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あなたの知らない国民年金保険料の「前納割引制度」

投稿日:2019年2月18日 更新日:

大須賀信敬

みんなのねんきん上級認定講師

どんなニュース?簡単に言うと

4月から始まる新年度の国民年金保険料は、その年の2月中に申し込むと安くなる仕組みがあるのをご存知ですか。このような仕組みを「前納割引制度」といいます。今回はこの「前納割引制度」のルールについてご紹介します。

どんなニュース?もう少し詳しく!

前払いすると“割引”がある

自営業者などが対象となる国民年金の第1号被保険者の保険料は、原則として毎月、同じ額を納めることが求められます。

1カ月当たりの保険料の額は、今月の2019年(平成31年)2月分であれば16,340円です。

この金額は年度が変わると少し変更されることがあり、2019年(平成31年)4月分からは1カ月当たり16,410円になることが決まっています。

ところが、この1カ月当たりの保険料は安くすることが可能です。

実は、保険料の納め方には、通常どおり納付期限に合わせて1カ月分ずつ納める方法の他に、保険料を前払いする方法も認められています。

前払いすると、通常どおりに納めるよりも保険料の金額に“割引”が発生します。

つまり、保険料の納付額が通常よりも安くなるわけです。

このような仕組みを「前納割引制度」といいます。

「前納割引制度」は単に「前納制度」や「前納」と呼ばれることが多く、また、「前納割引制度」を利用して保険料を納めることを“前納する”などといいます。

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口座振替、クレジットカードでの新規前納2月末日締め切り

4月から始まる新年度の保険料を前納する場合、口座振替やクレジットカードで初めて前納するのであれば、申込締切日は新年度が始まる約月前月末日に設定されます。

前納の種類は、前払いする期間の長さに応じて、

  • 「6月前納」
  • 「1年前納」
  • 「2年前納」

の3種類用意されているので、申し込み時にどの前納をしたいのかを選ぶことになります

ただし、何月分から何月分までを前払いするかは自由に設定できるわけではなく、原則として下表の期間の保険料を納めることが求められます。

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また2019年(平成31年)2月末日までに申し込まないと同年4月からの保険料を口座振替やクレジットカードで新規に「6カ月前納」「1年前納」「2年前納」することはできなくなってしまいます

納付書での「年前納」であれば、3月以降も申し込める

しかしながら、末日を過ぎても新年度の保険料前納する方法がないわけではありません。

納付書を使って行う前納であれば可能になります。

国民年金の保険料の納付方法には、

  • 「口座振替による納付」
  • 「クレジットカードによる納付」
  • 「納付書による納付」

の3種類が用意されています

このうち、「納付書による納付」とは日本年金機構から発行を受けた納付書を使い、現金などで保険料を納める方法になります。

納付書で前納する場合にも「6月前納」「1年前納」「2年前納」の3種類の前納が可能ですが、このうち納付書で「2年前納」を行う場合には、日本年金機構に専用の申出書を使って申し込むことにより、2年前納用の納付書の発行を受けることが可能です。

この申込みは3月以降も受け付けてもらえます

そのため、口座振替やクレジットカードで新規に「2年前納」をしようと考えていた人が、2月末日までに申し込むのを忘れたとしても、3月以降、納付書による2年前納を行うための納付書発行手続きを取ることは可能です。

この納付書を使用して期限までに保険料を納付すれば「2年前納ができることになります。

2019(平成31)の場合には5月7日(火)が納付書による「2年前納」の納付期限になっており、この日までに保険料を納めればよいことになります

ただし、5月7日(火)を過ぎると2年前納用の納付書は使用できなくなるので、注意が必要です。

また、例年であれば、4月に入ってからは年金事務所に口頭で申し出るだけで、2年前納用の納付書の発行を受けることが可能です。

納付書での「6月前納」「1年前納」は申込不要

納付書で保険料を納付している人の場合、4月上旬になると1年間に使用する納付書が2年前納用を除いて全て、郵便で自宅に届く仕組みになっています。

その中には、「6カ月前納」と「1年前納」に使用する納付書も同封されています。

そのため、普段、納付書で保険料を納付している人が「6月前納」「1年前納」をする場合には、特別な申込手続きを取る必要がありません

自動的に送られてくる納付書を使用して期限までに納付すれば「6月前納」「1年前納」ができることになります。

2019(平成31)の場合「6カ月前納(4月分から9月分の前納」「1年前納」の納付期限も「2年前納」と同様に5月7日(火)と決められています

(注)10月分から翌年3月分の保険料を納付書で6カ月前納」する場合の期限は2019年(平成311031になります。

4月からの保険料を新規に前納する場合の手続きを整理すると、下表のとおりです。

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(下に続きます)

