何が出題されている?
出題形式:物価変動による改定の対象とならないものを選択
2022秋に初登場。
私の20回の受験経験で、制度改正以外の新作問題は初めてじゃないかと思います。
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過去1回の正解となった知識
- 2022秋 死亡一時金の額
- これ以前は出題なし
物価等の変動による影響を受けない年金額はどれ?
という問題です。
今回は死亡一時金が正解となりましたが、他にもいくつか影響を受けない年金額があるので、その辺りも紹介しながら2022秋の各肢を分析してみます。
出題傾向から年金制度を考える
2022秋の各肢を検証する
物価等の変動の影響を受けるもの
寡婦年金
寡婦年金は亡くなった夫の納付記録から老齢基礎年金の計算をしてその4分の3。
老齢基礎年金が毎年度物価等の変動を受けるので、この寡婦年金も影響を受けます。
振替加算
振替加算の基準となる金額は加給年金額。
この額に生年月日に応じた給付率を乗じて加算額が算出されます。
とすれば、加給年金額は毎年度物価等の変動を受けるので、この振替加算も影響を受けます。
老齢厚生年金の定額部分の単価
定額部分の単価は、平成16年価格1,628円に改定率を掛けて算出します。
改定率は毎年度物価等の変動で変化するので、定額部分の単価は毎年度物価等の影響を受けます。
障害年金生活者支援給付金の給付基準額
年金生活者支援給付金の給付基準額は5,000円を基準に物価変動の影響を受けて毎年度変わります。
障害給付金に拘わらず、老齢も遺族も物価変動の影響を受けます。
物価等の変動の影響を受けないもの
死亡一時金
死亡一時金は物価等の変動の影響を受けません。
条文の中に表があって、その金額を支給するという形であり、毎年度変化するものではありません。
他にもある物価等の変動の影響を受けないもの
国民年金
付加年金
付加年金は”200円”に付加保険料を納付した月数を乗じて算出します。
この200円は毎年度変化するものではありません。
厚生年金
脱退一時金
短期在留の外国人に支給される脱退一時金は平均標準報酬額に支給率を乗じて算出します。
この”平均標準報酬額”は再評価率を乗じません。
再評価率は毎年度、物価等の変動を反映させます。
とすれば、脱退一時金は物価等の変動の影響を受けない給付と言えます。
逆に、国民年金の脱退一時金は毎年度変化する国民年金の保険料額を基準にして算出するので、物価等の変動の影響を受けます。
今回はこれが答えになる!
1回しか出題が無いので、とにかく様子を見るしか方法がありません。
個人的には答えになるものがかなり限定されているので、同じ形での出題は続かないのではないかと考えています。
シモムー
みんなのねんきん主任講師