【2023年10月最新版】年アド3級試験で寄せられた質問に回答してみる|みんなのねんきん

2022年2月10日

「質問がある猫は挙手を」「ニャ!」

シモムー

みんなのねんきん主任講師

長年、年金アドバイザー3級対策のアドバイスをしていますが、勉強方法や制度に対する質問が寄せられます。

その都度、丁寧に回答することを心がけていますが、ふと思いました。

シモムー
シモムー
この質疑応答をその場限りで終わらせるのはもったいない

そこで、当ブログをご覧になっている受験生と一緒に、寄せられた質問・私の回答を共有します。

1人の疑問は他の誰かの疑問の可能性があるからです。

それではいってみましょう。

注:ご質問の受付は毎日配信サービスの利用者のみに限定していますのでご注意ください

 

年金制度に関する質疑応答

Q 2022年秋試験、遺族給付の問題について

トラ
トラ
第153回の問44遺族厚生年金についてです。年金期間が288ヶ月しかないのに、300月にみなされないのは、何か他に条件があるという事でしょうか?

A 長期要件で年金額計算をするからです

まず、遺族厚生年金の年金額が300ヶ月みなしで計算されるということは、夫の死亡が短期要件に該当していることが必要です。

ここで、短期要件は
1 死亡時に厚生年金の被保険者であった
2 厚生年金の被保険者期間中に初診日があり、そこから5年以内に死亡した
3 1級又は2級の障害厚生年金受給権者が死亡した

という条件が必要になります。

そこで、夫の死亡は短期要件に該当するか検討すると、死亡時は国民年金加入なので1は非該当、3もそのような記載がないので非該当。

可能性がありそうなのは2となりますが、この方の初診日は「平成31年3月1日」となっています。この初診日は平成28年3月に厚生年金が終了したあとの、つまり退職したあとの初診日ということになり、2も非該当となります。

結局、この夫は短期要件に該当しないので、長期要件に該当することとなります。

結論として300みなしがされず、実期間で年金額が計算されることとなるわけです。

Q 振替加算について

チャーミー
チャーミー
振替加算は加給年金の65歳以降の後継だと思うのですが、なぜ夫から妻に振り替わるのでしょうか

A 年金制度に強制加入できなかった期間が1ヶ月でもある人には本体の金額とは別に加算による救済をします

加給年金と振替加算の関係ですね。

単純に後継という話ではありません。

そもそも、

旧法時代(昭和61年3月以前に生じた年金)の厚生年金制度における老齢年金に加算された加給年金は生涯にわたって加算されるものでした。

ところが、

昭和61年4月からは新法によって年金制度が大幅に改められ、加給年金の対象者になっていた専業主婦の方も第3号被保険者として強制加入させ、自分の老齢基礎年金をもらえるようにしました。

そこで、

新法における老齢厚生年金の加給年金は配偶者が65歳までで打ち止めとなりました。なぜなら、配偶者自身が自分の老齢基礎年金を65歳からもらえ、きちんとした老後の保障を受けられるからです。

ただ、

新法に切り替わった昭和61年4月時点で高齢の配偶者は老齢基礎年金の年金額が少なくなる可能性があります。年金制度に強制加入しない期間が長い人ほど、つまり、昭和61年4月時点で高齢な配偶者ほど老齢基礎年金本体の額が少なくなるからです。

そこで、

年金制度に強制加入できなかった期間が1ヶ月でもある人には本体の金額とは別に加算による救済をしてあげようとなりました。これが振替加算です。

加給年金は65歳で終わってしまうので、救済の加算は配偶者の老齢基礎年金にすることになります。

その境目は昭和41年4月1日以前生まれであり、つまり、4月2日以降の人は加算の必要がないので振替加算は出ないのです。

昭和41年4月1日生まれの人が20歳に達するのは昭和61年3月31日。1ヶ月だけ強制の期間がありません。だからここが境目になります。

Q 特老厚の男性の支給開始について

モモ
モモ
「特別支給の老齢厚生年金」の記事・動画を拝見していて「?」と思ったことなのですが、「男性の報酬比例部分の支給がなくなった」というのは、どのような意味においてなのでしょうか。例えば、昭和36年1月生まれの男性の方は現在61歳だと思うのですが、表に当てはめると報酬比例部分は64歳からとなっています。これは誤りなのでしょうか。

A ”試験のタイミングで60歳に達する人”という設定で考えます

特別支給の老齢厚生年金は基本知識問題で1問出ますが、毎試験ごと、

試験回のタイミングで60歳に達する人

の設定で出題がされます。

今年の試験は令和4年(2022年)3月ですので、このタイミングで60歳に達する人は昭和37年の3月あたりの生まれであり、2022年春試験においては、

昭和37年4月2日生まれ か 3月2日生まれ

の人の設定で出題されます。

この設定で男性を考えますと、全員が昭和36年4月2日以降の生まれの人なので、

2022年3月試験の出題において」(男性は特老厚が受給できないので、出題はない

という意味で 男性の報酬比例部分はなくなった とお話しております。

Q 年金生活者支援給付金の遺族給付金について

モモ
モモ
2021年秋試験問28の(5)の遺族給付金の要件「世帯全員の市町村民税が非課税であること」がなぜ誤りかわかりません

A 遺族給付金に市町村民税非課税の要件はありません

遺族給付金は

  1. 遺族基礎年金を受けている
  2. 前年の所得額が「4,721,000円+扶養親族の数×38万円」以下である

という2つの要件のみであり、「世帯全員の市町村民税が非課税」という要件はありません。したがって誤りとなります。

この「世帯全員の市町村民税が非課税」は老齢給付金のみの要件ですので気をつけてください。

勉強方法に関する質疑応答

Q 技能応用の最初の問題(問31・32)について

トラ
トラ
たまたま合ってしまったという時もあるのですが、基本的に月数が数か月ズレていたり、ことごとくミスをしてしまっています。旧法時代の話などなど年代の事はほぼわからない状態です。勉強不足なのはわかっているのですが、ひたすらどこを見て学習すればよいものか戸惑っています。何かアドバイスいただければ幸いです。

A 試験勉強に完璧さは不要

この問31・32は長年受験している私でも時間がかかり、かつ、間違ってしまうこともある問題です。

旧法時代の制度の話もそうですが、ここは年金の総合力が試される問題です。

したがって、現時点で制度の理解不足を認識しているということであれば、ここには敢えてこの問題に 勉強時間を掛けない というのが私のアドバイスです。

この2つの問題で4点 = 基本知識問題を2つ正解して4点。

どちらも同じ価値ということを考えれば、より、基本知識問題をパーフェクトにすべく、そちらに時間を掛けた方がコスパが良いです。

試験勉強に完璧さは不要です。割り切っていきましょう。

まとめ

質問が寄せられたらその都度、このコラムも更新していきますのでお楽しみに。

更新情報

2022年10月

  • 年金生活者支援給付金の遺族給付金について


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年金アドバイザー3級試験に初受験から2023年春まで21回連続86点以上で合格中。満点は5回。優秀賞は9回受賞。試験に対する考え方・勉強方法について絶対の自信を持っている。