年金ニュース

【訂正あり】終了まであとわずか!「後納制度」をかけ込み活用するための注意点4つ

投稿日:2018年8月24日 更新日:

文:大須賀信敬(みんなのねんきん上級認定講師)

どんなニュース?簡単に言うと

国民年金の「後納制度」が2018年(平成30年)9月末日で終了となります。ところで、「後納制度」とはどのような制度なのでしょうか。終了間際にかけ込みで利用する場合には、何か注意点があるのでしょうか。今回はもうすぐ利用できなくなる「後納制度」の仕組みについて考えます。

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どんなニュース?もう少し詳しく!

国民年金の保険料支払いルールとは

国民年金には3つの加入区分があり、それぞれ第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者という名前がついています。

このうち自営業者やフリーランサー、学生などが当てはまるのが第1号被保険者です。

第1号被保険者に該当した場合には、毎月、定額の保険料を払わなければいけないことになっています。

もしも、保険料を払う月数が少なくなると、その分、将来、受け取る国民年金の老後の年金が少なくなってしまいます。

あまりに保険料の支払い月数が少ないと、そもそも「老後の年金をもらうことができない!」ということにもなりかねません。

第1号被保険者の保険料は、翌月末日が支払期限と決められています。

たとえば、平成30年9月分の保険料は、翌月である平成30年10月の末日が支払期限になります。

ただし、期限を過ぎたらもう保険料を払えないわけではなく、期限からさらに「2年間」は保険料の支払いができることになっています。

したがって、平成30年9月分の保険料であれば、実際には平成32年10月末日まで支払いが可能です。

第1号被保険者の保険料は1年遅れても、2年遅れても払えるのですから、ずいぶん親切な制度と言えるかもしれません。

しかしながら、支払期限から「2年」を過ぎてしまうと、“時効”で払えなくなります。

刑事ドラマで「時効が成立した!」というセリフを聞いたことがありませんか。

あの“時効”です。

「後納制度」とはどんな制度か

“時効”を迎えた第1号被保険者の保険料は、本来は払うことができません。

ところが、現在、“時効”で払えないはずの保険料を“特別に払える制度”が運用されています。

これが「後納制度」です。「後納制度」は「こうのうせいど」と読みます。

具体的には、過去5年以内に“時効”で払えない保険料があるのであれば、この「後納制度」を使うことによって支払いが可能です。

払っていなかった保険料を「後納制度」を利用して払うと、将来は期限どおりに保険料を払った人と“まったく同じ計算式”で年金額が決定されます。

今まで、保険料支払いにルーズだった人には、何とも有り難い制度です。

「後納制度」は多くの国民が将来、少しでもたくさんの年金をもらえるようにとの考えから、特別に設けられた制度です。

ちなみに、「後納制度」を利用して払っていなかった保険料を1ヵ月払うと、老後の年金が年額“約1,624円”増額できる仕組みになっています。

すでに、約23万人がこの制度を活用し、“時効”を迎えた保険料の支払いを行っています(平成30年3月時点)。

ただし、”時効”で払えなくなった保険料が払えるというのは、“本来の姿”ではありません。

このような仕組みをいつまでも認めていては、“時効”の意味がなくなってしまいます。

期限どおり真面目に保険料を払っている人たちにとっても、決して嬉しい制度とは言えません。

そのため、「後納制度」は期間限定の“特別な救済措置”として実施されています。

具体的には、平成27年10月1日から平成30年9月30日までの“3年間限定措置”として設けられているものです。

そのため、この制度を使って本来は払えないはずの保険料を払い、将来の年金額を増やせるチャンスも“残り1ヵ月”程度となったわけです。

(下に続きます)

