目次
何が出題されている?
出題形式:誤っているものを選択
障害厚生年金の支給要件・年金額・増額改定に関する知識が並んでいます。
その中でも、年金額に関する知識が3肢程度と過半数を占めています。
加給年金額に関するものや、どこからどこまでの被保険者期間を計算に含めるか
といったことが並んでいます。
年金額については、特に老齢厚生年金とどう違うのかを理解しておかないといけません。
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過去10回の正解となった知識
- 2020秋 障害認定日の属する月までを年金額計算の基礎とする
- 2020春(模擬)3級の障害厚生年金には加給年金額が加算されない
- 2019秋 20歳未満の被保険者期間も年金額計算の基礎とされる
- 2019春 障害認定日に第1号被保険者でも支給対象となる
- 2018秋 障害認定日の属する月までを年金額計算の基礎とする
- 2018春 3級の障害厚生年金には加給年金額が加算されない
- 2017秋 年金額の増額改定は請求月の翌月分から
- 2017春 20歳未満の被保険者期間も年金額計算の基礎とされる
- 2016秋 障害認定日に第1号被保険者でも支給対象となる
- 2016春 障害認定日の属する月までを年金額計算の基礎とする
過去の傾向からよく正解になる3つをまとめると以下のとおり。
- 障害認定日の属する月までを年金額計算の基礎とする
- 20歳未満の被保険者期間も計算の基礎とされる
- 障害認定日に第1号被保険者でも支給対象となる
まずはこれらをしっかり押さえます。
出題傾向から年金制度を考える
最近正解になった論点を含めて合計4つの知識を解説しましょう。
1 3級には加給年金額はない
2018春で突如出てきた論点。
2018秋・2019春も選択肢にならんでいました。
2020春(模擬)では正解になっています。
障害厚生年金に加算される配偶者加給年金額は1・2級でなければ加算がありません。
3級相当の障害では障害基礎年金も出ませんし、家族手当の加算もないので1・2級と比較して保障の落差が大きいといえます。
2 障害認定日時点で会社を辞めていても年金はもらえる
事故に遭った日(初診日)には会社に務めていた。
でも、今は会社を辞めて療養中である。
障害認定日に障害等級に該当していても障害厚生年金を受け取れないのでは?
と心配になるはず。
これは大丈夫。
なぜなら、障害厚生年金は初診日に被保険者であることが要求されるだけだから。
その後に退職して障害認定日において第1号であっても何ら問題がありません。
ちなみに障害基礎年金は初診日に被保険者でなくても初診日の要件を満たす場合がありますが、障害厚生年金にはそんな例外はありません。
(例えば、国内居住で60歳以上65歳未満の場合や20歳未満の場合が例外です)
障害厚生年金を受け取るためには必ず初診日に厚生年金の被保険者であることが必要です。
ですので、具合が悪かったら、会社を辞める前に初診日を迎えることが絶対です。
辞めてから病院に行っては遅いです。
さて、
2018秋はこの論点に関連して、
老齢厚生年金の受給資格期間を満たした者であっても、
初診日に被保険者じゃないとムリ。
という問題が出ました。
は?という感じの初めて見る肢で、「老齢厚生年金もらえる人はみんな障害年金もらえるのかよ!」とツッコミをいれたものです。
いずれにせよ、求められる条件は”初診日に厚生年金の被保険者”です。
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3 20歳前の被保険者期間も計算の基礎になる
報酬比例の計算は原則、年金の権利が生じるまでの全ての被保険者期間が反映される加点方式。
20歳前や60歳以上の被保険者期間でも計算の基礎になります。
もちろん老齢厚生年金や遺族厚生年金でも同様ですね。
それらの期間が合算対象期間とされてしまう老齢基礎年金とは異なります。
久しぶりに2019秋で正解になりました。
4 障害認定月までを計算の基礎としてくれる
初診日から、年金が生じる現在もずっと、厚生年金の被保険者を続けていると、どこまでが年金額に反映するのか、その境目が疑問になります。
障害厚生年金は障害認定日の属する月までを計算の基礎とします。
年金の権利が生じる月が障害認定月ですから、そこまでの被保険者期間を計算の基礎にします。
この図では10月までの厚生年金の被保険者期間の月数で報酬比例額を計算し、11月以降は無視です。
あまり正解にはならない肢ですが、2018秋は久しぶりにこれが正解に。時間をおいて、2020秋にも正解になりました。
正解になる時はこんな感じで誤りを作ります。
初診日の属する月まで
違いますね。繰り返しになりますが、障害認定日の属する月までです。
ここからは余談。
老齢厚生年金の年金額計算は異なりますからしっかり区別を!
年金の権利が生じる月の前月までを計算の基礎にするというルール。
この図では4月に年金の権利が生じていますが、前月の3月までで報酬比例額の計算をします。
”1カ月分少ないじゃないか!”と感じるかもしれませんが問題ありません。
その後、被保険者でなくなった時にその後の期間も含めて再計算してくれるからです。
これが”退職改定”というやつです。
逆に障害厚生年金には退職後の改定なんて仕組みはありません。
”障害認定月までの加入状態で障害に対する保障とし、その後の加入期間は考慮しない”という考え方です。
障害と老齢と対比させてセットにして覚えておくとすぐに思い出せます。
今回はこれが答えになる!
このテーマは3つの以下の論点が重要。これらで正解を作る可能性が非常に高いです。
- 障害認定日の属する月までを年金額計算の基礎とする
- 障害認定日に第1号被保険者でも支給対象となる
- 20歳未満の被保険者期間も計算の基礎とされる
前回の予想は、

として、予想通り。
今回は、最初を除いた「認定日第1号」か「20歳未満」のどちらかだと予想します。
シモムー
みんなのねんきん主任講師