どんなニュース?簡単に言うと・・
過去に滞納していた未払い分の国民年金保険料を払えるのが「後納」制度。どんな仕組みでどんなメリットがあるのか。2015年9月で終了する後納制度の仕組みを解説してみます。
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どんなニュース?もう少し詳しく!
新聞の片隅に小さい広告が載っていました。
(画像の出典:日本経済新聞 2015年9月)
「そういえば、今月までだったか・・。」
と思って今回取り上げるのが「後納保険料」です。
保険料納付の原則ルールと後納
この後納保険料は文字通り後から納められる保険料。
そもそも国民年金の保険料の支払い期限の時効は2年と決まっています。
時効というのは政府が保険料を取り立てる権利が2年までということです。
ということは、2年より前の保険料を納めることはできません。
仮に間違って納めてしまっても返金(還付:かんぷ)されてしまいます。
この、時効になってしまった2年より前の保険料を例外的に納めることができるのが「後納保険料」です。
後納するメリットってなに?
まずはこの「後納」制度を使うと何がメリットなのかというと
65歳からもらえる国民年金の老後の年金、「老齢基礎年金」が増額します。
今、保険料を納める余裕があるなら払うべき。
1カ月分納めれば年額で約1600円増額します。
厚生年金は?
それは増えません。
厚生年金の保険料は会社を通じて納める仕組み。
なので個人的に納めるってことはありません。
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後納する上での注意点3つ
注意したい点を3つ。
- 納めることができるのは遡っても10年までに限定されています。大昔の滞納は納められません。
- 老齢基礎年金の権利が生じている場合は納められません。
- 手続きが必要です。
2については繰上げや繰下げで待っている場合も使えません。
65歳より前に早めにもらうのが「繰上げ」。
65歳過ぎてもすぐにもらわずに我慢するのが「繰下げ」。
これらの人たちも老齢基礎年金の権利が生じているからです。
3については特別な手続きが必要。
ですので、タンスの後ろから出てきた昔の納付書をそのまま銀行に持っていてもダメ。
専用のものが必要です。
後納制度は期間限定である
この「後納保険料」は2012(平成24)年の10月から3年限定のものです。期限が近いので広告を打ったようですね。
実はこの時効になった保険料を例外的に納められる仕組みは昔にも期間限定であったんです。
- 昭和45年7月から47年6月まで
- 昭和49年1月から50年12月まで
- 昭和53年7月から55年6月まで
とすれば、久しぶりの特例納付制度だったわけです。
今も昔も時効分をなんとか救済しようって制度があったんですねぇ。
話は変わって、それにしても広告の文言をもっと変えたほうがいいんじゃないかと思いますけどね。
「年金」というキーワードに敏感な私でさえも、全然目立たなかったので最初スルーしてしまいましたから。
今回のニュースまとめ
今回は2015年9月で終了する期間限定の後納制度について解説しました。
ポイントは以下のとおり。
- 保険料は過去2年までしか納められないのが原則。例外的な救済措置が後納制度
- 老齢基礎年金が増額するので今払えるなら払うべし
- 10年まで遡り、老齢基礎年金の権利があればNG、要手続き、2015年9月までの期間限定
実は2015年10月から新しい後納制度が続けて始まるんです。
「なんだ、急ぐ必要ないじゃないか!」
いや、そんなことありません。
新しい制度は5年までしか遡れないので。
今から8年前のを納めたい!
それなら今月限りです。
出典・参考にした情報源
政府広報
シモムー
みんなのねんきん主任講師