【2025春最新版】年アド3級 特例的な繰下げみなし制度 5つしか出ない?|みんなのねんきん

2020年11月23日

(イメージです)

シモムー

みんなのねんきん主任講師

何が出題されている?

出題形式:誤っているものを選択

2023秋に初登場。

一時的な出題かな?と思っていたのです。

常連になるようなテーマではないと思っていまして無視していました。

これまでの3回の出題からそろそろ無視はできないなと思って、取り上げました。

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過去3回の正解となった知識

  • 2024秋 80歳以降に請求する場合は対象とならない
  • 2024春 遡及した5年分の増額した年金を受け取れる
  • 2023秋 在老で停止となった部分は増額の対象とならない
  • これ以前は出題なし

毎回正解は異なりますが、並んでいる肢は同じ感じ。

まずは一体どんな仕組みなのかを理解するところから始めます。

出題傾向から年金制度を考える

繰下げで待っている間に気が変わった人のための制度

制度の仕組みに関しては、以前私が動画で解説していたものが参考になると思います。

言葉で説明すると、

65歳からの本来の年金を70歳以降に繰下げて受給しようと考えていたが、気が変わって一括して本来の年金を受け取りたい人に対し、

本来の年金を65歳まで遡って一括支給するが、時効の関係で5年分のみの遡及となる。

5年より前の期間は、繰下げのための待機の期間と考え、5年前に繰下げ申出したみなす

すると、5年前の繰下げ申出による増額した年金を5年分一括して受け取れる

という仕組みなんです。

例えば、

上限の75歳まで繰下げしようと待機していた。その最中の72歳に気が変わって一括して本来の年金を受け取りたいと思った。

そこで、本来65歳から受け取れていた年金を一括請求するが、今から5年遡った67歳以降の分しか遡れない。

65歳から67歳までの2年間を繰下げ待機の期間と考え、67歳時に繰下げ申出したとみなす。

すると、67歳時の繰下げ申出による2年分の増額したうえで、5年分を一括して受け取れる。

ということになります。

これまで出題があったものから要件や効果を見ていきます。

要件(対象者・対象年齢)

昭和27年4月2日以降生まれ

75歳まで繰下げできるようなった対象者が、この特例の繰下げみなし制度を活用できます。

この生年月日そのものがズバリ出題されています。

70歳以降80歳到達前に本来の年金を一括請求

70歳前は一括請求しても5年の時効で消滅する分はないため、70歳以降であることが必要。

80歳到達以降に一括請求しても5年前は既に上限年齢75歳に達している。

そこで、この10年間に限定しているわけです。

2024秋は、この80歳を

75歳

として誤りとなりました。

効果

増額した年金を5年分一括受取

上で説明したとおり、いくらかでも増額した年金を5年分一括して受け取れます。

従来からも、一括請求により5年分の年金は受け取れました。そこは変わりません。

ただ、65歳から普通に受給した増額の無いものであり、その増額無しの年金を将来に渡って受け取るわけです。

せっかく待機していた時間が全く無駄になってしまうので問題があったわけです。

2024春は5年を

10年

として誤りとなりました。

在老による停止部分は増額対象とならない

これは、この特例制度の話だけのことではありませんが、なぜか毎回出題があります。

例えば、100の老齢厚生年金が、厚生年金の被保険者になることで停止額が生じて80になっていた場合、この80を対象に増額させるということです。

2023秋は

支給停止された年金額も、増額対象となる

として誤りとなりました。

税や社会保険に影響あり

この特例制度に限った話ではないですが、既に受給権が生じている年金後から遡及して受け取る場合は、税や社会保険に影響があるので注意です。

例えば、各年100万円を5年分まとめて一括支給された場合、500万円がその年の収入となるわけではありません。

この場合は、遡及した5年の各年分100万円の源泉徴収票が発行されるため、過去の各年の収入が変わることになります。

すると、金額によっては確定申告をやり直さないといけないケースが出てくるわけです。

2023秋は

過去に遡って所得税の修正申告が必要

として正しい肢として出題がありました。

2024春・2024秋は

過去に遡って公的負担割合の自己負担割合が変更

として、こちらも正しい肢の出題がありました。

医療保険のテーマで勉強したとおり、所得によって、医療機関に支払う自己負担割合が異なるので、変更の可能性があるわけです。

75歳以降で一括請求ではなく、繰下げ受給を選択すると?

この点、出題はないのですが、触れておきます。

例えば、年金の手続きをしないまま77歳になったとしましょう。

ここで、まとまったお金が欲しいなと思ったときには2つの選択肢があります。

  1. 75歳時に繰下げがあったとして2年分をまとめて受け取る
  2. 65歳からの本来の年金を一括請求するが、72歳時に繰下げがあったとして5年分をまとめて受け取る

繰下げの待機は上限が75歳ですから、77歳の現在はとっくに上限に達しているわけです。

結果的に75歳を超えて2年間待機していましたが、繰下げによる増額は75歳で打ち止めなので無駄な2年となっています。

1の場合、制度的には75歳の上限に達した際に繰下げの申出があったとみなされるので、10年待機して84%増(0.7%/月×120月)の年金を2年遡り、まとまった年金を受け取ります。

2の場合、今回の特例の繰下げ申出で、65歳から7年待機して58.8%増(0.7%/月×84月)の年金を5年遡り、まとまった年金を受け取ります。

1を選択すれば、今後生涯にわたって、84%増の年金を受け取れますが、2の場合は58.8%増にとどまります。

まとまったお金がいくら必要なのかによりますが、よく考えたうえで選択しないといけません。

今回はこれが答えになる!

出題された3回の内容を分析してみましたが、

シモムー
シモムー
なんか同じものばかりだな

という印象。

この5つが繰り返し出題されているので、ここを押さえておけば得点できるでしょう。

  • 昭和27年4月2日以降生まれが対象
  • 70歳以降80歳到達前に本来の年金を一括請求
  • 5年前に繰下げの申出みなしで増額した年金を5年分一括受取
  • 在老による停止部分は増額対象とならない
  • 遡及請求により税や社会保険に影響がある

ただ、これ以外で論点が広がらないようなら、この問題はフェードアウトしていくんじゃないかと予想しています。



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年金アドバイザー3級試験に初受験から2023年春まで24回連続86点以上で合格中。満点は5回。優秀賞は11回受賞。試験に対する考え方・勉強方法について絶対の自信を持っている。

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