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年金月額5万円 君は生き延びることができるか 厚生年金編

投稿日:2017年5月16日 更新日:

出典が公開された日:2017年3月

どんなニュース?簡単に言うと

新聞を読んでいたら遭遇した「平均年金月額5万円」の記事。気になったので参照されていた厚生労働省の統計データに当たってみたんです。すると驚愕の事実が・・。今回は厚生年金制度の実態を加入者の状況や平均月額とともにご紹介します。

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どんなニュース?もう少し詳しく!

前回まとめた国民年金の加入者の状況や年金平均月額。

年金月額5万円 君は生き延びることができるか 国民年金編

出典が公開された日:2017年3月 目次1 どんなニュース?簡単に言うと2 どんなニュース?もう少し詳しく!2.1 自営業者や専業主婦は年々減っている?2.2 第1号被保険者の35%は保険料を1円も納 ...

今回は一緒に掲載されている厚生年金のデータをまとめていきます。

今回も参考にした統計は「厚生年金保険・国民年金事業の概況」。

平成29年3月に厚生労働省年金局から発表された「平成27年度末現在」のものになります。

公務員のデータは対象外なんだそうで・・。

厚生年金制度は民間企業に勤務する人が国民年金(基礎年金)の上乗せの年金を受け取るために加入するもの。

ですので、もともと公務員等の共済制度加入者は対象外でした。

ところが、2015年(平成27年)10月からは厚生年金と共済年金が統合。

現在は厚生年金に一本化されています。

そんな沿革があるからなんでしょうか。

この「厚生年金保険・国民年金事業の概況」には統合されたはずの共済制度に加入する人は対象外となっています。

その点に注意して、まずはどれだけの人が加入しているか見てみましょう。

子育てによる保険料免除者が激増!

厚生年金制度は国民年金制度とは加入の考え方から違います。

個人単位で加入するかしないかの大前提として、その勤める職場がまず厚生年金に入っている必要があります。

データを見ると、厚生年金に加入する職場(事業所)の数はここ最近は増えています(表左端列)。

全体は197万5千カ所。

1年で10万7千カ所(伸び率5.8%)増えています。

事業所が増えれば、そこで働く人も増えるわけで、すなわち加入する人も増えています(表真ん中列)。

約3700万人で前年度より2.4%増えています。

ちょっと面白いのは産休・育休で保険料免除を受ける人が激増しているところ(表右端列)。

平成26年度からは産前産後休業期間も含めて育児休業中は保険料の免除を受けられるようになりました。

そのためここ2年度の伸び率は2桁いっています。

子育てに絡んだ休業を取ると、その間保険料が免除されます。

が、老後の年金が減額されることはありません。

使わない手はないわけで、制度が浸透している証拠ですね。

男女の給料の差は10万円もある

次にみんながどれくらいの給料なのかというデータを見てみましょう。

厚生年金制度は国民年金制度とは異なり、各自の給料ごとに保険料が違います。

ですので、会社は自社の従業員の給料を行政に報告しなければいけません。

結果、みんながどのくらいの給料をもらっているのかがわかるというわけです。

表を見る限り、全体平均は月額約31万円。

特徴的なのは男女の差は10万円くらいあるというところでしょうか。

こんなに差があるのかとデータを見ると驚きます。

ちなみに、厚生年金で把握している月給はどんなに高額であっても最高62万円という上限があります。

月給100万円でも62万円止まりなので、実態を正確に反映した平均額というわけではありません。

年収ベースでは男性500万円、女性330万円

厚生年金の保険料はボーナスからも天引きされます。

1回あたりの平均は約44万円(表左列)

ただし、ボーナスにも月あたり150万円という上限があります。

1回1000万円もらっても150万円で行政に報告することになります。

併せて、

表右列は月給とボーナスの合計から年収ベースでの1人平均額が出ています。

男性は500万円を超えていますが、女性は約330万円。

男女差は180万円。年収ではこんなに差が開いてしまうんですね。

さて、

これら行政に報告された月給とボーナスのデータをもとにして、保険料の額が決まります。

また、

これらの金額が将来受け取る老齢厚生年金の単価になります。

金額が高ければ高いほど保険料を多く納めることになり、その分将来の年金も増える

これが厚生年金制度の特徴です。

(下に続きます)

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厚生年金からの老後の年金は月10万円程度か

最後に老後の年金額の平均月額を見てみましょう。

表の中で「基礎または定額あり」というのは前回紹介した老齢基礎年金を含んだ金額です。

基本的には65歳以降の人たちの平均額と言えます。これが約15万円。

一方、

「基礎または定額なし」というのは老齢基礎年金をもらっていない人で基本的には60歳台前半の人たちの平均額です。これが約8万円。

とすれば、

老齢基礎年金が平均月額5万円とすれば、厚生年金からの老後の年金は平均月額約10万円ということになりますか。

表の平均月額は旧制度の老齢年金も含めた金額です。

現行制度の年金水準は低いので、これから65歳を迎える人たちは平均額に届かない人の方が多いんじゃないかと思います。

今回のニュースまとめ

シモムー

今回のニュースは、厚生年金制度の年金加入の実態・年金月額の平均をご紹介しました。

内容をまとめてみると、

  • 近年は厚生年金に加入する事業所が増えて、加入する人たちも増えている
  • 子育てに伴う保険料免除の利用者が平成26年度から急増
  • 厚生年金制度上の月給の平均は約31万円、ボーナスは1回平均44万円
  • 65歳以降の老後の年金の平均月額は老齢基礎年金込で約15万円

といったところです。

まず、

厚生年金に加入する人が増えているということは事業所が増えていることも影響している。

景気が回復しているというのはこんなところに数字として現れています。

また、

平成28年10月になると、パートタイマーへの社会保険加入拡大という話があります。

平成28年度のデータは更に加入者が増えそうな予感がします。

ただ、逆に、

加入者が増えているのに月給やボーナスがほとんど変化していません。

今後、パートタイマーの加入者が増えれば、今度は平均値が下がるんじゃないでしょうか。

最後に、年金の平均月額について。

これまでの私の経験を思い出す限りでは、2カ月に1回の振込額は20万から30万円位が多かった気がします。

平均月額が15万円ですからだいたいそんなものなんでしょう。

ただ、ここから介護保険やら後期高齢者医療保険やら税金やらが天引きされます。

手取りが12、3万円とすると・・・、

やっぱり老後の生活は年金だけでは苦しいなと感じますね。

出典・参考にした情報源

厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況 平成27年度

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シモムー

シモムー

日本年金機構の年金相談コールセンターにて新人研修講師を担当しながら社労士試験予備校にて講師を経験。2014年より公的年金の情報を初心者目線で解説する「みんなのねんきん」サイトで情報提供を続ける。年金を事例で学ぶ「年金ケーススタディ」で全問題の作問と解説を担当。具体例やイメージで理解できる情報提供を心がけている。

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