どの前納の割引額が多いのか

このように、第1号被保険者は口座振替、クレジットカード、納付書の3種類の方法で前納が可能です。

しかしながら、どの方法で前納をするかにより、保険料の割引額は必ずしも同じではありません

例えば、2019年(平成31年)4月以降の保険料について「1年前納」をするケースで考えます。

納付方法ごとの「1年前納」の割引額は、次のようになります。

  • 口座振替   … 4,130の割引
  • クレジットカード  3,500の割引
  • 納付書  3,500の割引

つまり、座振替だけが他の納付方法よりも割引額が大きくなる仕組みになっています。

また、納付方法が同じ場合には、前納する期間の長いほうが割引額大きくなります。

例えば1年分の保険料を納める場合には、「6カ月前納」を2回行うよりも、「1年前納」1回で納めたほうが割引額は大きくなります。

同様に、2年分の保険料を納める場合には、「1年前納」を2回行うよりも、「2年前納」1回で納めたほうが割引額は大きくなる仕組みになっています。

以上を考え合わせると、最も割引額が大きくなるのは“口座振替で2年前納をした場合”ということになります。

2019年度(平成31年度具体的な割引額下表のとおりです

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納付書だけで可能な“任意の月から当年度末まで”などの前納

以上のように、国民年金の保険料は口座振替、クレジットカード、納付書の全てについて「6カ月前納」「1年前納」「2年前納」の3種類の前納が可能です

ただし、納付書に限っては他にも認められている前納方法があります

例えば、2019年度(平成31年度)の4月からの保険料を納付書で前納する場合、納付期限は同年5月7日(火)です。

しかしながら、何らかの理由で納付期限までに前納すべき保険料を納めなかった場合には、日本年金機構に申し出ると申し出た時点で間に合う”から当年度末までまたは翌年度末までの前納ができる特別な納付書の発行を受けることが可能になります。

従って仮に「前納用の保険料を納めそびれ6月に入ってしまった」というような場合でも、手続きをすれば6月分の保険料から当年度末まで、または翌年度末までの前納ができる納付書の発行を受けられることになります

このような前納を任意の月から当年度末、翌年度末までの前納などといいます。

この前納は口座振替やクレジットカードには認められていない、納付書ならではの仕組みす。

また、口座振替で保険料を納める場合に限っては、「早割」と呼ばれる前納方法用意されています

口座振替で保険料を納付する場合、通常であれば、保険料は納付期限である翌月末日に指定口座から振り替えられます。

これに対して、早割の場合にはその月の末日に振替が行われるものです。

例えば、1月分の保険料であれば、通常は翌月である2月末日に保険料が振り替えられます

しかしながら早割の場合には1月分の保険料が1月末日に振り替えられことになります

ちょうど1カ月早く保険料が引き落とされているような状態といえます

「早割」は1カ月早く保険料が振り替えられる分、1カ月当たり50円の割引が発生する仕組みになっています。

まとめて何カ月分もの保険料を前納する余裕はないなどの場合でも、「早割」を使えば割引を受けることが可能です

最後に納付方法ごとに利用可能な前納の種類を整理して、今回の説明は終了にします。

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今回のニュースまとめ

今回は国民年金保険料の前納割引制度について見てきました。

ポイントは次のとおりです。

  • 国民年金には保険料の割引を受けられる前納割引制度がある。

  • 4月から始まる新年度の保険料を口座振替やクレジットカードで初めて「6カ月前納」「1年前納」「2年前納」するのであれば、申込締切日その年の2月末日なる。

  • 新年度の保険料を納付書で「2年前納」する場合は、3月以降も申し込める。

  • 口座振替で2年前納した場合が、割引額が最も大きい

  • 「任意の月から当年度末、翌年度末までの前納」や「早割」のように、一部の納付方法にだけ認められている前納もある

国民年金前納割引制度にはさまざまな方法が用意されています。

しかしながら、制度の利用ルールや割引額一律ではありませんので、仕組みをよく確認し賢く利用したいものです。

出典・参考にした情報源

厚生労働省ウェブサイト

平成31年度における国民年金保険料の前納額について

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000190457_00001.html?_fsi=VjRLNCWq

日本年金機構ウェブサイト

国民年金保険料

https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150313-02.html

国民年金前納割引制度(口座振替 前納)

https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150313-04.html

国民年金前納割引制度(現金払い 前納)

https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150313-01.html

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  • この記事を書いた人
大須賀先生

みんなのねんきん上級認定講師 大須賀信敬

人的資源管理コンサルティングを行うコンサルティングハウスプライオ代表を務め「ヒトにかかわる法律上・法律外の経営課題解決」をテーマとした活動に取り組む。年金分野では長年にわたり公的年金・企業年金のコールセンターなど年金実務担当者の教育指導にあたる。また、数多くの年金相談・執筆経験を持つ特定社会保険労務士(千葉県社会保険労務士会所属)

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