何が出題されている?
出題形式:誤っているものを選択
障害基礎年金に関して、初診日や障害認定日、子の加算の知識が問われます。
一言でいえば、非常に基本的という感じ。
簡単なのでここで2点ゲットしておきたいテーマです。
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過去10回の正解となった知識
- 2024秋 初診日が60歳以上65歳未満にある障害でも対象とされるが国内居住が必要
- 2024春 配偶者がいても配偶者加給年金額は加算されない
- 2023秋 受給権取得後に子が出生しても子の加算がされる
- 2023春 保険料納付要件は20歳前の被保険者期間も含めて判定する
- 2022秋 事後重症による障害基礎年金の請求は65歳に達する日の前日までに行う
- 2022春 初診日が属する月の前々月までの納付状況をみる
- 2021秋 配偶者がいても配偶者加給年金額は加算されない
- 2021春 事後重症による障害基礎年金の請求は65歳に達する日の前日までに行う
- 2020秋 初診日が20歳前にある障害でも対象とされる
- 2020春(模擬) 初診日が属する月の前々月までの納付状況をみる
色分けをした論点が複数回正解になっています。
- 配偶者加給年金額は障害基礎年金には加算されない
- 受給権取得後に子が出生しても加算がされる
- 初診日が20歳前・60歳以上65歳未満にある障害でも対象とされる
- 事後重症による障害基礎年金の請求は65歳に達する日の前日までに行う
- 初診日が属する月の前々月までの納付状況をみる
特に、家族手当の加算に関するものは要注意。1と2は確実に肢として並んでいます。
まずは、この知識をしっかり理解します。
出題傾向から年金制度を考える
定番5つの論点を整理しましょう。
家族手当は子の加算のみ
まず、
障害基礎年金は子の加算しかありません。
配偶者の加算分はありません。
障害年金の家族手当は国民年金と厚生年金でその対象者の役割分担をしています。
次に、
年金はそもそも受け取り始めた後の家族手当の加算はありません。
老後の年金・死亡の年金も同様です。
権利が生じた当時の家族を対象にしています(胎児は生まれたあとに対象にする例外はありますが)。
つまり、年金は”権利が生じた当時の家族状況に対して保障をしよう”という考え方なんです。
ところが障害年金だけは権利が生じたあとの家族手当は加算するという例外的な扱いになっています。
若くして障害を負い、その後に家族ができた → しかし、権利が生じた後だからもう加算しない
というのは理不尽ですよね。
昔はこの考えを障害年金でも貫いていたのですが、だいぶ前に改正がされて今の形になりました。
ちなみに、出生したら翌月分から加算となります。
障害基礎年金の加算に関しては、”子と配偶者の役割分担”、”年金開始後の子でもOK”の2つを押さえます。
年金加入していない期間も対象?
年金に加入していないケースは2つの形で出題があります。
- 初診日が20歳前にある場合
- 初診日が60歳以上65歳未満にある場合
国の年金制度も保険制度であることに変わりはありません。
ですから、制度に加入していないなら対象にならないはずです。
厚生年金保険ではこのルールは徹底されていて、厚生年金の被保険者期間中に初診日がなければ障害厚生年金は受け取れません。
ところが、国民年金に関しては上の2つの場合でも対象になります。
また、2について、60歳以上65歳未満に初診日があっても日本国内に居住していることが必要です。
この点が2024秋で正解となりました。
事後重症はいつまでに請求するかに注意する
事後重症による障害年金は、
- 障害認定日に等級外
- 65歳に達する日の前日までに等級該当
- 65歳に達する日の前日までに請求
という流れで請求日に障害年金が生じるというものです。
2018秋、2021春、2022秋は2を満たしていれば、3は65歳過ぎていてもOKという出題でこれが誤り(正解)となっています。
等級該当はもちろん請求手続きまでを65歳までにやらないとダメということ。
いつ請求をするのか に注意するだけです。
保険料納付要件の引っ掛けに注意
障害年金をもらうためには保険料がきちんと納められている必要があるのは当然です。
そこで、いつの時点で”きちんと納めているか”が問題となります。
この点、初診日の前日において、初診日が属する月の前々月までの保険料の納付状況を見るのがルールです。
2020春(模擬)では、「前々月」の表記がなく、2022春は「前月」として正解となりました。
こんなところで引っ掛からないようにすべきです。
メモ
保険料の納期限は翌月末日。初診月からみて前々月の保険料は前月末の時点で納めているか未納かが判定できます。そこで、「前々月」としているわけです。
また、
保険料納付要件を考える際、20歳前の厚生年金に入っていた期間はどうなる?という出題が2023春、2024秋にありました。
保険料納付要件はこれまでの公的年金の加入全期間に対してどれだけ納付なり免除の期間があるか判定するもの。
とすれば、20歳前の期間を除外する理由がありません。
一方、
老齢基礎年金の年金額を考える際には20歳前・60歳以降の期間は除きます。
対比させて覚えます。
重要5論点以外の注意事項
年金額改定の請求は”1年”を「1年6カ月」にして正解を作る
障害基礎年金の「支給開始後に具合が悪くなった」、「1度年金額改定の請求をしたが認められなかった」という場合の再チャレンジ制度。
これは1年あいだを置くというのがルールです。
これは行政側の事務負担を考慮してのことです。
審査してから日も浅いのに、何度も何度も請求されたら事務の負担が大きくなってしまうからです。
平成26年の取り扱い変更で明らかに増進したなら1年以内でもOKという例外が認められました。
試験ではこの”1年”というのを「1年6カ月」と変えて正解を作ります。
1年6カ月は障害認定日のことですね。
これまで数字を変えるだけの出題しかありませんが、取り扱いが変わったことも頭に入れておきます。
今回はこれが答えになる!
新しい肢を登場させる傾向にありましたが、最近は出題が固まってきた印象。
まずは、これまでの傾向からこの5つはどれが正解になってもいいように準備しておきましょう。
- 配偶者加給年金額は障害基礎年金には加算されない
- 受給権取得後に子が出生しても加算がされる
- 初診日が20歳前・60歳以上65歳未満にある障害でも対象とされる
- 事後重症による障害基礎年金の請求は65歳に達する日の前日までに行う
- 初診日が属する月の前々月までの納付状況をみる
たとえ、この5つが正解にならなくとも、5つを消去することはできるはず。
下手に予想するより、この5つの知識を完璧にしておけば勝機は見えます。
シモムー
みんなのねんきん主任講師