どんなニュース?簡単に言うと
2015年4月に祖母が他界しました。3回のシリーズで孫のシモムーが遺族年金を検証しました。今回は亡き祖母から教わる亡くなった時の年金についてその制度的な解説をしていきます。全3回のシリーズものの最終回です。
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どんなニュース?もう少し詳しく!
シモムー祖母が2015年4月8日に亡くなりました。
孫のシモムーが検証したこれまでのいきさつは第1話から最終話をご覧ください。
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今回から3回にわたり、亡き祖母から教わる年金制度と題してシリーズ物を始めます。
- 遺族年金と老後の年金 そもそもの関係は?
- 故人が受け取れなかった半端な年金。税金かかります
- 時効が5年っていつから5年? ←今回はココ
亡くなった時の年金を中心に老後の年金との関係やら制度的なことを説明していきます。
シモムー母が受け取れるのは平成22年4月から
年金の支払いには時効があります。
そのため、手続きが遅くなった場合、5年より前に受け取れるはずだったものは受け取れなくなる。
ではその境目は具体的に何月分までが時効で何月分からもらえるのか。
シモムー母が受け取る今回の場合、答えは振込の通知に載っています。
「支給対象期間」の欄に載っています。
ではこの「22年4月」はどこから出てきたんでしょう。
今回は「時効が5年っていつから5年?」と題して、
年金の受け取りの時効の話を解説してみます。
年金の権利が生じる話と国が年金の支払いする話は別
年金法にはこうあります。
国民年金も厚生年金も年金を受ける権利は5年で時効。
とすれば、
シモムー祖母の場合、時効にかかって権利が生じないはず。
なぜなら、
65歳から生じていたはずの権利は亡くなった80歳超の当時で5年を超えている。
つまり、
年金法の規定では年金の権利自体がそもそも生じないことになります。
権利が生じなければ、支払いもされない。
しかし、
時効っていうのは特殊なもので、
「時効の効果を生じさせてくれ!」
と意思表示が必要なんです。
厚労省は年金受給者のことを考えて、「時効だ!」と敢えて主張しないことにしています。
すると、
祖母の年金はその権利が65歳からあったと認められます。
じゃ、5年分しか振り込まれないのはなぜ?
権利が生じたということになれば、次のステップは権利から生じた「支払い」。
この「支払い」の部分が年金とは別の法律で5年で時効になってしまうんです。
なので、
手続きを取ったところから遡って直近5年分しか受け取れない。
「年金の権利が生じる話」と「国が年金の支払いをする話」と分けて考えないといけない。
これは普通の人にはわからない部分です。
「平成22年4月」っていうのはどこから出てきた?
そこでようやく、
「平成22年4月」なのはなぜ?の話。
正解はシモムー母が平成27年5月に手続きをしたから。
解説しましょう。
手続きをした月から5年前の月を考えてみる。
それは平成22年の5月。
とすれば、
平成22年の4月までに国が支払う年金は既に時効になっている。
5月以降に国が支払う年金をシモムー母が受け取ることになる。
ここで支払いの内訳を考えてみます。
平成22年4月に振り込まれたであろう内訳は平成22年の2月分と3月分。
つまり、
「22年の2月分と3月分は既に時効だから払えません」
「22年の4月分以降、祖母が亡くなった平成27年4月分までを支払いましょう」
となるんです。
年金は2カ月分を後払いで受け取る。
年金受け取りの内訳を考えないといけないのが難しいところ。
もしも、シモムー母が4月に手続きしていたら・・
じゃ、シモムー母が平成27年5月ではなく、4月に手続きしたらどうなったでしょう。
5年前は22年の4月だから3月以前の支払いが時効。
そして、22年4月に振り込まれる分は時効にならない。
その内訳は、
22年2月分と3月分。
ということは・・・。
シモムー母が4月に手続きさえしていれば、
あと2カ月分多くもらえていたということ。
手続きが1カ月早まると年金が2カ月分増えるっていうのはちょっと不思議な感じ。
まぁ、こんなことは結果論。
まさか祖母が老後の年金を受け取っていなかったなんて母は知らなかった。
どうしようもない話です。
今回のニュースまとめ
今回はこんな話でした。
- 「年金の権利が生じる話」と「国が年金の支払いをする話」と分けて時効を考える
- 年金の「支払いをする時効」が5年なので全額はもらえない
- 手続きをした月の5年より前の支払いが時効になる
5年の時効の考え方は特殊です。
これは実務を経験しないとわからないんじゃないかと思います。
私も理解するのに苦労しました。
ちなみに、これが年金記録に不備があったことが原因だった場合は違います。
5年より前の時効部分も受け取ることができます。
第1次安倍内閣時の年金記録問題。
真っ先に手を打ったのは年金記録に不備があった場合に支払いの時効をなくす法律を急いで作ったこと。
これがなければ、
「俺の記録から早く統合しろー。時効になるじゃないかー」
と相談窓口が大パニックになっていました。
とんでもない一大事でしたが、あれから数年経って事態は収束をみました。
「どんな事態であっても年金制度を死守する。」
改めて国にはそういう姿勢で年金を運営してもらいたいです。
出典・参考にした情報源
ありません
シモムー
みんなのねんきん主任講師