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決定版!2019年度の年金額はこれだ!もらえる厚生年金編

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文:みんなのねんきん主任講師シモムー

どんなニュース?簡単に言うと

2019年3月29日。厚労省は2019年(平成31年)度の年金額や保険料額に関する政令を発表しました。この政令でもって2019年度の年金額が確定します。今回は政令発表を受けて、厚生年金のもらえる年金額について取り上げます。

どんなニュース?もう少し詳しく!

2019年度の年金額を改める政令でました!

厚労省は1月に2019年度の年金額について既にプレスリリースを発表しています。

以前、当ブログでも「もらえる基礎年金編」「納める保険料編」について記事にまとめました。

決定版!2019年度の年金額はこれだ!もらえる基礎年金編

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決定版!2019年度の年金額はこれだ!納める保険料編

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ちょっとバタバタしてまして、もらえる厚生年金については取り上げていませんでした。

で、そうこうしているうちに2019年3月29日に2019年度の年金額を改める旨の政令が!

4月1日に施行されるのに、政令が出るのはその3日前。

ずいぶんギリギリなんですね。

シモムー
政令が出た以上もう書かなきゃ駄目だー

というわけで、今回はもらえる厚生年金についてまとめてみます。

0.1%増額は厚生年金も同じ

「もらえる基礎年金編」の記事でまとめたとおり、2019年度は0.1%の増額となります。

毎年度の年金額は2段階で決まります。

  • 第1ステップ(賃金と物価の動きによる改定):全員0.6%増
  • 第2ステップ(マクロ経済スライドによる改定):全員0.5%分減額

結果、0.1%増額ですが、これはもらえる厚生年金でも同じです。

ただ、厚生年金の場合は基礎年金のように満額が約78万円とバシッと決まっているわけではありません。

人によって納めてきた保険料が異なりますから簡単な話ではないんです。

しかし!がんばって簡単にまとめてみます!

2019年度の0.1%増えた厚生年金の報酬比例額

もらえる厚生年金の年金額は、現役時代に納めた「報酬」に連動することになります。

この連動した金額が「報酬比例額」で、もらえる厚生年金の本体部分の金額になります。

計算式の考え方はこんな感じ。

報酬比例額 = 現役時代の報酬 × 納めた月数

この計算式の0.5%くらいが実際に受け取れる年金額になります。

ところで、

「現役時代の報酬」といっても、時期によって異なりますから、「報酬」は厚生年金に加入した全体の期間の平均から計算する必要があります。

また、平均を取るといっても、時代によって貨幣の価値は異なるので、平均を出す前に価値を揃える必要があります。

この価値を揃える作業を「再評価」といいます。

当時の月額の報酬に再評価率を掛けて再評価することとなります。

で、この再評価率が毎年3月末の政令で書き換えられます。

書き換えられた際に今年度の年金額の増減を織り込んで数字を変えるということになるんです。

原則の考え方

例えば、これを見てください。

今回の政令で発表された2019年度の再評価率です(別表第一 一号からほんの一部を抜粋)。

  • 昭和5年4月1日以前生まれの人
  • 厚生年金に入っていたのが昭和33年3月以前の期間:13.958
  • 厚生年金に入っていたのが昭和33年4月〜昭和34年3月:13.658

2018年度の再評価率と比較してみましょう。

  • 厚生年金に入っていたのが昭和33年3月以前の期間:13.944
  • 厚生年金に入っていたのが昭和33年4月〜昭和34年3月:13.644

2019年度は0.1%増額ですから、

13.944 × 1.001 = 13.957944・・ ≒ 13.958

13.644 × 1.001 = 13.657644・・ ≒ 13.658

という具合に、生年月日別・期間別のテーブル表を全て書き換えるというわけです。

例外の計算式

ややこしいことに、報酬比例額の考え方はこれだけではありません。

上の原則の考え方と例外の計算式との比較で多い方をもらえるというルールになっています。

詳しいことは省きますが、この例外の計算式では従前額改定率という率を使います。

この従前額改定率も毎年度変わることになっていて、同じ政令で発表されます。

数字だけ紹介しておきますね。「2018年度 → 2019年度」です

  • 昭和13年4月1日以前生まれ:0.999 → 1.000
  • 昭和13年4月2日以後生まれ:0.997 → 0.998

(下に続きます)

