【2025春最新版】年アド3級 社会保障協定・脱退一時金 定着してきたミックス問題|みんなのねんきん

2019年4月30日

シモムー

みんなのねんきん主任講師

何が出題されている?

出題形式:誤っているものを選択

しばらく出題がなかったのですが、2021秋から社会保障協定と脱退一時金が合体したミックス問題となりました!

それから連続で出題がされているので今後もこの形で続くと思われます。

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過去15回の正解となった知識

  • 2024秋 協定が発効している国は30カ国より少ない
  • 2024春 年金制度以外の制度について協定を締結している国がある
  • 2023秋 老齢基礎年金の受給資格を満たせば脱退一時金は支給されない
  • 2023春 社会保障協定の内容は国ごとに異なっている
  • 2022秋 相手国の年金制度に加入しながら国民年金の任意加入被保険者になれる
  • 2022春 脱退一時金の支給上限月数は60ヶ月
  • 2021秋 厚生年金の脱退一時金の額は平均標準報酬額に支給率を乗じて得た額
  • 2021春 出題なし
  • 2020秋 出題なし
  • 2020春(模擬)出題なし
  • 2019秋 出題なし
  • 2019春 出題なし
  • 2018秋 出題なし
  • 2018春 出題なし
  • 2017秋 相手国の年金制度に加入しながら国民年金の任意加入被保険者になれる

出題がないこともあるので過去15回まで遡って分析します。

もう出すつもりないのか?とも思っていたのです2021秋からは定番の問題と化しています。

問われる内容は難しくはないので、外国関係の問題ということで1問得点したいテーマです。

出題傾向から年金制度を考える

社会保障協定について

過去のよく正解となる知識を整理すると、だいたい以下の3つのことで正解になっていました。

  1. 相手国の年金制度に加入しても国民年金の任意加入被保険者になれるか
  2. 全ての協定国との間で年金制度の加入期間を通算できるか
  3. 協定を締結している国は何カ国

最近は見たことが無い肢が並んでいることもありますが、最低限これらの知識を押さえることは必要です。

相手国の年金制度に加入しているのに国民年金の任意加入被保険者になれるか

この協定を結ぶと原則として相手国の社会保障制度に加入し、自国の制度には加入しません。

それは二重加入を防止するためです。

海外に進出する企業にとっては二重に社会保険料を負担することは避けたいところ。

そこで、国と国との約束でどちらか片方だけを負担するよう調整しようというものです。

経済界の要請で協定を進めている側面があります。

仮に日本人が相手国の制度に加入すると、国民年金の資格を喪失するので老齢基礎年金が満額になりません。

そこで任意で加入して満額に近づけることができるわけです。

結論、相手国の年金制度に加入しながら日本の国民年金の任意加入は可能です。

社会保障を受ける国を選べないか?

二重加入を防止するという意味の社会保障協定ですから、どちらかの国の社会保障制度のみに加入することになります。

ただし自分で選択することはできません。

原則は相手国の社会保障制度に加入し、自国の社会保障制度の資格は喪失します。

ただ、例外的に5年を超えない見込みで相手国で働く場合は、そのまま自国の社会保障制度に加入し続け、相手国の社会保障制度への加入は免除されることになります。

この点で、2021秋、2022春、2022秋、2023秋、2024春、2024秋に出題がありました。

全ての協定国との間で年金制度の加入期間を通算できるか

イギリス韓国中国イタリア通算できません

これらの国は相手国のなんらかの事情があって加入期間を通算させない内容になっています。

日本から見ると、通算されなくてもこれらの国での加入期間は、在外邦人という理由で合算対象期間になりますから、日本の年金をもらう上では特段不利益にはならないでしょう。

