年金ニュース

30から31へ 16年ぶり!標準報酬月額等級の歴史を追え!

投稿日:2016年9月19日 更新日:

30

出典が発表された日:2016年09月(経過措置に関するもの)

どんなニュース?簡単に言うと

2016年10月から実に16年ぶりに標準報酬月額の等級が変更となります。今回は等級変更のいきさつと変更に関する経過措置を解説してみます。

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どんなニュース?もう少し詳しく!

厚生年金に加入すると受け取る給料を行政に届出しないといけません。

この給料をもとにして負担する保険料や将来に受け取る年金を計算するためです。

具体的には実際の給料を等級表に当てはめて、「年金上の給料=標準報酬月額」が決定されます。

2016年10月。

この等級表に新たに1等級が加わり、全30等級から31等級へと変更になりました。

9月までの等級表は平成12年(2000年)10月から使われていたものですからなんと16年ぶりの変更。

この変更に伴い、現在加入中で変更の影響を受ける人に関する経過措置が発表されました。

今回はこの経過措置と合わせて、せっかくなので等級表の歴史を調べてみました。

また、なぜ今回等級が1つ増えたのかについても解説してみます。

2016年10月から短時間労働者への社会保険拡大が原因

30から31へ。

新しく88,000円という標準報酬月額が登場したことがわかります。

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(出典:厚労省資料(平成28年5月「事業主の皆さまへ」)より抜粋)

例えば月額10万円の給料(報酬月額)の人は従来は第1級の98,000円とされていました。

新しい等級表では第2級に該当することとなります。

が、標準報酬月額98,000円は従来と変わりません。

この等級表。

下限は最低賃金法に基づく地域別最低賃金を基準にし、上限については全体の標準報酬月額の平均の2倍程度になるように設定されていたんだそうです。

では新しく下限を加えるのはどういう理由か。

それは、短時間労働者の社会保険に入るハードルがこの10月から下がるからです。

※参考 パートタイマーも社会保険に入る!今年秋からハードルが低くなるその内容とは?

一定の規模の会社で月額88,000円以上、週20時間以上働くと厚生年金に加入する必要が出てきます。

そこで、新たに加入する方に対応させて、下限の88,000円の標準報酬月額を作ったということです。

昔の等級表はどうだったんだろう?

16年利用した等級表を2016年10月に改めた。

そこで、疑問に思いました。

更なる昔はどうだったのであろうか・・。

そこで、年金の重大ターニングポイントに焦点を当てて、当時の等級表を調べてみました。

昭和36年拠出制の国民年金制度スタート当時

s36

(出典:厚労省資料より抜粋して編集)

今から50年くらい前は13等級だけだった。

時代を感じさせます。

ちなみに厚生年金は昭和17年の労働者年金保険がその始まりです。

その当時の標準報酬月額は一律1万円とみなされています。

昭和61年現行の基礎年金制度スタート前後

s61

(出典:厚労省資料より抜粋して編集(クリックして拡大します))

昭和50年くらいから現行制度が始まった昭和61年前後のものを抜粋しました。

この10年で等級表の下限がすごい勢いで上昇しています。

給料がどんどん上がっていく時代に対応していることがわかります。

現行制度が始まった当時は下限が68,000円、上限が470,000円です。

それから平成28年で30年経ちますが、昭和50年代ほどの急激な変化はありません。

給料がなかなか上がらない時代ですからねぇ。

この厚労省資料の全体は末尾にPDFファイルのリンクを載せておきました。参考にしてください。

(下に続きます)

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2016年9月現在で第1級の人はどうなる?

ところで、

2016年10月からの新しい等級表を使うと、2016年9月現在で第1級の人は10月以降2つのグループに分かれますね。

  • 新しい第1級の人
  • 新しい第2級の人

新しい第2級の人は従来の第1級と標準報酬月額が同じですから問題なし。

さっき、上で報酬月額10万円の人で検証しましたね。

ところが、新しい第1級に該当する人はどうしましょう。

また届出が必要でしょうか?

ご安心を。

そういう方にはついては厚生労働大臣が「職権」で改定してくれるとのこと。

改定した標準報酬月額は2016年10月から来年8月まで使うことになります。

この経過措置が2016年10月1日付けで施行される予定です。

今回のニュースまとめ

シモムー

今回のニュースをまとめると以下のとおり。

  • 2016年10月短時間労働者の社会保険加入拡大を受けて下限の標準報酬月額88,000円が登場
  • 昭和50年代から現行制度ができた昭和61年くらいまでは等級表の下限が急激に上昇している
  • 2016年9月現在で第1級の人が新しい第1級に該当する場合は職権で変更がなされる経過措置あり

標準報酬月額の等級表の変遷を眺めていると、下限が下がったのは今回が初めてですね。

一体どれほどの人たちが標準報酬月額88,000円に該当するんでしょう。

報道によると、社会保険に入らないよう労働時間を抑える人たちもいるんだそうで。

考えてみると、

この88,000円に厚生年金の保険料率18.182%(平成28年10月から)を掛けると納める保険料が出ます。

=16,000円

この金額を会社と半分にして本人負担は8,000円。

8,000円で国民年金の保険料1カ月分と厚生年金の保険料1カ月分になるというのはお得じゃないですか!

国民年金は自営業者が自分で納めて2016年度は月16,260円。

社会保険に入らずに第3号被保険者のままなら負担は0円。でも老後の年金は基礎年金のみ。

うーむ。あとは価値観の問題でしょうか・・。

もちろん、社会保険に入るということは健康保険にも入るということですからそれも考えないといけないですね・・。

私だったら・・。

出典・参考にした情報源

公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う経過措置に関する政令案(仮称)の概要について

以前記事にした特例に該当する年金受給者に対する経過措置と同じ文書です

※参考 勝手に社会保険に入らせて俺の年金を止めるニャーという経過措置の話

厚生年金保険料率の変遷・標準報酬月額等級の変遷

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シモムー

シモムー

日本年金機構の年金相談コールセンターにて新人研修講師を担当しながら社労士試験予備校にて講師を経験。2014年より公的年金の情報を初心者目線で解説する「みんなのねんきん」サイトで情報提供を続ける。年金を事例で学ぶ「年金ケーススタディ」で全問題の作問と解説を担当。具体例やイメージで理解できる情報提供を心がけている。

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