相談事例

失業保険と老後の年金 同時にもらう1つの方法

投稿日:2015年12月24日 更新日:

失業保険と老後の年金 同時にもらう1つの方法

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どんな事例?簡単に言うと・・

失業保険と60歳台前半の老後の年金は同時に受け取ることができません。せっかく掛けた両制度の保険料、しっかり受け取るにはどうしたら良いでしょうか。事例で考えてみます。

こんな事例を考えてみましょう

Tさんは現在64歳。

38年勤めたO社で60歳の定年を迎え、現在は再雇用制度を利用して関係会社のR社で勤務しています。

R社では週3日の勤務で雇用保険に加入中。

R社の規定では65歳の誕生日(Tさんは6月20日)がある月の前月末日で退職することになっています。

また、Tさんはこれまで掛けてきた厚生年金を老齢厚生年金として受け取っています。

Tさんは退職後、年金と一緒に失業保険ももらいたいと思っています。

友人のAさんからは失業保険をもらうと年金が止まるからあきらめろと言われています。

Tさんは年金と失業保険の両方を受け取る方法は無いのでしょうか。

今回の事例の何が問題なんでしょうか

雇用保険から基本手当を受け取る

失業保険とは正確には雇用保険からもらえる「基本手当」というもの。

基本手当とは雇用保険の中で最もメジャーなお金です。

失業してハローワークにいく。

そこで「職を探したい」という申し込みをする。

するとそれに合わせて基本手当ももらえます。

基本手当は申し込み後の失業中の日に応じてもらえるもの。

辞めた理由によって90日分から360日分がもらえます。

受け取り期間は会社を辞めてから1年間。

その間に定期的にハローワークに行って失業をしていたという認定を受ける。

すると、認定された失業の日数分がもらえるわけです。

1回で例えば90日分全部がもらえるというわけではないんです。

基本手当と60歳台前半の老齢厚生年金は同時にもらえない

この基本手当。

60歳台前半の老齢厚生年金と同時に受け取ることができません

基本手当の申し込みをしたら、有無を言わさずに年金が全額止まります

仮に年金の方が金額が多くても関係ありません。

とにかく年金が止まる。

老後の年金での所得保障と失業中の所得保障がかぶってしまうからです。

社会保険では同じ理由で二重に保障を受ける事態を許してくれません。

年金を再開させる方法は原則2つ。

基本手当を受け取り終えるか、基本手当受け取り期間1年間が過ぎるしかありません。

そのような状況で基本手当と年金を両方もらう方法があるんでしょうか。

解説してみましょう

今回の解説者:シモムー

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基本手当と60歳台前半に受け取れる老齢厚生年金は同時にはもらえません。

「60歳台前半の老齢厚生年金」+基本手当=NG。

ですので、こうしましょう。

65歳からの老齢厚生年金」+基本手当=OK

要は65歳以降に基本手当をもらえばよいということです。

会社を辞めるのは65歳前であることが必要

実はこの基本手当。

65歳を過ぎてから会社を辞めて手続きをしてももらえない

いつ辞めたかが問題なんです。

ですので、65歳になるまでに会社を辞めておく。

それからハローワークに行く。

基本手当をもらうにあたり、ハローワークに行くのが65歳を過ぎても問題ありません。

また、その時には年金は「65歳からの老齢厚生年金」に切り替わっています。

だから基本手当をもらっても年金が止まることはありません。

Tさんの例で考えてみましょう。

R社の規定では65歳になる前月の5月末日で退職します。

65歳になる前に退職しているので問題なし。

この場合ならあとは6月でも7月でもハローワークに行って手続きすれば大丈夫。

ただし、

基本手当の受け取り期間は会社を辞めてから1年間限り。

早めに手続きしておきましょう。

会社を辞める日は65歳の誕生日の前々日までに

もうすこしシビアにいつまでに辞めればいいかを考えてみましょう。

Tさんの場合、R社の規定がなかったとしたら6月18日までに辞めないといけません。

19日ではないのか?

法律では、ある人がその年齢に達したと考えるのは誕生日の前日なんです。

Tさんは6月19日に65歳に達します。

ですから6月18日までに辞めないといけないわけです。

今回の事例まとめ

割とよくある相談が今回の事例。

「60歳台前半の老齢厚生年金」+基本手当=NG。

ですが、

65歳からの老齢厚生年金」+基本手当=OK

65歳以降に基本手当をもらえばよいということ。

また、「老後の年金」だとNGなら「障害年金」だったら大丈夫?

大丈夫です。

その場合は60歳台前半でも障害年金が止まることはありません。

よくある誤解は65歳になる前にハローワークで手続きしないとまずいのか?

という話。

65歳になる前に「辞めている」なら問題ないんです。

あ!もちろんハローワークでの手続きが早すぎてもダメですよ。

例えばTさんが5月20日で退職して5月中にハローワークで手続きしたとしましょう。

すると6月分の年金は止まってしまいます。

なぜなら、Tさんの「60歳台前半の老齢厚生年金」は最後に6月分まで出るからです。

ハローワークで手続きしたら、その翌月分から年金が止まるというルール。

ところが7月分からは止まりません。なぜなら7月分からは「65歳からの老齢厚生年金」に切り替わるから。

1カ月でも無駄なく受け取りたいですよね。


事例は実際の相談をヒントにしたフィクションです。記事中のアルファベットは実在の人物・企業名と関係ありません。記事は細心の注意を払って執筆していますが、執筆後の制度変更等により実際と異なる場合もあります。記載を信頼したことによって生じた損害等については一切責任は負えません。

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シモムー

シモムー

日本年金機構の年金相談コールセンターにて新人研修講師を担当しながら社労士試験予備校にて講師を経験。2014年より公的年金の情報を初心者目線で解説する「みんなのねんきん」サイトで情報提供を続ける。年金を事例で学ぶ「年金ケーススタディ」で全問題の作問と解説を担当。具体例やイメージで理解できる情報提供を心がけている。

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