何が出題されている?
出題形式:誤っているものを選択
国民年金の保険料免除に特化して出題されます。
- 免除申請していつまで遡ってくれるか
- 誰が所得審査の対象になるか
- 学生納付特例(通称、”学特”)と申請免除の関係は
- 産前産後保険料免除
というような定番の知識が出題されます。
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過去10回の正解となった知識
- 2023春 多胎妊娠の産前産後免除期間は出産日の属する月の3ヶ月前から6ヶ月間
- 2022秋 本人・世帯主・配偶者それぞれに対して所得審査をする
- 2022春 遺族基礎年金受給者は法定免除に該当しない
- 2021秋 学生納付特例制度では本人のみが審査対象となる
- 2021春 生活扶助を受けている者は、法定免除者に該当する
- 2020秋 出産日の属する月の前月から納付が免除される
- 2020春(模擬)納付猶予制度では本人と配偶者が審査対象となる
- 2019秋 過去2年まで遡って免除申請できる
- 2019春 遺族基礎年金受給者は法定免除に該当しない
- 2018秋 納付猶予制度では本人と配偶者が審査対象となる
傾向としては、誰が所得審査の対象になるか が割と多く正解になっています。
最近は産前産後保険料免除も正解が目につくようになりました。
出題傾向から年金制度を考える
ここはよく正解になる鉄板4つを押さえることです。
- 免除申請していつまで遡ってくれるか
- 誰が所得審査の対象になるか
- 学生納付特例と申請免除の関係は
- 産前産後保険料免除制度
鉄板1 免除申請はその年度の7月までしか遡れなかった
免除申請は以前は7月までしか遡れませんでした。
例えば、2年間ずっと滞納していて、10月に申請をしてもその年の7月までしか遡れず。
つまり、6月以前は免除を受けられず、未納になるしかなかったわけです(2年内なら納付もできますが)。
この仕組みだと、客観的に保険料の負担能力が無いと証明できる期間も未納になってしまう。
そこで、平成26年4月からの改正で2年1カ月分まで遡ることができるようになりました。
出題はこのままの形で”正しい”となることもありますし、数字を変えて出題して”誤り”となることもあります。
2022秋は「保険料納付済の月」は免除申請できないという出題がありました。
もちろん既に納付されているなら改めて免除にするなんてできません。
鉄板2 誰の所得審査をするのか
国民年金の保険料の納付義務者は最大で3人です。
本人・配偶者・世帯主
この3人の所得がそれぞれ基準以下であるかどうかが審査されます。
そして、
学生特例と納付猶予制度は免除が認められずに未納になってしまう不都合を回避するために作られた特別な制度。
例えば、
学生本人に所得が無いのに、同居の親(世帯主)に所得があるという理由で免除が却下になり、滞納につながります。
ですので、これら2つの制度は審査基準を緩くしているわけです。
表でまとめました。○がついていると審査の対象になるということです。
本人 | 配偶者 | 世帯主 | |
申請免除 | ◯ | ◯ | ◯ |
50歳未満納付猶予 | ◯ | ◯ | |
学生納付特例 | ◯ |
2018秋、2020春(模擬)は50歳未満の納付猶予制度で
本人および世帯主の所得
として正解となりました。
本人と”配偶者”を審査します。
2021秋は
本人、配偶者および世帯主
として正解に。
審査しすぎです。
学生納付特例制度は本人のみの所得審査です。
2019春、2020秋、2021春、2023春も正解にはなりませんでしたが、肢の一つとして並んでいます。
必ず誰の所得が審査されるのかを覚えなければいけません。
2022秋は3人を合算して審査するという出題がありました。
違います。
1人1人基準に合うのか審査するという仕組みです。
鉄板3 学生は申請免除の利用はできない
学生納付特例が利用できる場合は、申請免除の利用はできません。
特例のハードルを特別に低くして簡単に利用できるようにしているからです。
本人だけの所得審査しかありませんから。
特別に優遇された措置を受けられるので、代わりに申請免除の利用はできないことになっています。
そもそも、
この制度は平成3年4月から平成12年3月までの”学生免除制度”の不都合を改めたものです。
この学生免除制度。
要は全額免除と同じで3分の1が国庫負担で年金額に反映するというものでした。
ただし、
所得の審査が世帯主にもあったので、
親の所得が多いから却下 → 未納 → 障害年金不可
という問題が生じていました。
同じ問題が生じてしまうので、通常の申請免除制度は利用できないのです。
2022春は久しぶりにこの肢が復活。
しばらく消えていたのです。
代わりに登場していた引掛けとして、2021秋、2022秋には
50歳未満の保険料納付猶予制度の対象(略)者でも、保険料半額免除の申請をすることができる
答えは 正しい です。
納付猶予制度対象者は申請免除を利用できない なんてことは条文上どこにも書いてないからです。
さて、
鉄板だったこの論点ですが、最近は見なくなってしまいました。
傾向が変わりつつあります。
鉄板4 産前産後免除制度も必ず出る!
