何が出題されている?
出題形式:誤っているものを選択
年金制度の歴史の中でのターニングポイントが問われます。
最近は忘れた頃に出題されるという傾向です。
出題があろうと無かろうと、問われることは年金を勉強する者なら当たり前のこと。
ですので、いつ出題されてもいいように準備しておきます。
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出題傾向から年金制度を考える
過去19回の正解になった知識
試験回 | 何があった? | 誤り | 正しくは |
2024秋 | 「学生の国民年金への強制加入の実施」 | 平成元年 | 平成3年 |
2024春 | 出題なし | ||
2023秋 | 出題なし | ||
2023春 | 「基礎年金番号制度の実施」 | 平成元年 | 平成9年 |
2022秋 | 出題なし | ||
2022春 | 出題なし | ||
2021秋 | 「第3号被保険者期間にかかる離婚時の厚生年金分割制度の実施」 | 平成19年 | 平成20年 |
2021春 | 出題なし | ||
2020秋 | 出題なし | ||
2020春(模擬) | 出題なし | ||
2019秋 | 出題なし | ||
2019春 | 出題なし | ||
2018秋 | 「被用者年金制度の一元化の実施」 | 平成28年 | 平成27年 |
2018春 | 「拠出制国民年金の実施」 | 昭和61年 | 昭和36年 |
2017秋 | 出題なし | ||
2017春 | 出題なし | ||
2016秋 | 「基礎年金番号制度の実施」 | 平成元年 | 平成9年 |
2016春 | 「厚生年金保険等の総報酬制の実施」 | 平成17年 | 平成15年 |
2015秋 | 「離婚時の厚生年金分割制度の実施」 | 平成21年 | 平成19年 |
出題がないので過去20回まで遡って分析します。
中身としては、出題があると、毎回いろいろなことが正解に。
バラけてますよね。
とはいえ、恐れる必要はありません。
定番の肢は毎回並んでいて、それらを消去していって正解になる可能性も高い。
下の表をご覧ください。
正解に関係なくよく登場する定番5つ
過去の登場回数 | 何があった? | その年は? |
10 | 「拠出制国民年金の実施」 | 昭和36年 |
8 | 「基礎年金番号制度の実施」 | 平成9年 |
8 | 「全国民共通の基礎年金制度の実施」 | 昭和61年 |
7 | 「厚生年金保険等の総報酬制の実施」 | 平成15年 |
5 | 「離婚時の厚生年金分割制度の実施」 「第3号被保険者期間にかかる離婚時の厚生年金分割制度の実施」 |
平成19年 平成20年 |
表を見てわかるとおり、正誤に関係なく、毎度同じ肢が出題され続けていることがわかります。
ですので、これらの常連知識は確実に頭にいれておかないといけません。
それでは、重要なものを列挙していきましょう。
定番5つと最近の改正を整理
定番1 「拠出制国民年金の実施」
昭和36年から。
保険料を納めて将来に備える仕組みが拠出制。
反対に、保険料を納めなくても給付を受けられる仕組みが”無拠出制”。昭和34年から先行して始まりました。
無拠出制の時期は出題されないので、拠出制の昭和36年だけ覚えます。
定番2 「全国民共通の基礎年金制度の実施」
昭和61年から。
国民年金、厚生年金、共済年金は別々の年金制度でしたが、ベーシックとなる基礎部分を共通化し、全員が”基礎年金”をもらえることになりました。
これが基礎年金制度。
定番3の「基礎年金番号制度の実施」とは混同しやすいので気をつけます。
定番3 「基礎年金番号制度の実施」
平成9年から。
各個人の年金記録を管理するために、基礎年金番号の仕組みが始まったのがこのタイミング。
年金手帳(基礎年金番号通知書)に載っている ○○○○ー○○○○○○ 4桁+6桁の数字です。
上の「全国民共通の基礎年金制度の実施」から10年以上経ってから、国民年金、厚生年金、共済年金制度共通の番号が導入されました。
同じく”基礎年金”と言葉が入っているので間違いやすいと思われます。意識して区別します。
定番4 「厚生年金保険等の総報酬制の実施」
平成15年から。
ボーナスも含めた 総報酬 から保険料を徴収し、給付を行う制度です。
平成15年の3月までは、毎月の報酬額のみが給付額に反映するという仕組みでした。
厚生年金保険”等”となっていますが、医療保険である健康保険も同様に総報酬制となっています。
定番5 離婚分割
「離婚時の厚生年金分割制度の実施」平成19年
「第3号被保険者期間にかかる離婚時の厚生年金分割制度の実施」平成20年
合意によって分割する仕組みが平成19年から先行して始まり、翌年から第3号被保険者期間に対応した厚生年金記録を強制的に分割する仕組みが始まりました。
この2つはセットで覚えておくべきです。
このテーマではないのですが、2024秋は基本知識問題最後の問題で穴埋めでこの平成20年が問われました。
年アド試験は離婚分割が好きなようなのでしっかり押さえます。
2020(令和2)年までの最近の改正
2020年の大型改正以外の最近の改正を簡単に並べておきます。
押さえるところは施行のタイミングです。
- 平成27年 被用者年金一元化
- 平成28年 パートタイマーの社会保険加入条件の緩和
- 平成29年 受給資格期間の10年への短縮化
- 平成30年 マクロ経済スライドの繰越(キャリーオーバー)制
- 平成31年 国民年金の産前産後保険料免除
- 令和2年 国民年金第3号の国内居住要件の追加
この中で複数の出題実績があるのは 被用者年金一元化 くらい。
どれが出そうかも予想できないので、ざっと目を通しておくくらいでいいでしょう。
定番の5つの肢で正誤を判定できることのほうが大事です。
今回はこれが答えになる!
そもそも出題されるかどうかが問題になるこのテーマ。
近年は出題されない確率の方が高いですが、出題されれば得点源になります。
ただ、最初にも書きましたが、年金を理解する上で、その歴史の流れを知っておくことは基本中の基本。
最低でも上の頻度の高い知識はしっかり押さえておきましょう。
シモムー
みんなのねんきん主任講師