はこれが答えになる!
正直言って、もはや何が正解になるかは予想不可能。
過去の頻度が高かった正解の知識が徐々にフェードアウトして新しい知識が正解になっています。
2021春からは ねんきんネット とのあわせ技で出題が始まりました。
とはいえ、
まずは、これまでの過去の正解を丁寧に押さえておく。これだけで得点できる可能性は高まります。
そこで、
以下の2つの分類で出題されることを整理しましょう。
- いつ送られるか
- 何が書いてあるのか
次に、問われる論点を覚えるだけですが、それほど多くはありません。
最後に、最新版のサンプルも必ず確認しておいてください。
シモムー
みんなのねんきん主任講師