
何が出題されている?
出題形式:3つの穴埋め形式
この問題のみ穴埋めで出題されています。
かつては別のテーマでも穴埋めでの出題はありましたが、全体的に見るとこの形式での出題はかなり珍しいです。
問われていることは非常に基本的なことなので絶対に得点すべきテーマです。
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過去の正解となった知識
- 2025秋 按分割合を決める方法、対象期間の考え方、障害厚生年金受給者の分割の制約
- 2025春 合意分割の施行時期、障害厚生年金受給者の分割の制約、特定期間の考え方
- 2024秋 対象期間の考え方、3号強制分割の施行時期、分割請求の期限
- これ以前に出題なし
2024秋に初登場。
1度キリかと思って、分析は無視していたのですが、3回出題が続いたので着手することにしました。
色をつけた箇所が複数問われている論点です。
出題傾向から年金制度を考える
これまでの出題で問われたことを全て解説していきます。
離婚分割制度は合意によって標準報酬記録を分割する”合意分割”と第3号被保険者期間に対応した標準報酬記録を分割する”3号強制分割”に分かれます。
両者を合わせて”離婚分割”と呼んでいきます。
施行時期
施行時期が直接問われます。
両者の仕組みは平成16年改正で導入されたものですが、数年の準備期間を経て施行に至ります。
スタート時期が1年ズレていることに注意です。
- 合意分割:平成19年4月1日
- 3号強制分割:平成20年4月1日
分割できる期間
分割できる期間は対象期間と特定期間で定義されています。
- 合意分割:対象期間=婚姻期間に対応した厚年被保険者期間
- 3号強制分割:特定期間=施行日以後の第3号被保険者期間に対応したその厚年被保険者期間
両制度とも、施行日以降に離婚することが必要です。
ただ、注意すべきことは、対象期間について。
離婚自体は平成19年4月1日以降で、婚姻期間は昭和時代まで含まれるということもあるでしょう。
したがって、対象期間は平成19年3月以前の期間も含まれます。
この”含む”のか、”含まない”のかが複数問われているので注意です。
分割する割合を決める方法
分割する割合は”按分割合”と呼ばれています。
この用語は合意分割にのみ登場するもので、3号強制分割にはありません。
なぜなら、強制的に2分の1に分割されるので、当事者が話し合う余地が無いからです。
この按分割合を決めるのは、当事者の合意か、合意に至らない場合は家庭裁判所を通じた法的な手続きで決めることとなります。
障害厚生年金受給者の分割の制約
障害厚生年金を受給している人において、その年金額の計算の基礎となった標準報酬記録が分割されれば、年金額に影響がでます。
そこで、
3号強制分割においては、当該期間は分割の対象とならないことになっています。
逆に合意分割の場合は、障害年金受給者が合意していることが建前なので、このような制約はありません。
分割請求の期限
離婚後2年以内に請求することとなっています。
ただ、2025年改正によって、この期限が5年に延長される予定です。
そもそも、この2年は民法における財産分与制度に倣って2年としたわけです。
この民法の財産分与の規定が改正により2026(令和8)年4月施行で5年となる予定なので、今後はこの数字の変化に注意が必要です。
まとめ
これまでの出題から、全ての出題論点を分析しました。
これらの中で複数回出題されているものもあるので、さらに同じ論点が繰り返し出題されるだろうと予想します。
分割請求の期限も延長される予定ですし、このテーマはしばらくは出題が続くのではと予想しています。
- 施行時期:3号強制分割は1年遅れの平成20年4月
- 分割できる期間:合意分割の対象期間は施行日前に遡れる
- 分割する割合を決める方法:合意または裁判等の手続き
- 障害厚生年金受給者の分割の制約:3号強制分割において年金額の基礎なった期間は分割の対象とならない
- 分割請求の期限:離婚後2年以内
4分クッキング動画
傾向が固まったら収録予定です



シモムー
みんなのねんきん主任講師