年アド3級 年アド3級各問分析

年アド3級基本14 老齢基礎年金 正解となる重大論点5選

投稿日:2018年5月16日 更新日:


シモムー

みんなのねんきん主任講師

メモ

この記事は2019年秋向けのものです

何が出題されている?

出題形式:誤っているものを選択

老齢基礎年金の年金額について、繰下げの仕組みを含めて出題されるのが特徴です。

なぜか繰上げではなく、繰下げの方が出題されています。

老齢基礎年金の年金額の基礎となるかならないかの知識が中心的に問われます。

過去10回の正解となった知識

  • 2019春 納付+免除>480か月の場合に超えた全額免除期間は年金額に反映しない
  • 2018秋 20歳前60歳以後の厚生年金の期間は年金額に反映しない
  • 2018春 老齢基礎年金を繰下げ受給すると付加年金も増額する
  • 2017秋 保険料免除の承認を受けたが納付すべき保険料を滞納すると年金額に反映しない
  • 2017春 学生納付特例制度の適用を受けた期間は年金額に反映しない
  • 2016秋 20歳前60歳以後の厚生年金の期間は年金額に反映しない
  • 2016春 若年者納付猶予制度の適用を受けた期間は年金額に反映しない
  • 2015秋 遺族厚年受給者は老齢基礎の繰下げ不可
  • 2015春 20歳前60歳以後の厚生年金の期間は年金額に反映しない
  • 2014秋 保険料免除の承認を受けたが納付すべき保険料を滞納すると年金額に反映しない

傾向を分析してみると要は2つのテーマについて正解を作ることがわかります。

  1. 免除等の期間が年金額に反映するかしないか
  2. 繰下げの論点

他にも肢が並んでいますが、この2つが正解となる重要知識です。

出題傾向から年金制度を考える

2つの知識を順に解説していきます。

一部免除は残った一部を納めないと「未納」となる

まずは”免除期間”から。

注意すべきは1つ。

保険料免除の承認を受けたが納付すべき保険料を納付しないと未納となる

試験では

「4分の3免除の承認を受け」て、「納付しない場合、その期間の4分の1」の月数で年金額に反映する (→正解:反映しない)

と出題されます。

一部免除の承認を受けたからといって、残りの一部を納めなければただの未納期間

残った一部を納めて初めて保険料免除期間として認められます。

学生納付特例と納付猶予制度は全額免除期間の仲間だが年金に反映しない

次に学生特例と納付猶予制度。

学生納付特例制度は制度の分類上”保険料全額免除期間”になります。

ところが、老齢基礎年金の”年金額の計算”については全額免除期間と同じにしません。

このように、

  • 学生と納付猶予制度は保険料全額免除期間の仲間
  • 老齢基礎年金の年金額計算では1円にもならない
  • 年金額に反映させるためには追納するしかない

というところまで理解しておきましょう。

厚生年金の被保険者期間全てが保険料納付済となるわけではない

厚生年金に入った期間は老齢基礎年金の計算上、保険料納付済期間となります。

が、全ての期間が保険料納付済となるわけではありません。

厚生年金の期間中、20歳以上60歳未満の期間に限定して保険料納付済期間としています。

逆に言えば、20歳前と60歳以降は老齢基礎年金には反映しない。

これらは合算対象期間として年金計算上は除外してしまいます。

第1号、第3号は20歳以上60歳未満の中でしか保険料納付できないわけですから、厚生年金=第2号被保険者も同様にしているわけです。

この点、過去でもたびたび正解となる知識なのでしっかり理解します。

(下に続きます)

今後は危ないか?!納付期間と免除期間だけで40年超えると年金額はどうなる?

2018秋試験では保険料納付済期間と免除期間を合わせて480カ月(40年)を超えるとどうなるか?

という問題が登場。初めて目にする問題です。

(実は2級では近年よく見かける出題なんです。3級にも波及してきました)

そして、2018秋に続き2019春では出題どころか、この知識が正解となりました。

ここは引き続き出題が予想されるのでしっかり理解が必要です。

まず、何が問題になるのでしょう。

納付と免除の合計期間が480か月を超えた場合でも、通常通りに計算してしまうと満額を超えてしまうことが起きます。

これは、60歳以降で任意加入して保険料納付済期間が増える場合に起きます。

(60歳以降で免除期間が増えることなんか無いですね。任意加入で免除なんてないですから)

図解してみます。

納付済期間と免除期間が480カ月を超える場合の老齢基礎年金

(クリックで拡大)

