年アド2級に16年連続合格したら見えてきた3つのこと|みんなのねんきん

2018年5月20日

公的年金制度の勉強を続けるシモムーです。

私は年金に関する情報発信をしたり、年金をケーススタディで学ぶ勉強会を主宰しています。

「シモムーって誰?」「本当に実力あるの?」

ネット上で信頼を得るためには実績を見せることが大事だと思っています。

10年前私は「年金アドバイザー試験(銀行業務検定協会主催)」に合格し続けることで信頼を得るきっかけをつかもうと思いました。

この記事では2級の成績表を写真付きで公開します。

ちなみに、3級はこちらです。

【2024秋最新版】年アド3級で24回連続合格、平均96.435点の結果を出してわかった大事なこと|みんなのねんきん

公的年金制度の勉強を続けるシモムーです。 私は年金に関する情報発信をしたり、障害年金専門の社労士法人を立ち上げたり、障害年金の専門家を養成する講座を主宰しています。 「シモムーって誰?」「本当に実力あ ...

また、受験当時の感想や受験対策に対する当時の私の考え方も記載しました。

これから受験される方にとって、この10年でどのような難易度の変遷をたどったか何らかの参考になると思います。

10年結果を出してきた私も最初から何の努力をせずに実績を積み上げられたわけではありません。

最初の2・3年は成績が安定せず、常に不安を抱えながらのチャレンジでした。

私に興味を持ってくださったあなたから少しでも信頼を得られればこれほど嬉しいことはありません。

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シモムーの2級合格履歴

注:ネット上では「シモムー」で活動したいので氏名は伏せています。が、途中で面倒になって本名載せてます。

初受験 2008年 76点

【みんなのねんきん】年アド2級 成績通知書 2008年

初受験時は過去問を過去7年分くらいを約10回繰り返し、万全の体制で受験に臨みました。

この年は年金記録が5000万件宙に浮いているという記録問題が騒がれていた時期。

最終問題に穴埋めで記録問題の出題がありました。

ただ、合格率は30%近くあり、当時も受験しながら「意外に難しくないな」というのが感想でした。

2年目 2009年 71点

【みんなのねんきん】年アド2級 成績通知書 2009年

徐々に受験者数が増え始めるこの年。

最終問題は当時政府が緊急的に発行した「ねんきん特別便(今は定期便)」に関する問題でした。

この試験は時事的なテーマを穴埋めで出題することがよくあります。

当時は年金相談のコールセンターに勤めていたのでこの手の問題では有利な立場でした。

3年目 2010年 64点

【みんなのねんきん】年アド2級 成績通知書 2010年

年金記録問題を背景に受験者が2000人を突破した2010年。

気が緩んでいたせいでろくに勉強をしないまま受験。

結果、薄氷の合格でした。

いくら年金相談の仕事をしていても試験対策は別であることを痛感しました。

昨年より難易度が高くなったと感じます。記録問題が生じてからこの試験は格段に難しくなっています。

4年目 2011年 64点

【みんなのねんきん】年アド2級 成績通知書 2011年

私が過去16年受験してきて、おそらく最高難度の年がこの2011年。

受験中、「今回は無理かもしれない」とかなり焦ったのを記憶しています。

前回気の緩みがあったので今回はきちんと対策をして臨んだものの薄氷の合格。

この年は本当に実力がなければ合格できない年だったと思います。

5年目 2012年 84点

【みんなのねんきん】年アド2級 成績通知書 2012年

ついに受験者数が3000人を突破した2012年(近年ではこの年の受験者が最も多かったです)。

合格率も前回よりわずかに上向いただけの難易度ですが、自己最高得点を記録しました。

理由は資格予備校でこの試験の対策講座を受け持ったことにあります。

人に教えると自分自身が一番勉強になるということを実感した年でした。

6年目 2013年 67点

【みんなのねんきん】年アド2級 成績通知書 2013年

再び60点台のギリギリで合格した2013年。

多忙のためろくに勉強できないまま受験したというのもありますが、設問1つ1つが数年前に比べて難しくなっています。

例えば老齢基礎年金の計算問題1つとっても、加入歴が複雑で時間がかかります。

このような傾向の年でも結果を出すために大事なのは年金知識ではありません。

解き方を工夫する必要があり、最後まで諦めない精神力も必要になります。

7年目 2014年 72点

【みんなのねんきん】年アド2級 成績通知書 2014年

この年くらいから試験対策の勘所がわかってきた2014年。

「最小限の対策でいかなる状況下でも7割の得点をする」という目標を定め達成することができました。

試験はやみくもに時間を掛けても結果が出るとは限りません。

必ず出題されるテーマは徹底的に対策を立て、何が出るかはわからないところは手を抜く。

受験対策で必要な考え方が身についてきたと実感した年でした。

8年目 2015年 94点 個人賞

【みんなのねんきん】年アド2級 成績通知書 2015年

いきなり「本来水準の計算式で答えよ」と出題された2015年。

この2015年度から物価スライド特例水準が強制的に終わるため、前倒しで(3月の試験時はまだ2014年度ですが)対応したようです。

多少焦りましたが、午前中に受けた3級が既にそういう形式だったので心の準備ができていたのは幸い。

ただ、振り返ってみると、この年は異様に簡単で、受験すれば誰でも合格できたのではないかというくらいのレベルでした。

この高得点は参考にならないと思います。

9年目 2016年 82点

【みんなのねんきん】年アド2級 成績通知書 2016年

被用者年金一元化関連の知識が出題され始めた2016年。