2019年4月から施行された産前産後免除制度。
出題が続いています。
2020秋はついに正解の肢となりました。
数字が絡んでいるので問題も作りやすいですし。
押さえておくべき知識は以下のとおり。
- 出産予定日・出産日の属する月の前月から4カ月間が免除される
- 多胎妊娠の場合は出産予定日・出産日の属する月の3カ月前からの6カ月間が免除される
- 届出は出産予定日の6カ月前から市区町村長に行うことができる
このくらいでしょうか。
2019秋、2020春(模擬)、2021春、2022春、2022秋は”1”が出題されましたが正解にはなりませんでした。
2020秋は「前月」ではなく、当月から免除ということで誤り。
2021秋は”2”の多胎妊娠の場合が出題。2023春はようやく多胎妊娠で正解に。
いつから4カ月間、6カ月間かをしっかり押さえます。
詳しいことは、以前コラムでまとめたことがあるので参考にしてください。
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番外 最近よく見る法定免除の知識
最近は法定免除の知識が並んでいることが多いのでまとめておきましょう。
法定免除は、法律で定められた状態の人は所得を審査することなく、届出することで免除を受けられるというもの。
これまで見たことがある肢は、
- 遺族基礎年金受給者が法定免除に該当するか
- 障害基礎年金受給者が法定免除に該当するか
- 生活保護法による生活扶助を受けている者は法定免除に該当するか
の3つ。
年金受給者で法定免除に該当するのは”障害基礎年金”受給者だけです。
生活保護法による扶助は様々ありますが、その中でも「生活扶助」を受けていなければ法定免除とはなりません。
生活保護関連の知識で正解になったことはなかったのですが、2021春では「申請免除者」になるとのことで正解になりました。
生活扶助”以外”の扶助の場合は申請免除を利用できますが、生活扶助の場合は法定免除。
細かいところですが、区別して押さえます。
今回はこれが答えになる!
最近は敢えて、過去正解になっていない知識から無理やり出題するような傾向が見られます。
加えて産前産後免除期間も平成31年から毎回必ず登場。
予想は難しい状況です。
ただ、上に取り上げた4つの鉄板知識は仮に正解にならないまでもほぼ確実に選択肢の1つとして並んでいます。
- 免除申請していつまで遡ってくれるか → 2年1か月
- 誰が所得審査の対象になるか → 本人・配偶者・世帯主 全員か?一部か?
- 学生納付特例と申請免除の関係は → 学特使えるなら申請免除使用不可
- 産前産後保険料免除 → 前月から4カ月間、多胎なら+2ヶ月前
これらの知識から消去していけば正解にたどり着けます。
どれが正解になるか予想するよりも、4つの鉄板知識を押さえる方向でいきましょう。
シモムー
みんなのねんきん主任講師