2019年度の0.1%増えた厚生年金の加算額

もらえる厚生年金は本体部分である報酬比例額と加算額で構成されています。

老後にもらえる厚生年金の場合、加算額は2種類あります。

  • 計算上不利益にならないよう補填する加算:経過的加算
  • 家族がいるから加算:加給年金

これらの加算額も増額がされています。

経過的加算

経過的加算は2つの要素で計算しますが、そこで使われる数字が平成16年度の金額である「1,628円」と「780,900円」。

それぞれ以下の計算式で毎年度変わります。

  • 1,628円 × 改定率
  • 780,900円 × 改定率

「改定率」は「もらえる基礎年金編」のところで解説したとおり、固定的な金額を毎年度変えるための率です。

2019年度は

  • 1,628円 × 0.999 ≒ 1,626円
  • 780,900円 × 0.999 ≒ 780,100円

これでは増えたかどうかがわからないので、2018年度と比較してみると・・

  • 1,628円 × 0.998 ≒ 1,625円
  • 780,900円 × 0.998 ≒ 779,300円

2019年度は若干ですが増えていますね。

加給年金

加給年金は「もらえる基礎年金編」で説明したとおりです。

家族手当は基礎年金も厚生年金も考え方は同じ。

平成16年度の金額に上と同じ改定率を掛けます。

224,700円 × 0.999 = 224,475.3 ≒ 224,500円

2018年度はこうでした。

224,700円 × 0.998 = 224,250.6 ≒ 224,300円

以上、もらえる厚生年金の2019年度の金額でした。

今回のニュースまとめ

今回は2019年度の年金額について、厚生年金に関する金額がどのように変化するのかを見ました。

ポイントは次のとおり。

  • 基礎年金も厚生年金も年金額改定のルールは同じ
  • 報酬比例額は再評価率のテーブル表を毎年度書き換える
  • 報酬比例額は原則と例外の計算式を比較するが例外で使われる率は従前額改定率
  • 固定的な金額は基礎年金も厚生年金も改定率を改める

年金の勉強を始めた頃、毎年度の年金額を変える仕組みはいつまで経っても理解が不可能なテーマでした。

前年度より0.1%増えたということであれば、

779,300円 × 1.001 = 780,079.3 ≒ 780,100円

となるのかな?という理解だったんです。

平成16年の大改正時の金額をずっと変化させていくという発想にはなかなか至らなかったものです。

今回取り上げた報酬比例額における再評価に関しても最初は意味がわかりませんでした。

10年以上勉強し続けてようやく一端がわかってきたかなという印象。

これからも理解できたことはできるだけわかりやすく発信したいなと改めて感じています。

出典・参考にした情報源

  • 厚労省プレスリリース:

平成31年度の年金額改定についてお知らせします

  • 政令の内容:(2019年4月16日現在、昨年度のまま。今後更新されるはずです)

国民年金法による改定率の改定等に関する政令

  • インターネット版官報:

平成31年3月29日(特別号外第5号331ページ:「国民年金法による改定率の改定等に関する政令の一部改正」部分)

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シモムー

シモムー

日本年金機構の年金相談コールセンターにて新人研修講師を担当しながら社労士試験予備校にて講師を経験。2014年より公的年金の情報を初心者目線で解説する「みんなのねんきん」サイトで情報提供を続ける。年金を事例で学ぶ「年金ケーススタディ」で全問題の作問と解説を担当。具体例やイメージで理解できる情報提供を心がけている。

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