一元化後施行後の最初の試験でしたから完璧に対策を立ててそれが効きました。

この年からは自分のための勉強は一切せず、他人に教えることを通じて自分も勉強するというスタイルを確立。

10年近く受験してきて、ようやく年金の実力がついてきたと実感できた年でした。

10年目 2017年 80点

【みんなのねんきん】年アド2級 成績通知書 2017年

10年目の節目となった2017年。

私の当初の目標は「10年連続合格する」というものだったので、結果を出すことができ本当に安堵したのを覚えています。

この年は確定拠出年金の大改正があり、対象者が大幅に広がったため特に重点的な対策を立てて臨みました。

やはりこの試験は時事的なテーマはしっかり対策を立てる必要があると痛感しました。

11年目 2018年 81点 個人賞

【みんなのねんきん】シモムー2級の実績

2回目の個人賞を取った2018年。

この年はちょっと特殊です。

合格率は20%台後半ですからそれほど難易度は高くなかったはずなのですが、高得点を取れた人はあまりいなかったということが読み取れます。

80点で個人賞を取るというのは考えられません。60点台の合格者が多数いたのではないかと思います。

この試験は6割得点で合格で、私の受験歴で60点以外の合格はありません。

ただ、本当に実力がついたと実感するためには最低でも7割は取れなければと思います。

12年目 2019年 75点

【みんなのねんきん】シモムー2級の実績

この年は非常に難解で合格率が21%と低調でした。

しかも私自身が精神的に病んでいる状態でして、受験中も別のことを考えては集中できない状態でした。

「これは落ちたかもしれない」という覚悟もしていたのですが、なんとか結果を出せてホッとしました。

自分のことより、私が主宰した「2級対策部」のメンバーから全国2位の成績者が出たことが嬉しかったです。

13年目 2021年 69点

【みんなのねんきん】シモムー2級の実績

2020年が史上初の中止となったので久しぶりの受験となりました。

2年振りなので、受験者が増えているかと思いきや、1,325人から1,239人に減っています。

この試験は会社に言われて受験するという3級のような試験ではなく、言わばマニアの人が受けるので、これくらいが平均的な水準なんじゃないかと思います。

合格率も21%も前回と同じ。

私も今回は久しぶりに60点台ということで、全体的には難しく感じました。

ただ、1つ1つの出題のテーマに突拍子もないものはなく、落ち着いて解けば結果は出せたと思います。

14年目 2022年 75点

【みんなのねんきん】年アド2級 シモムー結果

(タップで拡大)

前回も受験者が減りましたが、今回は1,239人から1,082人へ更に減少。

もはやマニアの人しか受けていないのかもしれません。

ただ、

合格率は24.4%と3ポイント上昇しました。

合格率が示しているように昨年よりも難易度はやや下がったかなと感じました。

10点満点が3つあり、これで稼げましたが、確定拠出年金が3点しか取れず、これが今見直しても非常に難しかったです(5つの穴のうち1つしか埋められなかった・・)。

特に筆記させる文章問題が例年以上にあったように感じます。

その場で文章を考えていたらもう間に合いません。

いかに文章問題に対して準備をしておくかが、2級突破のカギ。

改めてそう感じられる問題でした(書きすぎて手首が痛くて大変でした)。

15年目 2023年 76点

【みんなのねんきん】2023年 年金アドバイザー2級 成績

ついに、受験者数が1,000人を切る状態。

合格者はたったの177人しかいません。

全体の合格率も20%と、難易度も高めでした。

ただ、数字ほどの難易度は感じなかったです。というのも、やはり3時間も試験時間があると多少の心の余裕が生まれるからです。

反対に2時間に短縮された3級のほうが難しいと感じるのが近年のアドバイザー試験の印象です。

16年目 2024年 71点

【みんなのねんきん】年金アドバイザー2級2024年成績

今回も受験者数1000人未満。

前回よりも100人近く減少。一体どこまで受験者が減るのでしょうか・・。

難易度は平年並みでしたが、企業年金のテーマが激しく難しく、平均点2点台というのは近年見ない数字です。

私もこのテーマについて、1点を覚悟していたのですが、適当に答えた数字が合っていて4点取れました。

いつも得点源にしているテーマで見たことないものが出題されると動揺します。

しかしそういった過去問には無い出題であっても、落ち着いて他のテーマでカバーできるか。

総合力が試されるのが2級です。

まとめ

最後にこの10年の受験からわかったことを3つまとめましょう。

  • 年金記録問題を境に受験者数が増加。そのため難易度が高まり、受験者が落ち着いた現在でも難易度は高止まりのまま
  • 半分は文章解答問題。その対策を徹底的にしておかないと合格は無理
  • 単に年金制度を知っていれば合格できる試験ではない。試験に対応した解き方・精神の持ち方を意識しなければ合格はなし得ない

もしあなたが2級試験の受験を考えているなら、これらのことを知っておくだけでも勉強の指針になると思います。

さて、私はこれからも継続して受験していきます。

合格したときもそうでない時も正直に実績を公開していきたいと思っています。

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年金アドバイザー2級試験に2008年の初受験から2024年まで16年連続合格中。2015年は全国4位、2018年は全国7位で優秀賞を受賞。目標は全国1位。試験に対する考え方・勉強方法について絶対の自信を持っている。

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