どんなニュース?簡単に言うと
2019年8月。5年に一度の年金の財政検証結果が発表されました。私、シモムーは初めて審議会を傍聴してきました。今回は検証結果の紹介の前に、審議会傍聴で感じた生の雰囲気をお伝えします。
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どんなニュース?もう少し詳しく!
シモムーの審議会潜入ドキュメンタリー
2019年8月27日。
我々取材班は東京にある、とある駅に降り立った。
館に侵入するシモムー。
3階のエレベーターの扉が開く。
その時だった!
ついに、会場に到着。
この部屋の奥で取材班を待ち受けるものとは・・。
しかし、
時間が来るまで会場には入れない。
プレスの人たちと一緒に並ぶ、プレスの人っぽいシモムー。
奥が審議会の会場で、手前が傍聴席。
その間のスペースでカメラマンが撮影のセッティング中。
審議会の冒頭部分のみカメラ撮影が許されている。
そして、
18時、審議会が始まった。
そもそも社会保障審議会ってなにするところ?
ここで、
そもそも社会保障審議会ってなんでしょうか?
厚生労働省設置法っていう法律があるのですが、そこに「本省に、次の審議会等を置く。」とあり、社会保障審議会が列挙されています。
厚生労働省の仕事は幅広いですが、さまざまな分野にわけて審議会が存在しています。
審議会の役割は、以下のとおり。
一 厚生労働大臣の諮問に応じて社会保障に関する重要事項を調査審議すること。
三 前二号に規定する重要事項に関し、厚生労働大臣又は関係行政機関に意見を述べること。
(厚生労働省設置法7条 アンダーラインは筆者が記載)
つまり、社会保障の重要事項を調査審議して、政府に意見を言うのがその仕事と言えます。
ここで、
社会保障って一口に言っても、これまた幅広い。
年金、介護、医療、福祉・・。
そこで、社会保障審議会の中でも更に細分化されたテーマを担当する部会の設置が認められています。
公的年金制度を専門的に調査審議して政府に意見を言う
それが、今回お邪魔した社会保障審議会年金部会なわけです。
審議会はこんな感じで進行しました
今回初めて傍聴した社会保障審議会。
どのような流れで審議が進められたのか。
会場の見取り図と時間の経過、その時に感じた私の気持ちを示しながらお伝えします。
会場の配置はこうだった
四角の配置で奥の赤枠が「部会長」
この方が進行役を務めます。
真ん中の青枠内に厚労省の局長や課長が並んでいます。
中でも緑枠の人が今回の検証結果を全面的に説明する担当で、質疑応答では青枠の人全体で受け答えをしていました。
われわれ傍聴人はこの図の一番下に陣取っています。
傍聴席と事務方の間のスペースで報道カメラがあったわけです。
16時20分 受付開始
入り口で受付を開始。
報道のカメラが傍聴席の前で陣取り審議会の様子を映すべくスタンバイ開始。
17時 審議会開始
部会長(赤枠)が委員のなかで欠席者が何人かいるものの、一定の参加者がいるため会議が成立した旨の宣告。
冒頭の挨拶開始。
17時5分 検証結果の報告開始
報道カメラは冒頭部分のみ映して退出。
数理調整管理官(緑枠)が単独で財政検証の結果の報告開始。
参考資料のあちこちのページに飛びながらものすごいスピードで資料の解説が進む。
結果的に、前回の財政検証とそれほど変わらない結果となったとのこと。
(なんとなく、傍聴席の空気も安堵した雰囲気)
その後説明が終わるまで、あっちをめくったり、こっちをめくったり目まぐるしく移動。
(説明についてこれない人たちも目につく)
18時 質疑応答開始
注:私が印象に残ったものだけをご紹介。
説明の仕方として何が幹で何が枝葉かわからない
繰下げの仕組みは現在利用されていない。これがどれだけ効果をあげるだろうか。繰下げ待機中に振替加算や加給年金が出ないことをどう説明するかが繰下げ活用における課題
(社会保険加入の)拡大は急いだ方がよい。基礎年金の劣化が問題である
(社会保険加入の)拡大は企業に負担がかからないようにしてほしい
という感じで、各委員が質問 → 役人側が説明を繰り返す。
19時15分 終了
部会長が終了宣告。
一斉に退席が始まる。
予定時間よりオーバーしたものの約2時間で会議が終了。
と、いうのが審議会の流れでした。
今回のニュースまとめ
今回は、2019年の財政検証発表に絡み、社会保障審議会がどんな役割を持ち、どのように会議が進められたかをまとめてみました。
ポイントは次のとおりです。
- 社会保障の重要事項を調査審議して、政府に意見を言うのが社会保障審議会の役割
- 年金部会は公的年金に特化した調査審議の機関である
- 部会長が会議の進行をし、役人側が検証結果を発表、各委員が質問し、役人側が答えるという流れ
- 約2時間で1回の審議会が終了
今回、傍聴してみて驚いたことが一つありました。
それは、質疑応答の途中でのこと。
スマホの通知を見ると、ニュース速報が。
とある新聞社から速報が入りました。
まだ審議会の途中です。
年金、現状水準には68歳まで就労必要 財政検証
え?そんなことどこに書いてある?
ってゆーか、そんなこと報告のなかで強調していたか?
配布された資料の中にはそういう記載があるのかもしれないですが、まだ質疑応答も終わっていませんし、ちょっとギョッとしました。
配布された資料だけから、不安にさせるような見出しを作って報道する。
そういうやり方なんだなって、逆に何か納得させられました。
先程も記載しましたが、検証結果は前回とほぼ同じ内容ということで、今後の見通しでも年金水準の現役世代の手取り50%超えは確保されているというもの。
ですから、ホッとしたというのが私の印象でした。
各委員からは厳しい指摘のようなものはなく、オプション試算をもとにこれから年金をどう良い方向に改正するか前向きに考えようという雰囲気を感じたんです。
ところが、テレビや新聞の報道は、不安を煽ることがまず第一。
以前のような極端なものはなくなった気がしますが、なぜそんなにネガティブなんだろうと感じました。
もしかして、日本人が自信を無くしているのはこういうところにあるんじゃないかとも思った次第。
さて、
次回からは財政検証の結果を私なりにまとめてみたいと思います。
どこまでわかりやすく解説できるか、頭の痛いことですが、できるだけがんばってみます。
お楽しみに。
出典・参考にした情報源
審議会で配布された資料
シモムー
みんなのねんきん主任講師