年金ニュース

年金月額5万円 君は生き延びることができるか 国民年金編

投稿日:2017年5月9日 更新日:

出典が公開された日:2017年3月

どんなニュース?簡単に言うと

新聞を読んでいたら遭遇した「平均年金月額5万円」の記事。気になったので参照されていた厚生労働省の統計データに当たってみたんです。すると驚愕の事実が・・。今回は国民年金制度の実態を加入者の状況や平均月額とともにご紹介します。

スポンサーリンク

どんなニュース?もう少し詳しく!

2017年4月27日の日本経済新聞に「国民年金5万円の衝撃 データで検証 」という記事がありました。

老後に国民年金制度から受け取る平均年金月額が月額5万円しかないというもの。

満額は月額約6万5000円ですから1万5000円も足りません。

この記事は厚生労働省発表の統計データをもとにした記事でした。

記事を読みながら様々な疑問が生じました。

”厚生年金の方はどうなっているのかな?”

”繰上げしたり繰下げすると平均はいくらかな?”

”地域別に違いがあるのかな”

などなど。

そこで、

今回は記事の元データである、厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」の最新データを2回に分けて分析してみることにしました。

老後の年金額以外にも結構面白いデータが載っていましたよ。

参考にした統計は平成29年3月に厚生労働省年金局から発表された「平成27年度末現在」のもの。

今回は国民年金制度に関するものを見ていきます。

早速いきましょう!

自営業者や専業主婦は年々減っている?

年金額の前にまずは現役世代のデータから。

加入者が何人いるのか、っていうデータを見ていきます。

国民年金制度はその立場で3種類の分類がされています。

第2号 = 会社勤めの人(サラリーマン)

第3号 = 第2号に扶養されている配偶者(専業主婦)

第1号 = 2・3号以外(自営業者・無職者)

下の表はこれらのメンバーのうち、第1号と第3号の数を表したもの。

第2号は厚生年金に入っているメンバーなので次回見ていきます。

任意加入者を含めた第1号被保険者全体は約1670万人。

数自体は年々減っているようです。

これは景気が良くなって、第2号になる人が増えたからでしょう。

任意加入は強制じゃないんだけど自分の意思で入っている方々。

海外に住んでいるとか、強制期間が終わった60歳以降の方々です。

第1号全体の1%程度しかいないんですね。

第3号被保険者はそのほとんどが女性。

第3号全体の1%の男性はその数11万人で横ばっています。

第1号被保険者の35%は保険料を1円も納めていない

次に保険料の免除に関するデータを見ていきましょう。

第1号被保険者に限っては所得が無い場合に保険料が免除される仕組みがあります。

その仕組みを利用して1円も納めていない人は第1号全体の35%にものぼります。

一部だけを免除される仕組みもありますが、利用者は全体の3%

免除の使われ方に偏りがあることがわかります。

では残りの人たちは全員が保険料を納めているかというとそうではありません。

免除の手続きすらせずに未納になっている人たちも残りの人たちに入っています。

免除の人と未納の人を含めれば第1号被保険者の半分くらいが保険料を全額納めていないと言えそうです。

意外な年齢構成の第3号被保険者

第3号被保険者の年齢構成を見てください。

女性の第3号被保険者は子育て世代の40歳代が一番多いというのは理解できます。

逆に男性は年配になるほど多いというのが意外な事実・・。

これは想像がつかない。一体どういう事情があるんでしょうか・・。

月額5万円は障害・遺族年金よりも低い

では、国民年金の年金額の平均月額を見てみましょう。

この金額は現行制度と旧制度が混ざっています。

カッコの中は厚生年金からの老後の年金は受け取っていない人たちの平均月額。

老齢年金で言えば、サラリーマン経験がなく純粋に国民年金からしか年金をもらっていない人たちの平均値です。

月額5万円というのは、障害や遺族年金よりも低い金額なんですね。

つまり、サラリーマン経験が無い人は月額5万円しか老後の生活費が無い。

定年の無い自営業者なら本業の収入が他にあるでしょうから5万円でもなんとかなるでしょう。

本来、第1号被保険者で想定している人たちはこのような自営業者です。

一方、

非正規雇用で社会保険に入れず、やむなく第1号になっている人たちは、非常に厳しい老後が待っていると言わざるを得ません。

大きな問題です。

(下に続きます)

スポンサーリンク

繰上げと繰下げの平均月額の差は3万円!

繰上げや繰下げの状況をみてみましょう。

下の表は旧制度の年金は除いた現行制度の老後の年金の状況です。

現行制度では「老齢基礎年金」という名前の老後の年金を受け取ります。

ちなみに現行制度の対象者は大正15年4月2日以降の生まれの方です。

年金は繰上げれば減額し、繰下げれば増額します。

繰上げした場合の平均月額と繰下げした場合の平均月額に3万円も開きがあるのは驚きです。

こんなに差があるのに繰上げする人の方が繰下げする人よりも10倍くらい多いんですね。

実感としても繰上げの相談の方が多いです。

早めにもらったほうが得だと考える人が多い。

いつまで生きるかわからないのでそう思うのは無理もないですが、減額の不利益は大きいですね。

今回のニュースまとめ

シモムー

今回のニュースは、国民年金制度の年金加入の実態・年金月額の平均をご紹介しました。

内容をまとめてみると、

  • 第1号被保険者は年々減少している
  • 保険料の全額免除を受けている人は第1号被保険者全体の35%
  • 女性の第3号被保険者は40歳代が最多、男性は50歳代が最多
  • 老後の年金の平均月額は障害や遺族年金より少ない
  • 繰下げするより繰上げする人が10倍も多く、平均月額は3万円も異なる

といったところです。

”国民年金月額5万円、ホントかよ?”

でスタートした統計の分析でしたが本当でした。

国民年金しか年金が無い人はこれでは生活なんて無理。

この現実を直視して、早いうちから危機感を持って対策を立てるしかないと思います。

さて次回はサラリーマンの年金制度、厚生年金の統計データを見ていきます。

こちらは希望が持てればいいのですが・・。

出典・参考にした情報源

厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況 平成27年度

この記事が役に立ったら
いいね ! お願いします

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
シモムー

シモムー

日本年金機構の年金相談コールセンターにて新人研修講師を担当しながら社労士試験予備校にて講師を経験。2014年より公的年金の情報を初心者目線で解説する「みんなのねんきん」サイトで情報提供を続ける。年金を事例で学ぶ「年金ケーススタディ」で全問題の作問と解説を担当。具体例やイメージで理解できる情報提供を心がけている。

Copyright© 年金力養成講座 みんなのねんきん , 2018 All Rights Reserved.