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終了間際で利用する場合の注意点4つ

「後納制度」を利用する場合には、次のような段取りを取ります。

  1. 年金事務所で申し込みをし、保険料の支払いに使う納付書の発行を受ける。
  2. 納付書を使い、金融機関やコンビニで保険料を払う。

終了間際にかけ込みで「後納制度」を利用する場合には、次のような点に注意をすることが大切です。

注意1 9月29日以降は申し込みができない

「後納制度」の申し込みは年金事務所で行うのですが、年金事務所は第2土曜日を除いて土曜日、日曜日は営業をしていません。

そのため、制度終了の間際に申し込みを行おうと思っても、9月29日(土)や30日(日)は申し込みができません。

つまり、申し込みを9月28日(金)までに行わないと、もう「後納制度」は利用できないことになります。

注意2 9月中に申し込みを終えただけではダメ

「後納制度」は申し込みをした後、保険料を払う必要があります。

そのため、9月中に申し込みを済ませればよいのではなく、9月中に保険料の支払いまでを終わらせなければなりません。

申し込みは9月に行ったが支払いを9月中に行わなかった場合、申し込んだ「後納制度」はもう利用できません。

注意3 “30万円”を超える額はコンビニでは払えない

保険料は金融機関やコンビニエンスストアで支払いを行います。

ただし、支払額が“30万円”を超える場合にはコンビニでは払えません。

そのため、制度終了間際の9月29日(土)や30日(日)にコンビニで保険料を払おうと思っても、支払金額によっては払えないケースが出てきます。

支払額をよく確認して“30万円”を超えるのであれば、9月28日(金)までに銀行窓口で払うなどの方法をとる必要があります。

メモ

2018年9月7日訂正文掲載 この記載は読者のご指摘で誤りであることが判明しました。以下に執筆者の訂正コメントを掲載します。

【お詫びと訂正】
後納制度を終了間際で利用する場合の注意点として、「“30万円”を超える額はコンビニでは払えない」との説明を行いましたが、本説明は誤りになります。

読者の皆さまには大変なご迷惑をお掛けいたしましたことを心よりお詫び申し上げ、訂正をいたします。

国民年金保険料を納付書で納付する場合、1枚の納付書で納付額が30万円を超えるケースでは、納付書にバーコードが印刷されなくなり、バーコードのない納付書はコンビニでは使用できないという仕組みがあります。

ところで、後納制度の納付書はおおよそ年度ごとに1枚ずつ作成・発行されるため、複数年度の保険料の後納を申し込んだ場合には、複数枚の納付書が発行されることになります。

この場合、1年度分の後納保険料が30万円を超えることはないので、1枚の納付書で納付額が30万円を超えることはなく、その結果、後納制度の納付書はコンビニでの納付も可能になるものです。

従いまして、コンビニでの後納保険料の納付は制度最終日である9月30日(日)までできることになり、本稿の「“30万円”を超える額はコンビニでは払えない」との説明は誤りになります。

1枚の納付書で納付額が30万円を超えるケースとは、たとえば、2年分の保険料を納付書を使ってまとめて前払いする「2年前納」という制度を申し込んだ場合などに起こります。

こちらのケースでは、コンビニ納付ができないため、金融機関の窓口や電子納付などでの納付が必要になります。

注意4 古い納付書は使えない可能性がある

以前、後納制度を申し込んだことがあり、その時に発行された納付書が手元にあるという場合も要注意です。

後納制度で払う保険料の額は年度が変わると変更になるため、古い納付書は「支払金額が異なる」という理由で使えないケースが出るからです。

そのため、古い納付書を使って制度終了間際に保険料を払おうとしたが払えず、新しい納付書の発行を受ける時間もないという事態に陥る可能性があります。

古い納付書を使う場合には、納付書がいつまで使えるものなのかをよく確認する必要があります。

今回のニュースまとめ

今回は9月一杯で終了する国民年金の「後納制度」について見てきました。

ポイントは次のとおりです。

  • “時効”で払えないはずの国民年金保険料を“特別に払える制度”が「後納制度」
  • “3年間限定”の制度のため、2018年(平成30年)9月30日で利用できなくなる
  • 9月の終わりにかけ込みで利用しようとしても、利用できないケースがあるので要注意

「後納制度」がなくなると、第1号被保険者の保険料支払いは「支払期限から2年を過ぎると、“時効”で払えない」という“本来のルール”だけで運用されることになります。

そのため、制度を利用する立場から見ると、チョッと損をしたような気がしないではありません。

しかしながら、そもそも保険料は“2年間”近くも払える猶予期間があるのですから、これを機会にキチンと自己管理をし、支払い忘れがないようにすることが大切なのかもしれません。

出典・参考にした情報源

日本年金機構オフィシャルサイト:国民年金保険料の後納制度

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大須賀先生

大須賀信敬上級認定講師

人的資源管理コンサルティングを行うコンサルティングハウスプライオ代表を務め「ヒトにかかわる法律上・法律外の経営課題解決」をテーマとした活動に取り組む。年金分野では長年にわたり公的年金・企業年金のコールセンターなど年金実務担当者の教育指導にあたる。また、数多くの年金相談・執筆経験を持つ特定社会保険労務士(千葉県社会保険労務士会所属)

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