講師のシモムーが試験合格者にインタビューする企画。みんなのねんきんのサービス利用者を対象になぜ合格できたのかを対談形式でお届けします。2017年vol.1は前職での労災事故を機に社労士を志した岡田真樹さんにお越しいただきました。インタビューは2017年11月の発表直後。今回は前編です。
今の率直な感想
2年連続1点に泣いた
岡田 今年で受験4回目です。去年おととしと1点の壁にはじかれていたので、まずは一安心しました。
岡田 選択式です。
2年連続でボーダー上だったので、今年はボーダーより上をとにかく狙って、結果を出すことをテーマにやってきました。
やってきたことが実を結んで本当に良かったなと思っています。
岡田 はい。選択式も、択一式も7割取れたので今年は安心して結果を待てました。
ただ、発表当日は番号を見ただけでは不安でした。
官報のサイトを見たのですが、念のために他の人にもみてもらって一安心しました。
年金科目の結果を拝見
年金二法は択一で満点
岡田 試験直後、選択式の年金二法は3点以上は間違いないだろうと実感していました。
択一の年金二法満点は嬉しかったですね。
問題を解く順番ですが、得意科目を落としたくないので、頭が新鮮なうちに、国民年金からやり始めました。
次いで、厚生年金、健康保険、そして労働法を頭から。最後に一般常識という順番で解きました。
年金二法は得意科目なので、絶対に取りこぼしてはいけないという意識で最初にやるようにしています。
結果、満点を取れたのでシナリオどおりになりました。
岡田 得意というよりかは、絶対に取りこぼしたくないという意識なんです。だから最初に解きます。
逆に健康保険には苦手意識がありますね。
健保組合の要件とか、権限委譲のあたりはイメージをつかめなくて苦手です。
年金科目に対するイメージは?
問題の状況を読む力が大事
岡田 事例問題が多いイメージです。
健康保険も労働法もそういう流れになっていますよね。
昨年(平成28年)、一昨年(平成27年)は事例問題が多かったので、問題を読む力を意識するようにしています。
岡田 はい。問題の状況を読む力、何が書いてあるかを把握する読解力といったところでしょうか。
例えば、昨年の国民年金はいやらしくて、問題で問われていることがわからず、頭に入らない感じでした。
問題の状況が読めない(=把握できない)ので、違和感があるまま、もやもやした感じだったんです。
逆に、今年は一番最初に国民年金を解いて、(試験の流れに)乗っていくことができました。
問題の状況を把握する、読む力がついていたからだと思います。
岡田 悪いイメージはなかったです。勉強の成果が出たと思います。
なぜ試験を受けようと思った?
自身の労災事故を機に社労士を志す
岡田 自分の場合はケガが大きな転機になりました。
岡田さんは前職で親指以外の指を切断する大怪我を負い、障害年金を受給しています
製造業の場合はケガしてしまうと、仕事を続けられません。
マネージメントする立場でもあったので、現場を離れても仕事はありましたが、将来を見据えて自分の武器を身に着けたいと思うようになりました。
そんななか、たまたま社労士の資格を知って取ろうと思ったんです。
ケガをした時の障害年金の手続きは自分でやったのですが、一つ一つの書類は意味がわからずに書いたり用意していました。
社労士資格の勉強を始めたら、あと付けで自分がした手続きの意味がわかりました。
あとは、製造業の前職では、職場に年配の方が多かったので年金の相談を受けるようなことが多かったです。
また、マネージメントにあたり、労務管理に関して疑問に思うところがあったりして、労働法の知識も必要だなと思っていました。
そんなところが受験の理由です。
合格までどのような曲折があった?
職場の協力もあって勉強時間を確保
岡田 最初にも言ったとおり、4回受験しました。
前の職場では全然勉強が足りなくて、歯が立ちませんでした。
キズも痛んで、肉体労働なので疲れちゃって、なかなか時間もとれなかったです。
最後は1回目の受験の直前で時間確保のために辞めました。
その後、半年くらい失業期間があって、2回目の受験のときには再就職していました。
そうしたら2.6%の合格率(平成27年)(笑)
岡田 人事課に配属されていて、業務自体が勉強に関係する環境になっています。
労働新聞が回覧で回ってくるとか、労働法のセミナーとかに出席する機会があります。
時間管理とか安全衛生とかのセミナーですね。
あとは、勉強に関する知識のことが周りから聞こえてきますよね。
例えば、給与担当から随時改定の話が聞こえてきたりして、「いつまでだっけ?」と聞こえてくると、「速やかに」だったよなぁと。
岡田 前職より賃金は下がりましたけどね(笑)
あと、会社には社労士資格の勉強やっていると宣言しておいたのは良かったなと思っています。
周囲から、こういう情報があるよとか、教えてもらいます。
周りが協力的だったのは嬉しかったです。
岡田 はい。昼休みに勉強していたので、敢えて声を掛けられずにいましたし、飲み会の誘いも配慮してもらえました。
岡田 その点は、本当に助かりました。
前編まとめ
年金二法で満点を果たした岡田さん。
私も解いてみましたけど、満点は無理でした。
本当に立派です。
前半で印象に残ったのは以下の3つ。
- 2年連続1点に泣いても諦めずに続けた
- 事例問題に対処する力をつけた
- 周囲の協力で勉強に集中できた
岡田さんとは平成28年に不合格になった時から面識がありますが、昨年は本当に悔しそうでした。
その悔しさをバネにして、諦めずに続けたということが何より大事です。
また、「問題を読む力」というのも、なるほどと感心しました。
近年の社労士試験はどの科目も具体的な事例に対処する力が要求されています。
そういった能力を伸ばせたからこそ、結果を出せたのだと思います。
最後に周囲の協力があったとのことで、これは自分ではどうにもなりません。
運が良かったと言うのは簡単ですが、私はそうは思いません。
岡田さんの人柄の成せるわざだと思います。
さて、
後半では、具体的な勉強方法、今後の展望を伺います。お楽しみに。