このことからわかるとおり、社会保障協定はどの国でも協定内容が同じというわけではありません。

また、”社会保障”とあるとおり、年金に限定した話ではありません。

アメリカやベルギーとの間には医療保険についても協定を締結しています。

イタリアとは雇用保険についても協定を締結しています。

この点2023春、2023秋、2024春に出題がありました。

協定が発効している国は何カ国か

2024年11月1日現在、協定を締結(発効)している国は23ヵ国です。

かつてはよく出題されていたのですが、ここ最近は消えています。がしかし、いつ復活するかもわからないので数字は押さえておくべきです。

案の定、2024秋に久しぶりに正解となりました。

30カ国より多い

典型的な出題のされかたです。

厚生労働省のサイトに情報が出ているので確認しておいてください。

海外で働かれている皆様へ(社会保障協定)|厚生労働省
海外で働かれている皆様へ(社会保障協定)

www.mhlw.go.jp

年金機構の社会保障協定サイトも参考になります。横断的に国ごとに整理されています。

協定を結んでいる国との協定発効時期および対象となる社会保障制度|日本年金機構
協定を結んでいる国との協定発効時期および対象となる社会保障制度

続きを見る

また、社会保障協定といっても、「発効」までには多くの時間がかかり、署名しただけではスタートしません。

国と国との約束である「条約」の発効までの流れは教養として知っておくと良いでしょう。

以前、協定締結から発効までの経緯をコラムでまとめたことがあるので参考にしてください。

え?そうだったの!社会保障協定で誤解していた話|みんなのねんきん

どんな事例?簡単に言うと・・ 自国の会社に在籍したまま海外で仕事をする時、互いの国の社会保障のルールを調整するのが社会保障協定。国と国とのルールなので「条約」を結びます。この条約に関する用語"署名”” ...

続きを見る

これまでの出題のされ方としては、

10カ国以上

であるとか

20カ国以上

とか

25ヵ国より少ない

という形です。

ここは単に数字を覚えておけばいいでしょう。

外国人の脱退一時金について

このテーマは「海外」という括りで出題したいのでしょうか。

2021秋に史上初の短期在留外国人のための脱退一時金の出題がありました。

以降、連続で出題が続いています。

アンダーラインを引いた箇所が出題実績がある箇所です。

受け取るには

被保険者期間が6ヶ月以上あること

一つでも該当すると受け取れない

  • 日本国籍がある
  • 国民年金の被保険者である
  • 老齢年金の受給資格(120ヶ月以上)を満たしている
  • 日本国内に住所がある
  • 障害年金等の受給権を有したことがある
  • 最後に国民年金の被保険者資格を喪失した日(この日に国内に住所があるなら、住所がなくなった日)から起算して2年経過した

いくら受け取れるか

国民年金の場合は、被保険者期間に応じて定額です。

厚生年金の場合は、以下の計算式で計算します。

平均標準報酬額 × 支給率

平均標準報酬額:総報酬制前の標準報酬月額は1.3倍して平均額を計算する

支給率:前年10月の保険料率 × 1/2 × 被保険者期間に応じた政令で定める数(最大60

2022春は60を改正前の36として正解となりました。

今回はこれが答えになる!

基本知識問題の最終問題は海外関連ということでこのテーマが定着してきました。

まずは社会保障協定の頻出論点を押さえます。

  • 相手国の年金制度に加入しても国民年金の任意加入被保険者なれる
  • 原則として相手国の社会保障制度に加入するも、5年以内の一時的なら自国の社会保障制度に入ったまま
  • イギリス・韓国・中国・イタリアとの間では加入期間を通算できない
  • 2024年11月現在、協定が発効している国は23ヵ国

つぎに、脱退一時金ですが、特に数字を押さえておきます

  • 6ヶ月以上の加入で受け取れる
  • 老齢年金の受給資格を満たせば受け取れない
  • 出国して2年経つと受け取れない
  • 最大5年(60ヶ月分)分を計算する

いつも同じような出題なのでこれらの知識を押さえておけば2点取れます。



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年金アドバイザー3級試験に初受験から2023年春まで24回連続86点以上で合格中。満点は5回。優秀賞は11回受賞。試験に対する考え方・勉強方法について絶対の自信を持っている。

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