何が出題されている?
出題形式:誤っているものを選択
2021春から国年と厚年の論点が合併し、1つの問題になりました。
それより前は、「国年」「厚年」と別々の問題だったのです。
実際に本番で解いていて変わった印象はなかったのですが、分析してみると、「おぉ!1つになってたか!」とわかった次第。
合併しても出ることは同じ。だから違和感がなかったんです。
他にも出題されるべきテーマは多いので、今後は国年・厚年に分割してもとに戻ることは無いでしょう。
これからは国年・厚年共通事項として整理していきます。
スポンサーリンク
過去10回の正解となった知識
合併後の過去8回の正解となった知識
- 2024秋 国年 20歳未満で厚年の被保険者になるとその時から第2号被保険者になる
- 2024春 厚年 月の末日に退職したらその月までが被保険者期間となる
- 2023秋 国年 資格喪失日は60歳誕生日の前日
- 2023春 共通 死亡した場合はその翌日に資格喪失する
- 2022秋 共通 死亡した場合はその翌日に資格喪失する
- 2022春 国年 第1号の資格取得に保険料納付は無関係
- 2021秋 国年 20歳未満で厚年の被保険者になるとその時から第2号被保険者になる
- 2021春 厚年 月の末日に退職したらその月までが被保険者期間となる
合併前の国年の過去2回の正解となった知識
- 2020秋 1号 資格喪失日は60歳誕生日の前日
- 2020春(模擬)2号 20歳未満で厚年の被保険者になるとその時から第2号被保険者になる
合併前の厚年の過去2回の正解となった知識
- 2020秋 死亡した場合はその翌日に資格喪失する
- 2020春(模擬)月の末日に就職しても1カ月の被保険者期間となる
これまでの過去の傾向は国年・厚年共通して、
月単位でいつからいつまで被保険者期間か という知識を前提に、
日にち単位でいつ取得していつ喪失するか が問われます。
国年の場合は、国民年金の第1号被保険者のケースで正解が多く、厚年の場合は、「月の末日」にこだわった出題がされていました。
合併後は厚年でもよく登場していた死亡に関するものがよく正解になる傾向です。
出題傾向から年金制度を考える
国年厚年共通 月単位の加入期間が”被保険者期間”
被保険者期間とは月単位での加入期間のこと。
資格を取得した月から資格喪失月の前月までをカウントします。
図解で右脳に記憶させておくと良いでしょう。
この月単位を元にして、保険料を徴収し、将来の年金額計算時に1カ月分として反映させることになります。
この被保険者期間を把握するために、国年・厚年ごとに、典型的な資格取得日と喪失日を理解していくわけです。
国年厚年共通 喪失注意点1つ
被保険者が死亡したケースは頻出。
これは国年・厚年共通して翌日喪失です。
簡単なので、当たり前の知識にします。
2022秋に久しぶりに正解となりました。
2023春は月末に死亡したケースで、いつまでが被保険者期間か?という複合的な出題がされました。
翌日喪失ですから喪失月は死亡月の翌月、つまり、その前月である死亡月までが被保険者期間ということになります。
国年 第1号被保険者の”喪失” 2つに注意する
第1号被保険者は2つの喪失に関する知識を理解します。
60歳の誕生日の前日で喪失する
第1号被保険者の喪失は60歳に達した日です。
”達した日”ですから誕生日の前日というのはご存知のとおり。
これを
誕生日で喪失する
と出題することが多数です。
60歳到達時に喪失するのは3号も同じですが、1号の場合でしか出題がありません。
合併後は出題がなかったのですが、2023秋に久しぶりに正解となりました。
60歳到達時の資格喪失に届出不要
この知識については
喪失届を市区町村へ提出する
と出題されます。
届出は要りません。
年齢を理由にした喪失の場合は届出が不要というのは第1号だけの話ではありません。
第3号も同じです。
年金機構側は届出されるまでもなく、既に資格取得時に把握した生年月日で判定できるからです。
また、
そもそも第2号の場合は厚生年金の届出によって国民年金の資格の得喪がわかるので”国民年金に関して”他の届出も要らないことになっています。
資格取得に保険料の納付は無関係
2022春は初めて見る肢が登場。
第1号被保険者の資格取得について、
