年金ニュース

あの法案は今・・。年金関連法案の行方を追え! 2016年12月

2016年12月19日

国会

シモムー

みんなのねんきん主任講師

どんなニュース?簡単に言うと

2016年12月17日。第192回臨時国会が閉会しました。このブログでも取り上げてきた年金関連の法案は成立したんでしょうか。衆議院のウェブサイトの情報を参照しながらその行方を追ってみました。

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どんなニュース?もう少し詳しく!

カジノ法案に話題を持っていかれて閉会した臨時国会。

今国会の年金関連法案は一体どうなったでしょうか。

ブログで取り上げたもの、そうでないものを含めて進捗状況を調べてみました。

年金に関連した法案は以下の3つ。

  1. 年金受取りのための最低期間を10年に短縮する法案
  2. 年金額の改定ルールを改める法案
  3. こりゃ成立は無理だろう法案

衆議院のウェブサイトの情報を元にしてその行方を追っていきます。

ついに短縮!年金は10年掛ければもらえる時代へ

どんな内容?

年金を受け取るためには最低でも25年分の保険料納付が必要。

これを10年に短縮しようという改正内容。

もともと消費増税とセットで短縮する予定だったのですが、増税延期で宙に浮いたままでした。

ところが、

2016年7月。

首相が無年金者対策を言い出し、急遽法案を提出した次第。

消費増税とは切り離して短縮を実現するという法案です。

年金を受け取るための最低加入期間の話と絡めてブログ記事にしたことがあります。

なんと!来年から25から10になるってほんと?

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国会ではどうなった?

25to10

(タップで拡大)

全会一致で可決。成立しています。

制度の開始時期は2017年8月から。

必要な費用は650億円と言われています。

消費増税による財源が無いのにどうするつもりなんでしょう。

お金をバラまく法律は簡単に成立するのが恐ろしいところです。

改正までに1年掛かった年金額改定ルールの変更

どんな内容?

改正案の中身は大きく3つ。

  1. 中小企業の社会保険加入条件が労使の合意で緩和
  2. 産前産後の期間中に国民年金の保険料が免除される
  3. 年金額の改定ルールが変更される

1はパートタイマーの社会保険加入拡大の条件を緩和する仕組み。

労使の合意があれば500人以下の企業でも週20時間労働で社会保険に入れるものです。

2は自身で国民年金の保険料を納める人が産前産後の期間中に保険料が免除される新制度。

3は年金額の改定を賃金の動きに合わせるということと、マクロ経済スライドを繰越し方式にするということ。

1・2は現役世代に影響がある項目として、3は年金受取世代に影響がある項目としてブログで紹介しました。

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国会ではどうなった?

macro

(タップで拡大)

施行日等の修正をして可決・成立しています

この法案。

2016年1月からの通常国会に提出されるも継続審議。

1年近く掛けてようやく成立しました。

先ほどの「10年短縮法案」とは異なり、こちらは年金額を増やさないようにするものがメインの内容。

野党が「年金カット法案」と名づけて与党との対立を演出する材料となりました。

 

こりゃ成立は無理だろう法案もご紹介

歳入庁を設置して税金と社会保険料を一元的に徴収

以前のブログ記事でも触れました。

民進党が主張していた税金と社会保険料を一元的に徴収できるようにするというもの。

内容は概ね支持できるものなんですが、いかんせん野党提出の法案では審議すらもままならない。

今回もダメでした。

世代間格差を是正するための公的年金制度の改革の推進に関する法律案

これは面白い法案でして、日本維新の会から提出されているようです。

中身を見てみると、

年金制度の世代間格差に着目して、それを是正しようというもの。

すごいのは「新たな公的年金制度を創設する」ということです。

新たな公的年金制度は、原則として、世代別年金被保険者集団(一定の期間ごとにその期間内に出生した者で構成される公的年金制度の被保険者の集団をいう。以下同じ。)ごとに、支払われる保険料及びその運用収入の総額と公的年金給付の総額とが均衡する仕組みとするものとする。

(法案第5条3項)

世代別の集団ごとに年金の財布を作りその中で収支を均衡させようというもの。

なんという壮大な仕組みでしょう。

現行の年金制度は現役世代の保険料を直接年金受給者に仕送りする仕組みですから、新しいものを作っても、今のお年寄りへの仕送りはやめられない。

年金制度を抜本的に変えられないのはこういった問題を解決できないからです。

旧制度と新制度の保険料を現役世代は二重に負担するなんて無理です。

世代ごとに会計を別にするというのはなるほどねと思いますが、こりゃー難しいです。

改正制度の開始時期(施行時期)まとめ

今回の制度変更がいつからされるかを時系列で図解してみました。

参考にしてください。

2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
中小企業の社会保険加入条件が労使の合意で緩和 4月
年金受取りの最低期間を10年に短縮 8月
マクロ経済スライド繰越制 4月
産前産後の期間中に国民年金保険料免除 4月
賃金の動きで年金額改定の徹底化 4月

今回のニュースまとめ

今回のニュースは2016年9月から12月までの国会に提出された年金関連の法案の行方を追いました。

  1. 年金受取りのための最低期間を10年に短縮する法案 → OK
  2. 年金額の改定ルールを改める法案 → OK
  3. こりゃ成立は無理だろう法案 → 残念

今回も年金に関して大きな改正がされました。

(前回の目玉は確定拠出年金の改正でしょう)

私の思うところを書いてみると・・・、

まず、

年金受け取りのための最低期間を10年にするというのは歴史的なすごさです。

現行の国民年金制度が始まった昭和36年の当初から原則25年の加入期間が必要だったからです。

50年以上の長い歴史を塗り替えました。

つぎに、

年金額の改定ルールの変更については成立するのに時間が掛かり過ぎです。

新しいルールにするのに1年も掛かったわけですから。

年金を受け取る人が増えて、保険料を納める人が減っているんですから、給付水準を抑えなければ制度を維持できません。

こういうものこそ急いで手直しが必要なのに、相変わらず政争の具にするだけの野党には呆れます。

さて、

次はどんな改正をするんでしょうか。

引き続き国会の動きに注目していきます。

国会前からシモムーでした!

出典・参考にした情報源

第192回国会 議案の一覧

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シモムー

日本年金機構の年金相談コールセンターにて新人研修講師を担当しながら社労士試験予備校にて講師を経験。2014年より公的年金の情報を初心者目線で解説する「みんなのねんきん」サイトで情報提供を続ける。年金を事例で学ぶ「年金ケーススタディ」で全問題の作問と解説を担当。「シモムーシェフの年金論点4分クッキング」では年金の論点を4分で解説。具体例やイメージで理解できる情報提供を心がけている。2020年3月「みんなのねんきん社会保険労務士法人」設立。障害年金手続き代行に特化した社労士法人を経営している。

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