目次
何が出題されている?
出題形式:誤っているものを選択
厚生年金の被保険者になるかならないか。
主に2つの視点で出題がされます。
- 社長は被保険者になるのか
- 非正規雇用の場合はいつから被保険者になるか
5つの肢のうち、この2つの知識に関係したものは4肢にものぼり、これらが理解できれば必ず得点できる問題です。
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過去10回の正解となった知識
- 2020秋 賃金月額が8.8万円以上あると短時間労働者も被保険者
- 2020春(模擬) 法人事業所の代表者は被保険者になる
- 2019秋 臨時的事業の事業所に継続して6カ月を超えて使用される見込みの者は当初から被保険者になる
- 2019春 適用事業所に使用される70歳以上の者は被保険者にならない
- 2018秋 雇用期間が継続して1年以上見込まれると短時間労働者も被保険者
- 2018春 法人事業所の代表者は被保険者になる
- 2017秋 5つの要件を全て満たして短時間労働者も被保険者
- 2017春 法人事業所の代表者は被保険者になる
- 2016秋 臨時的事業の事業所に継続して6カ月を超えて使用される見込みの者は当初から被保険者になる
- 2016春 個人事業所の事業主は従業員数にかかわらず被保険者にならない
正解となった知識を分析すると、
- 社長は被保険者になるのか
- 非正規雇用の場合はいつから被保険者になるか
- 短時間労働者の被保険者要件
となっており、3つの論点を押さえれば得点できます。
出題傾向から年金制度を考える
- 社長は被保険者になるのか
- 非正規雇用の場合はいつから被保険者になるか
- 短時間労働者への適用拡大の要件
3つの知識を整理していきましょう。
社長は社長でも個人経営か法人経営かで異なる
個人事業の社長は被保険者になりません
社長は事業主なんですから労働者を保護する厚生年金の趣旨に合いません。
従業員が5人だろうと10人だろうと100人だろうと、なれないものはなれない。
逆に法人の社長はどうでしょう。
大丈夫。被保険者になります。
あくまで事業の主体は法的に認められた人たる”法人”です。
社長はそこの代表者に過ぎない。
また、
労働の対償として(厳密には労働者ではないのですが)、社長はその法人から報酬を受け取ります。
従って、被保険者になるという解釈をされています。
2017春、2018春、2020春(模擬)はこの知識が正解となりました。
2018秋、2019春秋は正解では無いものの、肢の1つとして登場しています。
この社長に関する知識は定番ですので確実に押さえます。
本来入れない人がいつから入るか2つのポイント
非正規雇用の場合、いつから厚生年金の被保険者になるか。
最初から?
途中から?
厚生年金制度ではそもそも、臨時で働く労働者を保護の対象にしません。
長期で働くわけではない者は保護に値しないという考え方です。
老後の年金が長期に渡って保険料を拠出した結果として受け取るものであることを考えると、対象外にするのも理解できます。
では、そもそも臨時で働くことを想定した非正規雇用者が結果的に長く働くとどうなるか。
そこで問題になるのが”いつから”被保険者になるかということ。
以下の2つの場合を整理です。
- 2カ月以内の期間を定めて使用される→延長して働くことになった→約束の期間を超えたところから被保険者
- 臨時的事業所に使用される→でも、最初から6カ月を超えて働く見込み→当初から被保険者
他にも季節的業務に4カ月っていうのもありますが無視します。
非正規雇用に関するものはこの2つしか出ないからです。
この2つの場合を「いつから加入?」の視点で覚えます。
被保険者の年齢要件
被保険者になれるのは70歳に達するまでです。
2019春では、
65歳以上の者は、被保険者とならない
として正解になりました。
ここ、直近10回ではこの知識で正解になったことは見たことがなく、ちょっと驚きました。
年齢要件をしっかり押さえます。
2016(平成28)年10月から短時間労働者への適用拡大
短時間労働者が社会保険に加入するためには5つの要件を全て満たす必要があります。
この点、2017秋は「いずれか」という出題で正解となりました。
2018春、2019秋は「全ての」という出題で正しい肢となりました(つまり正解ではない)。
短時間労働者が社会保険に入る5つの要件は数字絡みが多いので1つ1つ理解しておきましょう。
- 週の所定労働時間20時間以上
- 賃金月額8.8万円以上
- 雇用期間が継続して1年以上見込まれる
- 学生でない
- 常時500人を超える(501人以上)被保険者を使用する企業(特定適用事業所)に勤めている
2017春は1年以上の見込みを「6カ月」として誤りを作りました。
全く同じ誤りで2018秋も正解になっています。
2020秋は「9.8万円」として誤りとなっています。
また、
上に書いていませんが、500人以下の企業も労使の合意で短時間労働者への適用拡大が可能となりました。
出題されたことはありませんが、”労使の合意”が必要だということもチェックです。
今回はこれが答えになる!
- 事業主は被保険者になるのか
- 非正規雇用の場合はいつから被保険者になるか
- 短時間労働者はどのような場合に被保険者になるか
この3つは外せない。
社長のポイントは2つ
- 個人事業の社長はどんなに従業員がいても被保険者にならない
- 法人の社長は被保険者になる
非正規雇用の場合は2つ。
- 2カ月以内の期間で約束したなら、その約束期間が過ぎたところから被保険者になる
- 臨時的事業の場合は当初から6カ月を超える見込みなら当初から被保険者になる
短時間労働者の場合は、
- 5要件の数字に着目
- 全ての要件を満たさないと加入できない
今回は何が正解になりそうか・・・。
正直予想は難しいです。
社長、非正規、短時間労働者
この3つを押さえておけば攻略できるので敢えて予想せずにどれが並んでいても正誤を判定できるようにしておきます。
シモムー
みんなのねんきん主任講師