何が出題されている?
出題形式:誤っているものを選択
医療保険制度と介護保険制度に関して基本知識が登場します。
社労士試験受験生であれば、難なく解答できる内容です。
そうでない人は年金とは直接関係ないのでとっつきづらい。
数字を知ってなければ答えようがないという肢だらけなのが特徴。
万全の対策が必要です。
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過去10回の正解となった知識
- 2023春 後期高齢者医療の被保険者の自己負担割合は1割・2割・3割
- 2022秋 介護保険の第1号被保険者は65歳以上の者で年齢の上限は無い
- 2022春 介護保険の第2号被保険者は40歳以上65歳未満の市内在住医療保険加入者
- 2021秋 標準賞与額は毎年4月から翌年3月までの累計額で上限が573万円
- 2021春 70歳から74歳の医療費の自己負担割合は3割(現役並み所得者)
- 2020秋 協会けんぽの保険料率は都道府県別
- 2020春(模擬)70歳から74歳の医療費の自己負担割合は3割(現役並み所得者)
- 2019秋 介護保険の第2号被保険者は40歳以上65歳未満の市内在住医療保険加入者
- 2019春 70歳から74歳の医療費の自己負担割合は3割(現役並み所得者)
- 2018秋 健康保険の標準報酬月額の等級は全50等級
過去の正解のほとんどが数字を覚えているかどうかが試されています。
数字以外の正解は過去2回のみ。
選択肢の3つから4つは数字絡みが並んでいます。
このテーマではとにかく数字を押さえることが大事だと言えます。
出題傾向から年金制度を考える
数字を覚えているかが試される。
とすれば、数字を暗記する。
これに尽きます。
ただ、闇雲に覚えようとしても効率が悪い。
介護保険の知識が正解となることがありますが、基本的には医療保険、特に健康保険のポイントを押さえます。
そのポイントは2つ。
”医療費の自己負担割合”と”ボーナス・等級表”です。
医療費の自己負担割合を年齢別で暗記する
特にわかりにくいのは医療費の自己負担割合。
年金の知識とは全く関係が無いので意識して覚えないといけません。
年齢区分による数字を整理しておきました。
義務教育就学前 | 6歳から69歳 | 70歳〜74歳 | |
低・中所得者 | 2割 | 3割 | 2割 |
現役並所得者 | 3割 |
特に、70歳以上の人が自身の所得によって自己負担割合が変わるのがやっかいで、集中的に出題があります。
全体をひっくるめて、私は
お金ある人 = 現役世代と現役並み所得の高齢者(70歳以上)= 3割
お金ない人 = それ以外(義務教育就学前と普通所得の高齢者)= 2割
という理解をしています。
ここ最近は3割負担となる高齢者(お金ある人)で正解を作るケースが頻繁にあります。
2021春、2020春、2019春という具合に春3連続で正解になっています。
お金があるのか、無いのか()内の文字をしっかり確認します。
ほとんど出題の無い後期高齢者医療制度だが・・
健康保険などの制度に入り続けても75歳に達すると自動的に後期高齢者医療制度に入ることになります。
2022春はこの点初めて出題がありました。

と、前回注意喚起しておいたのですが、見事この知識が2023春の正解となりました。
これまでは、
一般所得者:1割、現役並み所得者:3割
という区分でしたが、2022年10月からは一定以上の所得があれば2割負担という人も登場しています。
つまり、1割・2割・3割負担の人が混在していることになります。
一応、厚生労働省のサイトを確認しておきましょう。
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後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)
医療保険分野における令和3年法律改正の内容について紹介しています。
続きを見る
ボーナスと等級表も数字に注意
健保のボーナスは小波
厚生年金とは違い、健康保険の標準賞与額は年度累計の上限となっています。
金額は573万円。
この知識は常連の肢ですからしっかり覚えます。
私は「健保のボーナスは小波(573)」と覚えております。
2021秋はこの上限の数字ではなく、年度の累計というのはいつからいつのことか?という史上初の出題がありました。
9月から翌年8月まで
として誤り(即ち正解)。
協会けんぽのウェブサイトによれば、4月から翌年3月まで とのこと。
573万円に目が行きがちですが、累計の期間も押さえます。
標準報酬等級の数に注意
標準報酬月額の等級は全部で50等級で金額の上限は139万円。
2016年(平成28年)に改正されて、等級の上限が変わりました。
等級数と上限額は両方とも注意して覚えておきます。
伝統的に数字が危ないテーマだからです!
介護保険の被保険者区分
介護保険の年齢区分に関しては正解になることも多いので注意。
- 第1号被保険者:市区町村在住65歳以上
- 第2号被保険者は40歳以上65歳未満の市内在住医療保険加入者
2019春、2020秋では第1号被保険者に関して、
年齢に、上限はない
との出題が。”65歳以上”という表現になっているだけなので、上限はありません。
ここでも、やはり数字がからんでいます。線引される年齢を覚えておきます。
2022秋は上限が”ある”として正解になりました。
2019秋、2022春は久しぶりに第2号被保険者の知識が正解に。
2023春は第2号被保険者には年齢の上限がある、として正しい肢に。
やはり、数字が危険です。
今回はこれが答えになる!
なにはともあれ、このテーマは数字が危ない。
覚えるべき数字をまとめておきます。
- 医療費の自己負担割合:お金ある人(現役・70歳以上高所得者)3割、ない人2割
- 健康保険のボーナス上限:年度(4月から翌年3月)累計573万円
- 標準報酬月額の等級:50等級・上限139万円
- 介護保険の被保険者:1号65歳以上(上限なし)・2号40歳以上65歳未満(上限あり)
最近は初出題となる肢が毎回登場する傾向にあります。
とはいえ、数字の論点で正解を作るのは変わりません。
見慣れないものは△にして、数字の肢で勝負すべきです。
シモムー
みんなのねんきん主任講師