保険料を納付した日
という出題で、これは誤り。
保険料の納付は無関係で、”国内居住・2号、3号以外・20歳以上60歳未満”であれば、第1号被保険者の資格を取得します。
第2号は厚生年金の資格と連動
第2号被保険者は原則、厚生年金の資格取得・喪失と連動しています。
18歳で厚生年金に加入したら、18歳で第2号被保険者になる。
20歳に達したときから第2号被保険者となる
この形で誤りを作ります。2024秋で正解となりました。
また、
厚生年金から抜ける(退職する)と、連動した国民年金第2号はいつ終わるのか?という論点にも注意。
正解は、退職した日の翌日に喪失 です。
厚生年金側の資格喪失は、退職した日の翌日
国民年金側の第2号資格喪失は、厚生年金の資格喪失をしたその日
つまり、
厚生年金側の資格喪失する退職した日の翌日において、国民年金の第2号被保険者資格も同時に喪失ということなんです。
機械的に「翌日喪失」とか「その日喪失」とかと制度別に覚えるのではなく、厚生年金と連動した形で国民年金の資格喪失をイメージで覚えます。
電子申請で手続きできる
2022年5月から国民年金の加入手続き・免除申請関係をスマホからできるようになりました。
定番の肢になるかは疑問ですが、一応紹介しておきます(免除の話も入っているので他のテーマで出題される可能性があるからです)。
電子申請ができるのは、第1号関連のもの。
資格取得・種別変更・免除申請 の3つです。
押さえておくのはこれくらいで良いかと。
詳しくは、こちらのコラムを参考にしてください。
-
加入手続きはスマホでOK!!国民年金で電子申請がスタート|みんなのねんきん
どんなニュース?簡単に言うと 2022(令和4)年5月 11 日から、個人が行う国民年金の手続きの一部で電子申請が利用可能になりました。 スマホやパソコンで手続きができ、時間・コストの削減が期待でき ...
続きを見る
2023秋、2024秋は3号から1号への種別変更に関して出題がありました。
厚年 月末取得・月末喪失に注意する
厚生年金で問われる知識は、会社に勤めることと関係します。
- 資格を取得する(加入する)のは適用事業所に使用されるようになった日
- 資格を喪失する(脱退する)のは使用されなくなった日の翌日
つまり、
就職したらその日に始まり、辞めた場合はその翌日に喪失です。
出題は、
月の末日に退職した場合
月の末日に適用事業所に入社した場合
「月の末日」にこだわった出題がされます。
- 月末退職であれば、翌日喪失なので翌月1日に資格喪失
- 月末入社であれば、その日に資格取得
前者の月末退職は2021春、2021秋、2022春、2022秋、2023秋、2024春と連続出題。常連の肢です。
月末退職は翌日の月をまたいだ1日に喪失しますから、喪失月の前月=退職月までが被保険者期間になるわけです。
70歳に達したらその日に喪失
会社に勤務し続けていても、70歳に達したらその日に厚生年金の資格を喪失します。
達した日ですから、70歳の誕生日の前日ということになります。
過去の正解の作り方は、
65歳に達した日
と数字を変えたり(2016春)、
2019秋は
70歳に達した日の翌日
として、誤り(「達したその日」です)。
今後も常連として出題は続くはずです。
今回はこれが答えになる!
国年厚年が一緒になっても、やはり問われる論点は変わりません。
以下の論点をしっかり押さえておけば、どれかが正解になると思います。
共通の要注意論点
- 資格を取得した月から資格喪失月の前月までが月単位での加入期間=被保険者期間
- 死亡したら翌日喪失は国年厚年共通
国年の要注意論点
- 60歳到達時の資格喪失に届出不要
- 資格喪失日は60歳誕生日の前日
- 20歳未満で厚年の被保険者になるとその時から第2号被保険者になる
- 退職して厚年の被保険者資格を喪失すると、退職した翌日に国年第2号資格も喪失する
- 1号への資格取得・種別変更・免除申請がスマホでできるようになった
厚年の要注意論点
- 適用事業所に使用されるようになった日(入社日)に資格取得 →月末入社でも1ヶ月の被保険者期間
- 使用されなくなった日(退職日)の翌日に資格喪失 → 月末退職なら退職月までが被保険者期間
- 資格喪失日は70歳誕生日の前日
シモムー
みんなのねんきん主任講師