そこで、480か月をはみ出した期間の免除期間については、国庫負担分を考慮しないで計算するというルールが登場します。

表で視覚的にまとめるとこんなです。

国庫負担分の年金額反映割合(8ブロック中4つ)自己負担部分の年金額反映割合(8ブロック中4つ)最終的な年金額反映割合
480月以内4分の1免除期間8分の7
半額免除期間8分の6
4分の3免除期間8分の5
全額免除期間8分の4
480月超4分の1免除期間8分の3
半額免除期間8分の2
4分の3免除期間8分の1
全額免除期間

480月以内であれば、国庫負担分(赤ブロック)がありますが、480月を超えると赤ブロックは消えます。

480月超の場合は8ブロック中の4ブロックを考慮せずに年金額に反映させるわけです。

480超の場合でも多少は年金額に反映する(青ブロック)のでその点が出題されたというのが2018秋の話。

ところが、1点気をつけないといけないのが全額免除期間

480か月を超えた全額免除期間は、国庫負担分を考慮しないと、全く年金額に反映しないという事態になります。

そもそも、全額免除期間は自分じゃ全く納めずに、国庫負担だけで年金をもらえるという期間。

それが無いとなれば年金額に反映しないのは当然です。

その点が、2019春では問われて正解になったという次第。

引き続き十分に注意が必要な論点です。

繰り下げで注意したい3つのポイント

繰下げで注意したい知識を3つのポイントでまとめてみましょう。

1 障害・遺族年金受給者は繰下げできない

65歳になったときに、障害年金や遺族年金がある。

”とりあえずこれで暮らしていけるから、老齢基礎年金は繰下げて増額させよう!”

誰しも考えそうなことですが、これはできない。

障害・遺族年金が無い人は繰下げ待機中は年金収入ゼロ。

公平でないからです。

「遺族厚生年金」で出る場合と「障害基礎年金」として出る場合がありますが、なぜか前者で正解を作ります。

2 70歳過ぎて繰下げ申出しても70歳まで遡及される

平成26年4月から改められた仕組み。

70歳過ぎて繰下げの申出をしても70歳時に申出があったとみなして権利を生じさせます。

以前は遡及されませんでした。

つまり、繰下げの申出月の翌月分から支給するという原則を70歳以降でも貫いていました。

(クリックで拡大)

すると、トラブルになります。

例えば年金がもらえるのをすっかり忘れていて、80歳で繰り下げ申出をしたとしても、翌月分からしかもらえない。

増額は70歳になった時に終わっているので42%増しで打ち止め。

”この10年は一体何だったんだぁ!”とトラブルになるわけです。

それが改められたのは良かった。

70歳到達月まで遡って42%増しの年金を受け取っていただけます。

(クリックで拡大)

(ただし、支払いの時効がありますので上の80歳の人の場合は75歳以降の分となりますが・・)

話を試験に戻します。

これまで、この知識は出題自体はされていますが、正解にする気配はありません。

2017春以降出題自体がなくなりました。

今後もこの肢は仮に出題されても”正解にならない”可能性の方が高そうです。

3 付加年金は本体の老齢基礎年金の影響を受ける

シモムー
これも正解にはならない知識なので参考までに。

以前はこう解説していたのですが、2018春に史上初?の正解となりました。

繰下げの申出をした場合に、付加年金はどうなるか?

一緒に増額の影響を受けます。

この点、

振替加算は影響を受けません。

振替加算対象者は待っていてもその期間は加算額をドブに捨てるようなものです。

今回はこれが答えになる!

最近の出題内容は結局のところこうです。

  • 年金額に反映するか否か?が4つ
  • 繰下げできる?繰下げすると?が1つ

という構成。その中でも最近出題が多い厳選した以下の5つは非常に大事。

  1. 一部免除は残った一部を納めて初めて免除期間
  2. 学生と納付猶予を年金額に反映させるためには追納せよ
  3. 厚生年金の期間では20歳以上60歳未満の期間に限定して保険料納付済
  4. 納付+免除>480なら480をはみ出した免除期間に国庫負担なし
  5. 繰下げで付加年金も増額する

以上を叩き込みます。

とくに「4」の480超は危ない気が。

はみ出した全額免除期間は年金額に反映しないことはもちろん、はみ出した場合の年金額への反映割合も注意しておいた方が良いでしょう。

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年金アドバイザー3級試験に初受験から2018年秋まで13回連続90点以上で合格中。満点は3回。個人賞は5回受賞。試験に対する考え方・勉強方法について絶対の自信を持っている。

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